その女アレックスたち
フランスで自分がセクハラと暴力を受けた時の映像を公開してたたえられている女性がいるけど、フランスのそういう#me too運動を見ていると、フランスも変わってきていると実感する。
ミステリ作家ながらゴンクール賞を受賞して話題になったピエール・ルメートルの一作、『その女アレックス』は、最初から最後までショッキングな小説だけど、中でもとりわけ生々しくショッキングだったのは、性的暴力を受けた女性に対してほかの女性が「そんなのよくあることでしょ。そのくらい受け流せなくちゃ大人じゃないわ」的な発言をする下り。
フランスって、ほんとこういうところあるのよね~。私がフランスには住めないなと思った理由の一つでもある。女の価値は男に誘惑されてナンボで、女同士でマウンティグし合うところ。そして、性的な経験をすべて勲章にしてしまう女が上位に行くというか。
でも、そんなにどっぷりとフランスに関わっているわけではない私にも、最近、変わってきていると感じられる。私にとって、『その女アレックス』はその象徴といえる。
フランスに行くと、80年代に比べて女性同士で助け合う場面が増えたようにも感じる。90年代くらいまでは、「助けを求めるなら異性に」って感じだったからなあ。変わってきたと感じるのは、私が「娘」のカテゴリーじゃなくなったからだけではないはずだ。フランスはこういう面でのダメさは絶対変わらないだろうと思ってたけど。だから、日本だって、日本のダメなところを変えていくことはできるはずだと信じている。
その女アレックス「たち」がそう教えてくれていると、私は思っている。
TwitterもFacebookも世の中のダメなところをあげつらう書き込みであふれているけど、それよりも、いいことをした人を褒めたたえる書き込みをするようにすれば、日本ももっと良くなるんじゃなかろうかと私は思っている。って、これ自体、ネットのダメなところをあげつらってるって言われちゃうかもだが。
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