桜の園のリディヤ
SFマガジン2021年4月号(2月25日発売)に、高野史緒&佐々木淳子の短編「桜の園のリディヤ」が掲載されました!
これは 2019年に埼玉で行われた第58回日本SF大会での一企画、佐々木淳子さまと私の対談企画の時、書くと約束した、「佐々木作品とある名作のリミックス」の成果でございます。
佐々木淳子さまの最初期の名作「リディアの住む時に……」と、チェーホフの代表作『桜の園』のリミックスです。実は対談をしている最中にもうすでにこの両者を混ぜることを考えていました。多分うまくいく、と。果せるかな、登場人物が予想以上に噛み合い、非常にスムースにリミックスできました。長編の執筆等があったので実際の執筆は2020年の夏になりましたが。
登場人物は、最年少のリディヤ(←ロシア語読み)以外は全員、『桜の園』の登場人物で、年齢もほとんど動かしていません。物理学の論文と最後の時空の不安定がどうのこうのというあたりは私のオリジナルですが、ストーリーの骨子はまんま「リディアの住む時に……」です。
そして、豪華なことに、扉絵は佐々木さまのオリジナル描き下ろしです! 上の写真はその一部。実物は是非、本誌を手に取ってご覧ください! ていうか、是非お買い上げを~。損はさせません。
2019年のSF大会の企画では、四十数年前に小学生だった私が佐々木さまにファンレターを描いた時にいただいた直筆イラスト入りのお返事の葉書を公開しましたが、佐々木さまによると、ファンレターも最初の数枚には手書きイラストで返事を出したことがあったということで、「リデセィア」の時点でのファンレターとなると、もしかしたら私が最初のファンレターだった可能性もあるとのことでした。今回の企画はそんな私からしたらもうまさに感無量の一言に尽きます。
佐々木さまのファンの皆様にもお楽しみいただければ幸いです。
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