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2013年2月16日 (土)

トークイベント「ファンタスチカの可能性~チェコと日本の文学最前線~」

以前にもちょっと言及したかと思いますが、3月に初来日されるチェコのミハル・アイヴァスさんとのトークイベントが参加募集開始になりました。

河出書房新社『もうひとつの街』『ヴェネツィアの恋人』 刊行記念
ミハル・アイヴァス × 高野史緒 トークイベント

「ファンタスチカの可能性~チェコと日本の文学最前線~」

*ファンタスチカ=サイエンス・フィクションやファンタジー、歴史改変小説、幻想文学、ホラー等を包括したジャンル設定

■開催日時:2013年3月5日(火)18時開場 18:30開演
■場所:7階喫茶コーナーにて。入場料500円
■定員:40名
■受付:ご予約が必要です。
    7Fカウンター、若しくは、お電話にてご予約承ります。

いま世界で最も注目されているチェコ作家ミハル・アイヴァスと、昨年『カラマーゾフの妹』で江戸川乱歩賞を受賞し数々の話題をさらった高野史緒さんとの夢のトークイベントがついに実現!
 長編小説『黄金時代』(日本未訳)が米 Amazon.com のSF・ファンタジー部門で東欧圏の作家として異例の1位を獲得したミハル・アイヴァスが、氏の代表作『もうひとつの街』(2月下旬発売)刊行に合わせて初来日!
 そんなアイヴァスさんとの対談するのが、昨年、「ドストエフスキーが130年前につきつけた〈読者への挑戦状〉を受け取」り(著者HPより)、『カラマーゾフの兄弟』の「続編」にして「解決篇」ともいうべき驚愕の小説『カラマーゾフの妹』で第58回江戸川乱歩賞を受賞した高野史緒さん! 2月中旬にはファン待望の第一短編集『ヴェネツィアの恋人』を刊行する高野さんだが、実は東欧文学のアンソロジー『時間はだれも待ってくれない』の編者という顔も持っている。そんな高野さんが完訳を待ち焦がれていたのが、ミハル・アイヴァスの『もうひとつの街』なのだ。
 今をときめく〈チェコの書き手〉と〈日本の書き手〉が、想像力を手がかりに、縦横無尽に「小説誕生の瞬間」を語り尽くす夢の一夜、ご期待下さい!! (当日通訳あり)

【講演者紹介】

●ミハル・アイヴァス(Michal Ajvaz)
1949年プラハ生まれ。作家、詩人、哲学者。1989年にデビュー以降、クンデラ、フラバル以来の大物作家として、チェコ国内の様々な文学賞を獲得。『もうひとつの街』が英訳されるやいなや、欧米で注目を浴び、翌年に同じく英訳された長篇小説『黄金時代』(本邦未訳)が米 Amazon.com のSF・ファンタジー部門で東欧圏の作家としては異例の1位を獲得する。カルヴィーノ、カフカ、ボルヘスを継ぐ幻想文学の表現者として、いま最も注目されているチェコ作家である。

●高野史緒(たかの・ふみお)
1966年生まれ。95年、第6回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった『ムジカ・マキーナ』でデビュー。著書多数。SF、ミステリ、幻想小説、歴史小説などの各要素を色濃く持ちながらも特定のジャンルにはあてはまらない、まさに日本における「ファンタスチカ」の代表的な作家。2005年、ペテルブルクで開催された第12回ロシア幻想文学作家会議「ストラーニク」に日本人作家として初めてゲスト参加。作家として活躍する一方で、2011年には東欧文学のアンソロジー『時間はだれも待ってくれない?21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』を企画編纂。本書の中でミハル・アイヴァス『もうひとつの街』を紹介(一部訳)、全訳版の刊行に繋がった。2012年『カラマーゾフの妹』で第58回江戸川乱歩賞を受賞。
高野史緒公式サイト
「架空の王国」http://homepage3.nifty.com/takanosite/

●司会:阿部賢一(あべ・けんいち)
1972年生まれ。東京外国語大学卒業後、カレル大学、パリ第四大学で学ぶ。日本における東欧文学の紹介を最前線で担うひとり。現在は、立教大学准教授。専門はプラハの都市文化、比較文学。著書に、『複数形のプラハ』、訳書に、フラバル『わたしは英国王に給仕した』、フクス『火葬人』など。

