美術館映画三本:其の三 『ヴァチカン美術館 天国への入り口』しかも4Kで3D
それから、イエスは再び群衆を呼び寄せて言われた、「あなたがたはみんな、わたしの言うことを聞いて悟るがよい。見るなら2D版にしておきなさい、3D版はヤメトケ」。
……って、キリスト教徒の中にも異端の過激派みたない人たちはいるからやめとこう 美術館映画三本勝負の三本目、ヴァチカン美術館編でございます。行ったたことないヴァチカン美術館……。というか実はイタリア自体行ったこと無い。ほっといて下さい
試写状のヴィジュアルが『アダムの創造』で、「ちょwww フレスコ画を3Dで撮ってどうすんの?wwwww」と試写状に向かってツッコんだが、まあタイトルが「ヴァチカン美術館」なんだし……彫刻や建築も紹介するんだろうから……シロートがその場のノリで突っ込んだりすべきではなかろう、とちょっと真面目に反省してみた。
なんだけど……
結論から言うと、3D意味無いわ。4Kで充分。むしろ、画面がちらちらと青かぶりに感じたり赤かぶりに感じたりで色がヘンなので、3Dは積極的に避けたほうがいいと私は思う。
冒頭からヴァチカン美術館の館長がお出ましになって、美術館の偉大な歴史と、偉大な作品の数々をまじめに語る。実に正しい美術館ドキュメンタリー。……というか、正しすぎてちょっと引く。20世紀のNHK教養番組か。偉大な芸術家たちの偉大な作品、偉人たちのありがたいお言葉、芸術家の内面を表現したいかにも3Dなイメージ映像……。ごめん、私はラファエロもダリもジオットも好きだが、それでも睡魔が襲ってくるよ。というか正直、何度も意識を失う。意識朦朧。これはもうだめだ。もう寝ちゃえ……と思った後半……
眠気が消し飛ぶ。ミケランジェロの推進力がすごいのだ。もう第三宇宙速度に届く勢い。
子供の頃からあちこちのメディアや教科書で散々見たシスティーナのフレスコ画だが、なんかもう、とにかくスゴイ。美しいとか圧倒的とか、そんな程度の領域でさえない。作品だけでもすごいのだが、最初はほとんどヤルキゼロだったフレスコ画の仕事にのめり込んでおのれの全てをそれに捧げ尽くしてしまった人生も、何もかもがスゴイ。ここで絵だけでなく建築も一緒に映して3Dが生きてくる……かと思いきやそんなこともなく、やっぱり4Kで充分です むしろあの3Dメガネで生じる色の揺らぎを何とかして欲しい。
というわけで……うーん、正しすぎる教養番組のダルさに耐えられるかどうかという問題はあるのだが、まあリアルヴァチカンに行くよりはお手頃なので、2D版なら見ておいて損はないかと。
2月28日から銀座シネスイッチにて2D版、3D版共にロードショー開始。以降、順次全国巡回だそうです。
« 美術館映画三本:其の二 『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』 | トップページ | 日本・ロシア活字文化比較講話 (クセニア・レシチェンコ) »
この記事へのコメントは終了しました。
« 美術館映画三本:其の二 『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』 | トップページ | 日本・ロシア活字文化比較講話 (クセニア・レシチェンコ) »
コメント