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2013年12月28日 (土)

愛用の万年筆

「愛用の万年筆を教えてください」という質問を最近二度続けて受けたので、もしかしたらそのお二方しか関心なくて誰も聞いちゃいないかもしれないですが、それでもお構いなく勝手に万年筆について語るエントリw

私の世代は、中学や高校に進学したら「ちょっと大人っぽいお祝い」として好むと好まざるとに関わらず親か親戚が万年筆を贈ってくるのが当たり前の世代でした。が、大人が「女の子らしくてかわいい」と選んだものなんか当然気に入らないわけで、中のインクが見えるスケルトン軸とか、東京の有名文具店で見つけたシェーファーのノー・ナンセンスとかを使ってました。その後学部生の時、アンカレッジの免税店……って、若いもんは知らんじゃろ、冷戦時代はソ連の上を西側の旅客機はなかなか飛べなかったんで(いや戦闘機はなおさら飛べませんけどねw)、日本からヨーロッパに行く時はアラスカのアンカレッジ経由で飛んでおったのじゃ、げほがほごほ……で、そのアンカレッジの免税店で、80年代末にはまだ作られていたモンブランの廉価品を手に入れて、学部時代から20世紀中はそれを使っておりました。

が、原稿はデビュー時点ですでにワープロ執筆だったので、徐々に下書きも電子化し、手書きだと腱鞘炎っぽくなるので、継続的に使っていないとメンテしにくい万年筆はお蔵入りになったのでした。

で、話は飛んで5年くらい前、やっぱり構想と下書きを手書きで書きたくなり、友達に万年筆マニアがいたので、彼女の手引きで使用再開。……いやまあ、腱鞘炎になりましたけどね。

201312271 で、現在メイン使用なのがシェーファーのタルガ。タルガはかつて70年代半ばから90年代末まで製造されたモデルで、とにかく軸のヴァリエーションが100種越えたというシロモノ。時代が時代なだけにとにかく「実用品」で、一番スタンダードなのは金ニブに黒軸だけど、軸もニブもステンレスという実用一点張りなモデルさえあったほど。私は中高生の頃、このインレイド・ニブに憧れたのですが、さすがに田舎の高校生に3万円はハードルが高すぎ……orz 買えるようになった頃には日本ではあまり扱われなくなり、気がついたら廃番。そして今日に至るw

救世主はやはりインターネットとアメリカのネットオークションですよ。子供の頃買えなかったキングギドラのソフビ人形を大人が買うのパターンですね。ただタルガはレアもの未使用でも、海外じゃプレミアがついたりしない。あくまでも中古品の扱いなのですね。日本のあんなところとか、こんなところとかでは、ずい分ふっかけて売ってるようですが。

で、三年ちょっとねばって、イギリス向けに出荷したと思われるこのプレステージ・タルガ三種を確保しました。全て未使用。でもプレミアついてへん。あくまでデッドストック扱い。買う側としては嬉しいけど……その扱いが悲しくもあり。1989年のワンタイム・エディションで、手前から1040、1041、1043。「1042」って欠番なのか、把握されていないモデルがあるのか……気になりますが、欧米のオークションでは一度たりとも見たことないので、欠番と信じたい。手に入らないプレステージ・タルガがあったら悲しい……

真ん中の1041に学生時代から愛用してたモンブランの古典ブルー・ブラックを、1043にバーガンディを入れてメイン使用にしてます。わざわざドイツから個人輸入したドクター・ヤンセンのインクは、紙との相性が激しすぎて挫折。1040は実はニブの調子がイマイチなので予備役入り。

作家の万年筆と言うと、文豪はみんなオノトやモンブラン、ペリカンのような重厚系を使用するイメージで(乱歩の愛用もモンブラン)、アメリカのシェーファー、しかも大衆的なタルガを今さら使ってる作家なんか高野史緒くらいのものだと思いますが、でもやっぱりこのデルタ型のインレイド・ニブのカッコよさは何物にも代えがたい。タルガはやっぱりヘビーデューティで、書くことに集中している時に繊細な扱いなんかしなくていいのも嬉しい。とにかくタルガの好きさはハンパないw 今年の茨城大学の広報誌にも登場させましたw って、そうだった、この広報誌の紙版についても質問されてたんだった。紙版をご希望の方は茨城大学の広報室にご一報ください(koho-g@ml.ibaraki.ac.jp)。

