祝! ミハル・アイヴァス『黄金時代』日本語版
30日のSF作家クラブのイベント、まだ席があるそうですので、皆様お誘いあわせの上ご来場くださいませ。物販もサイン会もあります。サインは持ち込みも可なはず。イベント本体終了後には、登壇者・来場者交えてだらっと飲み食いできる時間もございます。というわけで、テロン星の諸君よ、是非来てくれたまえ。
で、話は変わりますが……
ミハル・アイヴァスの『黄金時代』の日本語訳が発売になりました!
未知の海に浮かぶ島を訪れた〈私〉。垂直に流れ落ちる滝のなかに造られた「上の町」と「下の町」、変容する名を持つ島民たち。家々は水の壁で仕切られ、時間は匂い時計によって知らされる。戸惑いながも島の女と愛を交わし、滞在を続ける〈私〉はある日一冊の書物の存在を知らされる。幾多の物語が収められたその〈本〉は、島民の誰もが加筆や修正できる無限の書物だった……。
「スウィフト『ガリヴァー旅行記』の想像力、レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』の知性が、ナボコフやボルヘスの文学的技法で書かれた驚異の物語」と世界が絶賛!
『もうひとつの街』のミハル・アイヴァスの最高傑作、待望の邦訳。
英語版が米Amazonで海外部門一位になったのがコレ。私も超読みたくて、いっそのこと英語版買うか?……ってそんなことしたら死蔵本になっちゃう……いやアイヴァス読みたさに必死で読……めるのか?英語で読んでオマエに分かるのか?いやでも……と苦悩したものですが、ついに日本語版刊行! ありがとう阿部さん! ありがとう河出! 日本語でアイヴァスが読めるようになるとは、東欧アンソロジー作った甲斐があります。
『もうひとつの街』と同様、一気読みできない濃密な読書時間。ものすごく質のいいチョコレートだと、粒チョコ一つ食べただけで満足してその日はチョコレート食べたくなくなるのと同じ。私は一日に一~三章をちびりちびりと味わってます。やっぱりこういう、一気読みできない、あらすじさえ分かれば読まなくていいってわけにいかないものこそ、真の「小説」だなあと感じる。普段翻訳ものを読まない向きでも、黒田夏子さんの読者には楽しめそうな気もします。
まあ基本的に日本じゃ売れない種類の本かとは思いますが、SF、幻想文学、ファンタジー、純文学、ヨーロッパ文学等々、いろんなジャンルの読者にアピールする要素があるので、ちょっとでもアンテナに引っかかるものがありましたら手元に置いておくことをお勧めしますよん。コンスタントに読むだけではなく、読みかけては忘れ、また思い出して手に取り……としながら何年もかけて読んでも楽しいかもしれません。
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