フォト
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

« テルミドール前夜 | トップページ | 地震で地震 »

2014年4月27日 (日)

SF作家クラブの退会も視野に入れています

もう「大森望がSF作家クラブからリジェクトされた件」自体は秘密でもなんでもなく知れ渡った事実なのでしらぱっくれたりはしない。が、総会で話された内容自体は外で語るべき性質のものではない、というマナーには従うので、幾分奥歯にものがはさまったような言い方にはなるかもしれない。そこいらへんは、もっとあからさまにぶっちゃけている人たちの記述で脳内補完していただきたい。

SF作家クラブの入会既定として、SF大賞を受賞した者は推薦なしに入会審議にかけらにれる(もちろん本人の受諾・拒否が最優先)というのがある。今回、第34回日本SF大賞において、大森望責任編集のアンソロジー『NOVA』が特別賞を受賞したので、大森さんも推薦なしに入会を検討する対象となった。いつもはシャンシャン総会だが、今回はガチンコの討論と投票になってしまった。一部に(いやかなり大きな勢力ですが)、テクスチュアル・ハラスメント裁判の経緯とその背景を理由として、大森さんの入会に反対する人々がいたからである。私はこのテクハラ裁判は発生当時から知っており、基本姿勢としては小谷さんに同意している。ただ、その主張のし方には男性原理的なものを感じており、必ずしも全面的に賛成しているわけではない。C.G.ユング生前当時から言われていたことだが、フェミニズムの活動家が往々にして無意識的にマッチョに行動する問題がある、というのは私も感じており、この点では一歩引いた位置から考えたいと思っている。

そしてまた、たとえ大森さんがそうした「女性の著作権弾圧、文筆上の人格のはく奪」の側に加担(一部の主張によれば首謀)していたとしても、芸術・創作の世界でその価値観を弾圧する気はない。ましてや、大森さんのSF界での活躍、貢献は否定しようもない事実であり、その能力に疑いはないのだから、SF作家クラブに受け入れるのは当然であると思っている。

近年のSF作家クラブはもはや単なる「仲良しクラブ」ではなく、SFの発展、普及において公的な位置を占める団体となっている以上、内部に多様な価値観があるのは当然ではないだろうか。ただ一つの信念のためにみんなで結束する団体ではなく、時には相容れない主張もありながら、個々の会員がSFの発展、普及に貢献する団体であるはずだと私は考えている。

SF作家クラブにそのような公的な性質を備えさせたのは、何と言っても去年の作家クラブ50周年関係の諸イベント、出版であろう。その中でも特に、第二回国際SFシンポジウムは、SF作家クラブの公的な性質を決定づけたイベントではなかったかと思う。会場はガラガラだったのではという誤解が一部には流布しているが、物理的に会場には来られなかった数千人の視聴者がニコニコ動画の生中継でそれを試聴しており、実際には「シンポジウム」と呼ばれるたいていのイベントよりははるかに成功だったという事実がある。SF者を名乗っておきながら物理的に会場に来た人しかカウントしてないのは情けないっすよ。で、このイベントを企画・立案して各方面に交渉し、成功に導いたのは他ならぬ巽孝之・小谷真理の両氏であった。SF作家クラブに公的な性質を決定的に導入しておきながら、自分たちには受け入れられない価値観を排除するのって、どうなのかと思わずにはいられない。これをやるなら、SF作家クラブは気に入らない人リジェクトもアリの内輪の仲良しサークルにしておくべきだったのではないだろうか。

もちろん、重ねて言うが、テクスチュアル・ハラスメント裁判で示された小谷・巽側の思想に異論はない。この件に関しては、基本的に私が経っているのは小谷・巽側なので、その点は誤解のないよう。極私的には小谷、巽両氏は大好きだし、憧れがある。

私は総会以前から、思想的には小谷・巽側には立つものの、入会審議においては大森さんの入会を支持すると作家クラブ内で表明していたし、当日も賛成に投票した。当日、投票の実数においては賛成票のほうが多かったのの、「有効投票の三分の二」という規定にギリギリで届かなかったために否決となってしまったのですけれどもね、もうね、もろに「ルイ十六世の処刑」でしたよ。これはきわめて残念なことだと言わずにはいられない。

この決定を成したSF作家クラブに留まるかどうか、正直、悩んでいる。もう一方で、SFシンポジウムのように、「団体だからこそできること」もあり、大半が内向型なのにがんばってそういう会を維持、運営してゆこうと多くの会員が努力していることを考えると、自分だけメンドクセーからといってバックレるのは違うんじゃないかとも思うのだ。

私はダレ派でもねえんだよ。ただ小説が書きたいんだよ。そして、派閥とか関係なく評価されたいんだよ。私が一番大事なのは、自分自身でさえない。私が命と引き換えにする覚悟で腹を痛めて産んだ自分の子供たち(作品)だ。しかし、どこかの団体に所属していることが何らかの派閥のレッテルになり、それが執筆の妨げになるんだったら、そんな団体なんかは捨てて自由になりたいという気持ちがある。だがもう一方で、「団体だからこそできること」に貢献したいという気持ちもある。そこに葛藤がある。