201312272 実は乱歩賞の賞金でモンブランの「ドストエフスキー」も買ったんですが、これがね~、タルガのサイズが好きな私にはやっぱり太い。そして、この個体はちょっと書き出しがイマイチ。去年はイベントの時サインするのに使ったりしてましたが、失敗の許されない読者さん持参の本にサインの時に書き出しがイマイチとかどうしようもないので、今はインク抜いてすっかり飾り物。確か1997年のワンタイム・エディションですが、シリアルナンバーの分母が17000! こんなにたくさん作ったら限定品云わない!と今なら思うw 案の定、私が手に入れたのもデッドストック未使用品でした。ま、20世紀中でも17000本は作り過ぎだよね。リシュモン・グループの軍門に下ってからどんどん狂ってきてるモンブランですが、今年ついに永遠の定番かと思われた古典BBインクを廃番に! 呆れかえってものも言えない……。私は買いだめには走らないわ~。今使ってるボトルが尽きたらローラー&クライナーとかに乗り換えたるわ。アホかannoy

その他にも何本か持ってますが、私はコレクター魂が無いということもあって、あんまり買わないですね(「買えない」とは言いたくないw)。まあそんなところでございましょうか。ピンポイント的にしかウケないエントリでしたが、そのスジの方々のご要望にはお答えできたでしょうか。

2015年2月21日 「シェーファー タルガ モワレ」

2013年12月19日 (木)

『黒子のバスケ』脅迫事件で考える

作者へ一方的嫉妬 世間騒がす高揚感で犯行止まらず?
 人気漫画「黒子のバスケ」をめぐる脅迫事件で警視庁捜査1課に威力業務妨害容疑で逮捕された渡辺博史容疑者は、作者の藤巻忠俊さんへの「やっかみ」を犯行動機に挙げる。ネット掲示板や脅迫文でも藤巻さんへの恨み言を並べ、一方的に嫉妬心を募らせていたとみられる。一時中断しながら1年以上かけて約500通の脅迫文を送ったといい、世間を騒がせる高揚感で犯行を繰り返していたとの見方もある。

『黒子のバスケ』脅迫事件の犯人、やっと捕まりましたねえ。犯人が30代半ばであったこと、漫画家志望者だったこと、作者の藤巻さんを妬んでいたことなどは「やっぱり」という感じか。「きっと10年以上もの間必死で努力を続けて、それでも夢かなわず、つい理性を失ってああいう行動に出てしまったのだろう。創作者としてそういう気持ちは想像できなくもない。さぞかし辛かったことであろう」と一瞬思いかけたが……

ニュースで報じられるあのヘラヘラ笑い。そして「渡辺容疑者は『高校卒業後、アニメのクリエーターを目指して専門学校に通っていたが、1年ぐらいで中退した』と供述」の一文……

一年の努力もしていないのか……gawk

妬む資格さえないんでは……

脅迫に使ったあの根気と創意と行動力があったら、たとえ漫画家にはなれなくても自分を誇りに思えるくらいのまともな職につけたんじゃなかろうか。

それにしても、なんで『ONE PIECE』でもなければ『進撃の巨人』でもなく『黒子のバスケ』だったんですかねえ。犯人のツボで、好きになっちゃった、あまりにも夢中になっちゃったのがかえって悔しかったというのならまだ「マシ」だが、単に「成功して儲かってた」「チヤホヤされてた」みたいな理由だったらやだな……。せめて創作上の心の闇であったなら、同情のかけらを寄せる創作者はいると思うけど……

小説の領域でも、プロアマ問わず「創作で食ってる/稼いでる」を成功の基準にしている人がけっこういてトホホなんですが、彼らはナボコフやユルスナールが小説では食えなかったことや、商業的に儲かっているわけではないが誰もが実力を認めざるを得ない山尾悠子、兼業で執筆されている多くの芥川賞系の作家たちをどう思っているのか問い詰めたい。マンガは小説よりも商業的な要素が強いので「人気・金=成功」という構図になりやすいかもしれないけど、やっぱりね、ジャンルを問わず、時には立ち止まって「本当に儲けや大衆的人気だけが成功なのか、創作って何なのか」を考えてみないと、自分が本来持っている才能を風化させちゃうのではないかと思うのだ。

