日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 |
« 2015年2月 | トップページ | 2015年5月 »
ロシアに行っていた井上が週明けに帰ってきた。どこに行っていたのかというと、毎年恒例、モスクワ郊外のロシア国立映画保存所の映画祭。映画祭と言ってもスターがレッドカーペットの上を歩くような華やかなやつじゃなくて、少数の映画研究者だけに招待状を送って、モスクワから電車で一時間かそこらの映画保存所=一つの村という隔離環境で行われる、激しく地味な秘密結社みたいなに映画祭だ。私は「隔離軟禁映画祭」と呼んでいる(正式名称のロシア語が覚えきれないっちゅーのもありますけどw)。
例年、一月末に行われていたのだが、去年はソチオリンピックに押し出されて二月末の開催になった。そしてどういうわけかそのまんま今年も二月末開催。よく分からん……ロシア……
で、うちは二人とももうすっかりスレてしまってロシアのお土産にはあんまりわくわくしなくなっているのでございます。私に至っては、夫のお土産センスにも警戒感を抱いている。何しろ去年はこんな事案も発生してるもんでw
が、今年は奇跡が起こったのだ! こんなのを買ってきたのである。
背景のプラトークの柄がうるさくて申し訳ない。被写体を邪魔しない落ち着いた色柄を求めて紬の着物を広げたらものすごくヘンだったもんでやめました
外からガガーリン→チトフ→レオーノフ→テレシコワ→CCCP(しーしーしーぴーじゃなくてえすえすえすあーる)と書かれたロシアン末広がりロケット。ガガーリンの足元に書かれているのは「ヴォストーク」。ガガーリンがちょっとゆるくてすぐパカっと開いてしまうのが難点だが、まあロシアっぽさを感じさせると言えなくもない
うちにはこの他にもテロリストマトリョーシカとか、耳つきチェブラーシカマトリョーシカとか、まともでないマトリョーシカがいくつかあるので、ちゃんと写真に撮って公開したい。なんですけれども、私の撮影センスの問題があるので、もうちよっと時間を下さい
「青と黒」に見えるか「白と金」に見えるかで話題のこの画像ですが……
結論から言うと、私には「白と金」に見えます。というか、「逆光の中で、紫がかった青の反射光で撮られた白いドレス。飾りの部分は画像では黄色みの強いベージュに見えるが、おそらく素材は金糸のケミカルレース。ドレスの素材は不明だが、ジャケットは化繊のタフタかなあ? あんまり合わない気がする」という感じ。
実際のドレスは「青と黒」だそうですね。娘が「友達の結婚式にこれ着ようと思ってるけど、どう?」と母親に画像を送ったら、「白と金はちょっと派手じゃない?」という返事が返って来て愕然、という流れだとか。
この「青黒or白金」問題は実際には複数の問題で出来ている。1.実物は何色か、2.この画像そのものの色は何か、3.モニタや印刷による違いはどの程度あるのか、4.同じモニタや印刷物を見ても意見が食い違うのであれば、その理由は何か、あたりでしょうか。
私は最初、「どうせモニタの明るさ程度の問題でしょ~?」と思ってたいして関心なかった。が、実物のドレスは青黒だとか、「白金に見えたけど、そう聞くと青黒にしか見えなくなった!」と言い出す人が出てきたと聞いて俄然関心がわいたという次第。
今朝の「とくダネ!」でも、スタジオにいる人たちが全く同じ写真を見ながら青黒派と白金派に分かれていた。菊川怜が周囲の顔色をうかがわず真っ先に「白金」と答えていたのがさすが 「とくダネ!」のアンケートでは、確か80%超が青黒派だった。愕然。うちは夫も白金派。街頭インタビューでは、白金と答えていたのは年長の女性が多かった印象。番組でも「目の老化で白金に見える……?」みたいな話がちょっと出たり。
しかし、私はネットの色判断力テストで「デザイナー級」の診断が出ている(まあその中ではたいしたことないレベルでしたけどねw)。だって、白金派が「金」と見る飾りの部分、本体と影の色が明らかに違うじゃん。影の部分はこの写真の中では黒の範疇と認めてもいいけど、「金」の部分より明らかに黒に近い。この影より「金」の部分のほうが黒に見えるなんてあり得ーーーん
と思う。「もともとのドレスが何色か」ではなく、この画像のこの部分の色が何に見えるか」という設問であれば、まあ「青の範疇」だと認めてもいいけど、「金」の部分は何をどうしても黒には見えない。
こんな画像がある。
我々が金と言っているテープの部分の色は#70554a、実際にはもっと黄色寄りの部分のほうが面積広い。そのテープやドレスのタックの影の部分は#5958b8だ。白字で文字にこれらの色を使ったら、#5958b8はぱっと見、確かに黒だった。白地の画面いっぱいにこの色の文字が打ってあると、ソフトな印象にするためにパープルの色味をつけているなー、っていうのが何となく分かるけど。でも#70554aはどおおお~しても黒い文字には見えない。
そこでもう一つの、より重大な不安が頭をもたげてくる。
もしかしたら、若者や男性の視覚が大ざっぱで、微妙な色の判断ができないんだったりしないだろうな……
ちょっとでも黒っぽい色は黒としか判断できない、「色味」の違いが分からない、というような。育った文化圏や場所によって、虹は二色か三色にしか見えないというのと同じで。
でも、もしそうなのだとしたら、この問題、色だけじゃなくて味覚や聴覚にもあるんじゃないだろうか。確かに、若い頃にオーケストラの音色に親しまないで育つと、いつまで経ってもオーボエとクラリネットの区別がつかなかったりする。リュートとマンドリンのアンサンブルも、同じ楽器のチャカチャカした音がいっぱい鳴っているだけで何がいいのか分からないという人もいる。クラシックをつまらないと感じる人たちは、音楽そのものだけではなく、もしかしたら、「音色」の点でも退屈を感じているのかもしれない。レンブラントの絵も、「白っぽいところ」と「黒っぽいところ」で人間が描いてあるだけで何がいいのか分からないという人がいても不思議ではない。天然香料の香水より化学薬品臭のきつい柔軟剤のほうがいい香りと思う人がいても不思議ではない。
ということは、もしかしたら、ミハル・アイヴァスや黒田夏子さんみたいな優れた作家がどれほど繊細な描写をしても、大半の読み手はその良さが分からない、楽しめない、ということもあり得る。「ひと言ふた言で済むところを、意味のない描写が小うるさくだらだら続いていてウザイ」とか、「白菊も白バラも同じ白なのに、質感だとか色味だとか言い出して、微妙な違いがあるみたいなこと言い出してなんか気取ってる」とか。大味で単純な小説がより売れ、賞を取り、アイヴァスなんか誰も読まない、なんてことになったり……
しないよね……
むむう……
……………………。
まずいな。
まあこの問題に関しては、何故青黒のドレスが白金に写ったのかのメカニズムをIT機器関係の人が、何故意見が分かれのかについては脳科学者とかが、それぞれもっと納得のいく説明をしてくれるかもしれない。そう期待しているが……できれば後者には、世界の大味化を救済する方法も合わせて提示して欲しいです……
ちなみに画像はどちらも「哲学ニュース」のこのスレッドからお借りしました。
最近のコメント