実を言うと、私自身、かつて「こいつ生意気だし気に入らねえ」という理由である方面から反対を受け、入会を二度ほどリジェクトされているという過去がある。それを取り成してくれたのが巽・小谷両氏であった。前述のSFシンポジウムやアンソロジー、乱歩賞等の経緯からいって、私の入会がSF作家クラブにとってマイナス要因であったとは思っていない。それを考えると、果たして他の入会を拒否された人物も本当にマイナス要因だったのだろうかと疑問に思う。

目下のところ、身の振り方については保留中だが……どうしたもんですかねえ。は~(嘆)。

いや~、でも、こうなっちゃうと大森さんのダーク・ヒーローとしての価値はいっそう高まっちゃうかもですね~。入会反対派の活動によって一番得したのは大森さんだと思う。これは得ようと思って得られる地位じゃないし、正直ちょっと羨ましい(笑)。

« テルミドール前夜 | トップページ | 地震で地震 »

コメント

ちなみに、賛成派、反対派ともに議論は公明正大、告知も投票もクリアーで工作の余地のないものでした。そこは誤解のないよう。

事務局、会長の苦労計り知れず。お疲れ様でした。

私、巽さんとは、今は年賀状のやりとりするぐらいのつき合いですが、以前は星群祭に来ていただいたり、親しくさせていただいて長いです。
大森さんとも、イベントでお会いすると目礼するぐらいですが、私自身、嫌いはご仁ではありません。
大森さん、以前から関西人(大森さんは四国人ですが)特有の「しゃれでんがな、しゃれ」というところがあったように思います。ですからみずから「ワルモノ」と自称されたりしているのでしょう。
大森さんは舌禍筆禍寸前で寸止めする芸を持っているのでしょう。大森さんの師匠すじに当たる水鏡子なんて人は若いころは、そのへんはみごとな芸でした。
巽さんと大森さんに何があったのか具体的には知りませんが、大森さんは寸止めしたつもりでも、フルコンタクトで巽さんの逆鱗にふれたのでしょうね。
何があったか、知りませんが、そんなに目くじらたてることはないと思いますよ。

>雫石さん

私は生まれてこの方ファンダムと接触がなくて、デビューしてからもプロダムのお誘いからも距離を取っていたので、知らない地雷がいっぱいあるんですよ~。なので、利用されたことも一度や二度ではありません。一番ひどかったのは、一時期、「友達の友達まで公開」にしていた私のSNS日記の記述を真似しながら、並行して作家のSさんに関する中傷をどこかの掲示板に書き込んだ人がいたようで、Sさんは本当に私がネットで中傷していると信じてしまって絶交されました。別な作家のTさんは「イタズラでこういうことをする人がいる」というのを熟知していたようで、お互い事実を確認して大事には至りませんでしたが。まあ私よりもっとひどい目に遭っている人はたくさんいるし、有名になってくるとそういうことも増えますから仕方ないのかもしれませんが……未だに知らない地雷がいっぱいあってファンダム出身者に心を開くことはできませんね。

私はテクスチュアル・ハラスメント裁判発生当時に小谷さんから直接そのことを聞き、また今回の件についてもその裁判が背景にある、という説明を受けていますので、そうなのだと思っていました。それ以前のファンダム関係については私も何も知らないんです。なので、裁判以前からの問題についてはコメントしませんし、定見もありません。

いずれにしても、古参の大物が次から次へとやめてゆくSF作家クラブが「団体だからこそできること」をどれだけ発揮できるようになるのか不透明なところがありますよね。ここがダメになったら、私も残る甲斐がなくなります。どうしたもんですかねえ~gawk

荒らしの書き込みを削除しました。「この人、○○さんじゃないの?」、「いや××さん本人だよ」みたいなことを言いだす人がいるようなので、延焼防止のためです。

今後、続きと思われる書き込みがあれば予告なし、記録なしで削除いたします。

私は、いっかいのだたのSFファンですが、SFファンダムなる世界で遊んで、もうずいぶん長いです。
ファンダムといっても人間の集まりですから、嫉妬ややっかみ、足のひっぱりあいなど色々あります。私のブログで書いたこの記事
http://blog.goo.ne.jp/totuzen703/e/43cc84289e58b79fc2cab8d265fed247
に有りますように、SFファンはウワサ話が大好きです。だからお遊びとしてウワサ話をやり取りして楽しんでます。ただ、以前は紙媒体のファンジンが情報伝達の媒体でしたから、しゃれや冗談ですみました。ところがネットが発達して、ウワサ話が実害を及ぼすことになったわけですね。紙媒体ですと、筆者はだいたい特定できます。ところがネットだと匿名性の影に隠れて好きに発言できるようになったのですね。
非常に不謹慎な発言ですがSFファンにネット、は「××××に刃物」なんですね。
SF作家クラブの変質、これはファンダムの芯が無くなったからではないですか。つまり柴野拓美さんがご健在であれば、日本のSFファンダムの芯がありました。柴野さんがなくなり、「宇宙塵」も終刊しました。で、SF作家クラブが大きなひとつのファングループと化したのではないでしょうか。作家クラブといいつつも、作家でもなんでもない人がいますね。