私も、そもそも格が違うのは分かっていても、それでもブルガーコフとかペレーヴィン、アイヴァス等々に対して全く妬みのカケラもない、と文学の神様の目を見てさわやかに答える自信はない。でも少なくとも私は「あの作品を書いた人」が羨ましかったり妬ましかったりするのであって、「オレより有名」、「オレにない肩書きをゲットした」、「オレより儲かってて人気ある」あたりが理由でないことは誇りに思っている。

キレイにまとめるつもりはないのでは、オチは無いです。

2013年12月15日 (日)

『日本SF全集3 1978~1984 』発売(本当)

長らくお待たせされまくりました『日本SF全集3 1978~1984 』がいよいよ発売になるそうです。正直、計画自体が頓挫しちゃったのかと心配してたよ……

『日本SF全集3 1978~1984 』

二巻から三巻の間が開いた原因は、収録作品の権利でモメたとか、売れないから出版社が渋ったとかの「オトナの事情」系じゃなくて、単に巻末の鼎談の書き起こしがもにょもによとかのわりとトホホ方面。これからはさくさくっと出し続けられるそうです。オトナの事情系が原因だと、ほんとに途中から出せなくなったりすることもありますが、そういうことじゃないので一安心でしょうか。でも逆に言ったら、またちよっと原稿が滞ったらまた年単位で待たされるかもしれない、ってことじゃ……?coldsweats01

アンソロジー編纂経験者としては、こういう仕事が大変なのは重々承知しておりますのでございますが、編者の日下さんには是非がんばっていただきたく。

アマゾンでは発売予定日は12月30日になってますね。本当に年内に出るのか?! 刮目して待て(笑)。

2013年12月12日 (木)

世の終わりか、地の果てか

さっき換気するために窓を開けたら、何やら遠くから金属的な唸り音がする……ような気がする。

耳を澄ますと、やっぱり聞こえる。何だろう? これは。なんか聞き覚えがあるような気もするが……

って、おおお、もしやこれはYou Tubeなんかに時々upされる「アポカリプティック・サウンド」ってやつか?!
























……と思ったら、小規模な珍走団だった。

あああ……板橋区は田舎だなあ……

2013年12月 7日 (土)

特定秘密保護法

特定秘密保護法が成立…参院本会議で可決

安全保障にかかわる機密情報を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法は、6日夜の参院本会議で採決が行われ、賛成多数で可決、成立した。
投票結果は賛成130票、反対82票だった。これに先立ち、衆院は6日夜の本会議で、同日までの臨時国会の会期を2日間延長し、8日までとすることを与党などの賛成多数で議決した。民主党は衆院に安倍内閣不信任決議案を提出するなど特定秘密保護法の採決に抵抗を続けたが否決された。
6日夜の参院本会議では、特定秘密保護法の採決に先立ち、民主党が5日に提出した中川雅治国家安全保障特別委員長(自民党)の問責決議案の採決が行われたが、与党の反対多数で否決された。続いて行われた同法の採決では、みんなの党、日本維新の会が本会議を退席した。
(2013年12月6日23時27分  読売新聞)

単に法が成立しただけなら、次の選挙で覆すこともできよう。しかし何より恐ろしいのは、ネットには意外とこれを支持する人がいて、そういう人は声が大きく、かつ、特定の外国に対するヘイトスピーチと親和性があることではないだろうか。

スターリンが自信をつけていった過程とそっくりだ。

しかも、ソ連は自分が大国で周囲の衛星国家を従える立場だったから国益的にはまだ「マシ」だったのであって、アメリカに従わざるを得ない日本がこれじゃ……。奴隷道徳ってやつでしょうか? こんな法案通したって、アメリカ様が都合よく情報を下さるわけがないと思うが。

賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶという。日本は第二次世界大戦という経験からも何も学んでいなかったとすれば、愚者以下の存在ということになる……

せめて、次の選挙は国民総出で「本気で」投票しに行くしかない。あとは憂さ晴らし的、八つ当たり的ヘイトスピーチに耳を貸さないことか。

2013年12月 4日 (水)

日本ファンタジーノベル大賞休止

もうすでにニュースというより行き渡った情報になったようですが、昨日、25年間続いた日本ファンタジーノベル大賞の「休止」のお知らせが報じられました。

う~ん。複雑。私にとっては、飛び出したまま20年近く寄り付きもしなかった故郷が廃村になる気分だ。読売新聞社と新潮社はスポンサーが見つかればいつでも再開したい意向とも聞くが、「今儲かってる建設会社が撤退するってことは、スポンサーの経済状態の問題じゃなくて、賞のブランド力が低下したから切り捨てられたんでしょ(以下いろいろ)」とか言う人もいて、なおさら複雑な気持ちになる。いかに受賞者ではないとはいえ、いちおうここの出身と見なされている者としては、悪口はいっさい聞きたくないとは思ってないけど、あんまりそこまで言ってほしくもない。

