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2015年1月12日 (月)

シャルリー・エブドは言論によるテロ

仏銃撃非難、欧州・中東首脳や国民ら行進…パリ

 【パリ=柳沢亨之】フランスで17人が犠牲となった一連の銃撃事件を非難する大行進が、11日午後3時(日本時間同11時)頃から、パリで始まった。

 オランド仏大統領や欧州・中東の首脳級約40人、犠牲者遺族を含む多くの国民が参加し、仏メディアによると、100万人を超える見通しだ。

 行進は、パリ中心部の共和国広場からナシオン広場までの大通り約3キロ・メートルで実施。仏政治週刊紙「シャルリー・エブド」のパリ本社銃撃事件などの犠牲者遺族を先頭に、3色の仏国旗を掲げた国民らが、「シャルリー、シャルリー」と叫びながら、表現の自由への支持を訴えた。

2015年01月12日 01時38分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

これ、ものすごく間違ってると思う。遺族には申し訳ないが、でもやっぱり間違ってる。

テロは論外にしても、シャルリー・エブドが長年にわたってやってきたことは「言論によるテロ」であり、モラル・ハラスメントではないかと思うのだが。過激派を批判するのならともかく、ムスリムそのもの、ムハンマドその人までをも嘲笑の対象にするなど、論外だと思う。それはテロとは無関係のイスラム圏の市民に対する精神的無差別テロではないのか。

フランスのお笑いってもともと、「他者を自分より低いところに置いて嗤う」という傾向がある。私はこの状況について説明する時、パトリス・ルコントの『リディキュール』を見るように勧めている。アレですよ、アレ。

イスラム教を嘲笑するのなら、是非、キリスト教のみならず仏教もヒンズー教も、これまで差別を受けてきた少数民族の祖霊信仰も、全て嘲笑していただきたい。被差別民扱いされてきた人々を嘲笑するのはやりにくいって? 何故? 自分たちが差別主義者扱いされるから? いや表現の自由を金科玉条にするのなら、そんなことは恐れてはいけないと思うのだが。

『文学の思い上がり』を著したロジェ・カイヨワも、「モラルハラスメント」の概念を提唱したマリー=フランス・イルゴイエンヌもフランス人ではなかったか。彼らに倣って内省すべきではないのか。

なんか日本も含めての「西側」が9.11の時よりも変な方向に向かってる気がして、私は不安だ。「言論の自由」が過激派にとってのコーランと同じものになっていないかどうか、冷静に考え直す必要を感じる。

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コメント

シャルリー・エブドは、あらゆる人種差別と戦うタイプの出版社です。ジョークのネタにすることで仲間になるということで、フランス政府から少数派まで、それこそ差別なくネタにしています。それがフランス的、またはヨーロッパ的なやり方です。ムスリムに反感を持っているフランス人は、CH社にムスリムがネタにされることは正直快くない感情を持っているはずです。
ドイツでは、ムスリムに反感を持っているグループが2万人ほどデモをしたところ、お前たちと一緒にするなと言って10万人のアンチデモがありました。言論を封殺する動きには注意しなければなりません。

う~ん。私はそういう、「私たちは友好としてやってるんですよ。それが分からないのはあなたにエスプリがないからよw」っていう発想そのものに疑問を感じるのです。まあこの世にそういう雑誌があること自体は止めません。でも、結果として言論のテロになるという自覚があってしかるべきです。

『リディキュール』の宮廷みたいな内輪でそういう理屈でそういうネタをやるのもいいでしょう。でも根底に、「そのエスプリを理解しない朴念仁は嗤われるべき」という態度があり、それを内輪でない人間にも当てはめて嘲笑する態度がある。私はそのcourtisanの世界感に嫌悪を感じます。「フランス的エスプリを理解しない人間は文明人ではない」という、フランス文化の最もよくない側面です。

マララ・ユスフザイさんも、ボコ・ハラムに誘拐された女子学生たちも、敬虔なムスリムであり、イスラム教を棄教したわけではありませんよね。シャルリー・エブドやその支持者たちは、彼女らにもムハンマドのパロディを「ほら、このエスプリをあなたも理解なさい」と言って突きつけることができるのでしょうか。いや、できたらできたでヤバイんだけど。

Je ne suis pas Charlie!

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