>フェミニズムの活動家が往々にして無意識的にマッチョに行動する
>公的な位置を占める団体となっている以上、内部に多様な価値観があるのは当然ではないだろうか。

おっしゃるとおりです。
性差別は是正すべき問題ではありますが、それを錦の御旗にしすぎです。女性の利益を第一とするあまり、様々な所で弊害が出ている気がします。
しかも一部の声の大きな女性の意見ばかりがまるで女性代表の声みたいに扱われて、それを批判的な目で見た途端に差別者扱いされる。

おかげで小説内でも現代女性を批判したり、揶揄することがなかなかできなくなってきた気がします。
男性のほうはチビデブ禿、草食男子などと蔑んで見ることが当然のようにされているというのに。

しかも公に近い団体の運営を、性問題がどうのと言う方針で動かすというのは、あまりにも視野が狭すぎる気がします。あえて書きますと、まるで女性の運転や満員電車でのメイクみたいに、自分らの周辺しか見えていない気がしてなりません。

非常に残念です。

雫石さんのブログ拝見しました。いや、もう「あちら」では今まさに急遽増刊号準備中で、めっちゃ分厚くなってるはずです(笑)。

唯一の思想や唯一の神を絶対として、それに従わないものは破滅か服従あるのみ、何故なら当方は正義であり真理なのだから、我が方の真理が世を統べるべし、というやり方が行き着く先が侵略戦争であり、植民地支配、異端審問、オウム真理教、そして今なお世界を苦しませる宗教戦争ですよね。フェミニズムこそは、こういう殲滅戦が男性性の悪しき側面ではないか、と人類に再考を促した大いなる契機であったはず。

なのにな~orz

私は作家クラブ内で、「殲滅戦という男性的な戦い方ではない、フェミニズムならではの結論にできないだろうか」と発言しました。フェミニズム論者としては甚だ勉強不足な私には思いもつかないようなフェミな妙案が投票の前に出されて、「その手があったか!!」みたいな展開を期待してたんですが……幻想でした……orz

おなごがこういうことやってると、「これだからフェミは怖いんだよ。関わらないようなしようっと」という人が男女ともに出てくるでしょうし、回り回って「つまり男性性=すべて悪なんでしょ?」みたいな極論が出て来たりしそう……とか恐れてしまいます。

雫石さんの天国のご友人たちに、私の知らない地雷のありかを指南していただきたいです……

あと、tarouさんの書き込みを読んだ後に何となく気が付いたことなんですが……

今回の騒動、「なーんだ、結局巽vs大森か」という言い方をする人がけっこういて、これも引っかかりますよね。実際には論の中心は小谷さんで、巽先生はほとんど、「小谷氏の発言を支持する」くらいにしか発言していなかったので、単純化するんだったら「小谷vs大森」なはずなのに、何故か「巽vs大森」。そして裁判以前から巽と大森には確執が云々みたいな発言がある。これって要するに「小谷という女に言説があるわけない」ってことですよね……。これは小谷さんに対する嫌がらせとしてわざとそういう図式にしているのか、それとも根っから「女に言説はない」と思っているから天然で言ってるのか……。どっちなんだろう? やっぱりファンダム背景を知らない私には判断が付きません。

ただ、私が削除した荒らしの書き込み氏も、私の発言の不備や破綻を具体的に指摘して論拠を示す、というやり方ではなく「頭も顔も悪い」とかの稚拙なレッテル貼りで終っちゃってるんですよね。これもやっぱり、どうせ女なんかテンプレ中傷程度で傷ついて黙るだろ、議論する対象じゃないし、みたいな考えでやってることなのかなあ。ファンダムの古株であると主張するような書き込みでしたが。こういうのを見てると、この手の中高年ファンダムに対して小谷さんが義憤を覚えるのも分かるんですよねえ。

でも下の世代と話している時、この手の嫌な思いって、ほとんどしないです。上の世代だって、女の私よりも自然にフェミニズムが身についてる人もいます。そういうちゃんとした人まで「男性」というくくりで流れ弾当てたりしないよう、私も意識的に気をつけないとな~、と思ったことでございます。

ファンダム地雷関係のコメントを二つ削除しました。「あの方面とか、この方面とかに飛び火したらこわいので、あまり言及しないでいただけると」というお申し出がありましたので。知らないことが多すぎるー! またなんか踏み台にされそうになったら、もうこのエントリへのコメントは締め切ります。 

昨日、ある個人名やリンクを含んだ書き込みがあり、以降、その方に対する中傷の書き込みやメールがひどいので、当面、コメント欄を閉鎖します(当該の書き込みや、当初私が書いた書き込み等は削除済みです)。メールへの返信は、たとえ他にまっとうな内容や正常な質問が含まれていても、第三者への中傷があるものに対してはいっさい返信はいたしません。 

この記事へのコメントは終了しました。

« テルミドール前夜 | トップページ | 地震で地震 »