私の他、恩田陸、小野不由美、沢村凛、浅暮三文の各氏は、初期の「はね出し品」である。沢村さんは最終的には優秀賞を受賞、恩田さん、小野さん、私は受賞しなかったけど出版のパターン、浅暮さんは改稿してメフィスト賞受賞。その後はこういう例はあまりなかったようだが、それは最初期のファンタジーノベル大賞は、必ずしも「憧れて応募する賞」とは限らなくて、「駆け込み寺」(山之口洋氏談)としてしかたなく身を寄せる応募者がいたことが吉と出たからではないとか思う。

90年代前半は、第一期のハヤカワSFコンテストが休止し、ホラー大賞もSF新人賞もなかった時代。「マジメな」文芸誌、文芸賞が相手にしてくれなさそうなちょっと変わったものは、この駆け込み寺に集結するしかなかった。傾向とか対策とかテクニックとか言ってる場合じゃなかったし、そもそも始まったばかりなのでどうすればいいのかなんか誰にも分からなかったので傾向も対策もへったくれもなかったんですけどね。だからこその面白さはあったと思う。公募賞関係の事情通の友人によると、最近では、応募者たちが傾向と対策を研究したり、ネットで「ファンタジーノベル大賞における『ファンタジー』の定義とは何か」を論じて、自分で自分に枷をかけている面もある、とのこと。……………………sweat02 今まで私が直接話したことのあるここの出身者は、私も含めて、誰一人として「同賞におけるファンタジーとは」とか考えてなかった……sweat02 まあ私は今だってSFとは何かとか、ミステリとは何かとか、考えてませんけどねcoldsweats01

私は94年の第6回の結果が出た後、選考委員の先生方から励ましていただいた時にいろいろとお話をうかがって、この賞に自分の未来を託するのはムリだな、と思ったので、翌年もまた応募という選択肢を捨てて「受賞しないまま『ムジカ・マキーナ』を出版」の申し出を受ける道を選んだ。『ムジカ・マキーナ』は95年SF大賞の候補になった(けど、当時は候補作は非公開だったので表立って記録には残っていない)。でも、それだけでも出版してもらった恩は返せたかな、と思っています。今でも同賞は「かつての憧れ」とは全然思えなくて、ほんとに駆け込み寺だったんだけど、他に類例のない駆け込み寺を提供していただいたことには変わらず感謝しています。

いずれまた、単に復活するだけじゃなくて、またあの闇鍋的、駆け込み寺的なパワーで復活して欲しいものです。でも物事は時々「休む」ということも必要なのかもしれない。だから、今はただ……

お休みなさい……

12月4日夕追記:上っ面だけなでた報道記事は実際には本を読まない人も知ってそうな受賞者の名前を挙げるだけですが、見識ある活字読みならば、そうでない出身者の中にも必ず、すごく目立ってお金稼いでるわけではないけど独自の活動を続けて息長く支持されているお気に入りの作家が何人かいるかと思います。日本に紹介された外国文学でたとえるなら、アイヴァスとかソローキンのような存在。本当に文学賞を評価するなら、そうした他に代わりのない才能がどれだけ出たかについて考えるべきかと。もちろん本読みはみんな内心してると思いますが。でも報道があまりにも皮相的で、全体的に読み手も書き手もバカにされてる気がしてちょっとイラっとしたので言ってみました。文芸誌等の記事ではちゃんとそこまで考察されていることを祈ります。

2013年12月 1日 (日)

乱歩賞作家競作アンソロジー 『デッド・オア・アライヴ』

12月18日、こんな本が出ます。2005年以降の乱歩賞受賞作家(全員は揃わなかったけど)によるアンソロジーです。 書影がまだないです。以下、紹介文はアマゾンからコピペ。


「デッド・オア・アライヴ」

7人の著者に与えられたテーマは「デッド・オア・アライヴ(生死の危機)」。さらに、各作品の登場人物が2013年9月7日正午の帝国ホテルに同時に存在するという時空間の共有の下、それぞれのミステリーが進行する。

