相棒14 「物理学者と猫」
どうもSF関係者の間で「どうなるんだ(半笑い)」と注目されていた様子の「物理学者と猫」。私もご多分に漏れず注目しちゃってましたが。でも半笑いぢゃないぞ。どちらかというと次回の「神隠しの山」のほうが「アレでは(半笑い)」ですけどw
シリーズ中一度はある科学ネタ。ワタシ的には、科学ネタの回はおおむね出来がいいと感じている(クローンのネタの回についてここでぐたぐだ長々と書いたのは、惜しいと思ったからこそ)。今回もよかった。SFくない人には「???????」になるかもしれない展開を堂々とやってくれて嬉しい。科学の世界ではありがちな屍累々の悲劇とか、純粋な師弟愛とか、本当に科学の世界が好きな人が書いたんだんだと実感できる脚本も、ありとあらゆるドラマに出てきて自然にその世界の中の人になってしまう正名僕蔵の演技とか、どれもしみじみと良かった。今のところ第14シーズン中もっともいいと思う。
……んだけど、一番嫌な思いをしたのが、ネットではSF度の高い人ほどくさしてること。「どうせたいしたことないだろうとは思うけど」「アレの焼き直しじゃん」「もっと見るべきドラマがあるのに、見て損した」「まあ思ったよりはマシだった」等等等等。SF度が高ければ高いほど上から目線で認めてやるか認めてやらないかという感想になってる。これだからSFはダメなんだよって言われるんだと思うけど……。ゲットーというより、姑根性だよね。嫁はうちの家風に従いなさい的な。あるいはお免状制度かな。流派に入れていただいてお免状をいただかないと虫ケラ扱いか。
まあそういう感想があの作品やあの黒猫の視線を汚すことはないと思うけど、「SFの界隈にいる人」についての悲しい情報にはなってしまうと思う。ああいう「キモチ」って、なんとか昇華の方向に持っていけないものかなあ。とはいえ、あの「キモチ」の中にいない、部外者の私がどうこうできるとは思っていないけど……なんかご大層な知恵や哲学があるわけでもないし、ギョーカイの雰囲気を左右できるような権力や派閥があるわけでもなく……でもモヤモヤと考え込んでしまう。
所詮私には、どこにも行き場がないってだけの話かもしれない。
最近のコメント