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2026年2月21日 (土)

小説の創作は「伝授」できるのか問題について

今、Xで小説の創作論云々で盛り上がっている(?)のですが、作家として言えることはただ一つ「いいものを読み、書く」、だけなのですが、どうしてもそれに納得できない人たちがいるようです。

私は万人に自分の意見に納得してもらおうという野望は無くて、ただ彼我の違いやその境目に興味があるし、若い人たちに「この薬飲んだら努力ゼロで痩せられるよ」みたいなのに騙されて健康を害して欲しくないので、「読み、自分も書く」の話をしています。やっぱり、痩せるなら「適切な食事、適切な運動、適切な睡眠」しかないのよ。なんだけど、でもやっぱり「ヒミツの楽な痩せ薬を寄越せ」と言ってくる人が後を絶たない。「お前は小説創作の秘術を知っているくせに、『読み、自分も書く』みたいなふわふわしたことを他人に吹きこんでおいて、その秘術から目を逸らせようとしているな」という趣旨で突っかかって来る人たちの目には、そのうした秘術の痩せ薬の幻影が見えているのかもしれません。

私は、創作の核は無意識の領域に属することなので「説明」はできないと思っています。私自身、自分の意志で、自分の我を通す形で小説を書いているのではなく、「作品様に使いだてされている」感覚があります。四半世紀前にハヤカワのJコレクション・フォーラム(懐!)で「私は作品の奴隷」と発言していますし、『SFが読みたい!2024年版』の一位インタビューでもそういう話をしています。ちなみにこの『SFが読みたい!2024年版』では、自分の創作姿勢や創作の軌跡について語っていますので、参考になればと思っています。

そもそもさー、ジャンルを問わず創作という行い自体が神秘の領域に属するものなんだから、しゃーないじゃん。私は才能は神様からのお預かりものなので、もし剥奪されることがあったら、それもしゃーないと思っています。悪あがきはすると思うけど。でも最終的には「霊感が降りてこなくて書けなくなったら技術で再起動できる」のは無いと思うのよねえ。

しかしどうしてもこれが理解できない人がいます。でも、彼らにこれを「理解しろ」とは私は思っていないです。「再現性のある創作技術があるはずなので寄越せ」派と「無意識的なものだからムリ」派の違いは、ユングの性格分類の外向性と内向性の違いというところはあるかもしれないと思っています。フロイトとユングほどの知の巨人の双璧が、無意識についてさっっっっっんざん議論しても分かり合えなかったのと同じ構図。まあ、こういう違いがあるからこそ創作のネタも生まれてくるわけで、分かり合えない者同士がいること自体は悪いことじゃないと思っています。

いずれにせよ、非常に興味深く、創作のタネに満ち満ちた面白い議論でござる。そう、こういうところに霊感が潜んでいるのよね。

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