薬丸岳「不惑」
結婚式のビデオ制作ディレクターをしている窪田には、十二年間眠りつづけている恋人がいる。そして今日行われるある結婚式で、窪田は復讐を企てていた。

竹吉優輔「イーストウッドに助けはこない」
学生時代にカタギの世界から足を踏み外し、非合法に近い金貸しの仕事を手伝うコージ。「その道」に入るきっかけとなった叔父を、仲間とリンチする羽目になるが。

高野史緒「悪魔的暗示」
1918年、帝国ホテルのシガー・ラウンジ。少年はアメリカのスパイたちの会話を耳にしていた。ロシア帝国崩壊で闇と消えた、ロマノフ王朝の秘宝の行方は。

横関大「クイズ&ドリーム」
ホテルにチェックインした川尻は、突然部屋を訪れたお面をかぶった男に「これからクイズを出し合い、それに答える。負けたほうがこのカプセルを飲む」というゲームを強制され……。

遠藤武文「平和への祈り」
帝国ホテルのエントランスでケサランパサランを見かけ、そのあとを追った作家。日比谷公園の林の中で「我が名はミカエル」と名乗る天使と出会い……。

翔田寛「墓石の呼ぶ声」
帝国ホテルのロビーで倒れた雨宮勇吉という老人は、戦後ずっと九月に泊まりにくる常連だ。ホテルマンがあるとき聞いた、雨宮の過去と、墓石の秘密とは。

鏑木蓮「終章~タイムオーバー~」
ナノバブルと呼ばれる微細な気泡を水耕栽培に活かす事業を興し、三十七歳の女性社長として手腕を振るう日下凜子。 ある夜、一人で酒を飲んでいると身体をしびれが襲い……。



昨日は「ダ・ヴィンチ」の取材で集団インタビュー&神楽坂でお食事。みなさん意外と「お題」で苦労したようですが、実は私はむしろラクなお題だと思ってました。よく考えたら、私、デビュー4年で「異形コレクション」という壮絶なムチャ振り地獄wに放り込まれたんですよね。

「異形」は、そもそもお題が常識はずれのムチャ振り、広義のホラー、自分の他に誰が書くか全く分からない、20人以上(最後期にはもっと絞り込まれたけど)書くのでよほどオリジナリティがないとネタがかぶる危険性が高い、菊池秀行さんや皆川博子さん等の超大物が必ず一人は入っている等々のハードルや地雷が暗闇に設置されていて、何より恐ろしいのは、「出来によっちゃ依頼原稿なのに没」もあり得るという凄惨さ。私も実は、36『進化論』に書いた初稿の「ひな菊」を没にされました。でもその後書き直したら2010年のベスト版アンソロジー二つに収録された出来に化けたので、あの厳しさは意味があったなあと思うことです。その他にも、17『ロボットの夜』に書いた「錠前屋」が『ベストミステリーズ 2001』に、28『アジアン怪綺(ゴシック)』に書いた「空忘の鉢」がイタリア語、英語に訳される等、異形関係はけっこう成果を上げています。まあ早い話、虎の穴ですよ、虎の穴。

『デッド・オア・アライヴ』に書いた「悪魔的暗示」は、クラヲタならタイトルで想像がつくと思いますが、プロコフィエフ登場。1918年7月にニコライ二世が処刑された時、実はプロコフィエフは本当に日本に滞在してたのでした。今年はロマノフ王朝創立400周年なので、今年中に出る本にこのネタを使うことにはこだわりがあったし、種明かしをするまでネタが割れないことに関してはかなり自信があります。

先日、全員分のゲラを拝見しましたが(この時初めて参加者の面子を知った。異形よりマシw)、ワタシ的には、筆力では翔田さんの昔話パートがマックスではないかと思っています。ネタ消化力は、僭越ながらワタクシに自信あり。いや~、だってホラ、何しろ虎の穴出身ですのでcoldsweats01 ってあんまり書くと、まるで褒めたり自慢したりするふりをして実は井上雅彦さんに対する恨み事を言い募っているニオイが漂ってきますのでこれ以上は書きませんw いや本当に怨んでません怨んでませんてば~。感謝してますってば~やだな~coldsweats01

発売は12月18日、本書掲載のダ・ヴィンチは1月7日発売。近日中に講談社のサイト内に特設ページ(座談会つき)が開設される予定です。お楽しみに~。

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