お問い合わせ先:MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店 電話:03-5456-2111

一時、「すでに満席」との情報が飛び交いましたが、まだ大丈夫のようです。お騒がせしました。

2013年2月14日 (木)

短編集『ヴェネツィアの恋人』 シークレットサイン本

Bookvenezia
先日、『ヴェネツィアの恋人』の見本ができてまいりました。佳嶋さんのイラストも実際本にしてみるとよりいっそう映えますね。いやあ、しかし、こんなに初々しさのカケラもないワタクシですが、今でも自分の本が出来てくるってのはなんだかちょっとハズカシイです

で、見本が上がってきた日、企画・作品選定をして下さった日下三蔵さんと河出書房新社に伺いまして(地図で見るより駅から遠い気が!)、少々サイン本を作ってきました。見返しがほとんど黒、扉が水性インクをほとんど吸わない紙だったので、ちょっとカッコ悪いですけど、あれはなんて言うんだ、表題紙?に太字の万年筆でサインして雅印を押してあります。使用インクはドクター・ヤンセンの「トルストイ」。で、二冊だけ、「実はどこかに日下さんのサインも入ってる」というシークレットがありますw どこの本屋さんに行くかは不明。

今週末から都内の大型書店ではフライングゲットできるかもしれないそうです。普通は来週になってから徐々に、という感じらしい。河出の倉庫から一番近い大型書店ってどこだ?! 本社に一番近い大型書店は新宿の紀伊国屋とかかなあ。

収録作品は

「ガスパリーニ」 
「錠前屋」 
「スズダリの鐘つき男」 
「空忘の鉢」
「ヴェネツィアの恋人」
「白鳥の騎士」
「ひな菊」

というラインナップになっております。一見バラバラなようだけど、ゆるく一つの世界になっているような、そんな感じかと思います。まあ、どこの棚に置くのか困る、相変わらず書店にとってはメイワクなシロモノ。書店の傾向によって置いてある棚が違うと思いますので、リアル書店で自力で探すのがお好きな方は、あちこち歩く過程で予定にない本も是非お買い求めください(笑)。

付記:あっ、そうだ、初見の方もいらっしゃるかと思うので書いといたほうがいいかな。これはですね~、出版時期から考えるといかにもあざとい乱歩賞便乗企画っぽく見えると思いますが、実は受賞する前どころか、私が誰にも言わずに密かに応募原稿を用意してる頃にはすでに存在した企画だったのです。むしろ乱歩賞の混乱で遅らせて、日下さんと河出書房新社には迷惑をかけてしまったくらいで。というわけで、日下さんや河出はいいとこ取りで便乗してたわけじゃないので、それだけは誤解のないようお願いいたしますです。

2013年2月10日 (日)

「SFが読みたい!」 2013年版のブックガイドがヒドイ

頓挫しちゃった「想像力の文学」シリーズが別冊を出した時にも似たようなことを言いましたし、最近の「SFが読みたい!」 に関しては、毎度毎度同じようなこと言うのも良くないかと思って内輪でちょっと愚痴るだけにしてましたが……やっぱり今年は言わざるを得ないか。「SFが読みたい!」 2013年版のブックガイドがヒドイ。

誤解を招く表現や、この原稿のためにあのインタビューとこのインタビューだけ読んだのかなあ、という内容が散見されるし、何より、独自論とか論者の個性を主張する詩的な表現とか、ブックガイドには要らないでしょ? そもそもブックガイドは何のためにあるのか。読者に情報を提供するためでは? 特にひどいと思ったのは、菅浩江さんについて、まるで推理作家協会賞を取ったらさっさとSFを捨てて一般誌に鞍替えしたと受け取れるように書いてあること。あれは出版社側の商売上の事情だと聞いてますが……?

私について書いてあることもヒドイなあ 経歴はWikiの一番間違ってる部分を丸写しだし、そももそもキャプテン・フューチャー・シリーズをオールタイム・ベストとして挙げたのは、確かハヤカワSF文庫30周年記念の場で、ハヤカワSF文庫のベストとして挙げたんではなかったかと記憶している。キャプテン・フューチャー・シリーズ全巻なんて、そりゃハヤカワSF文庫じゃなきゃ実現しなかったよね、スゴイよ、という意味で挙げたのは、あの場ではみんな分かったんだけどなあ。その文脈を無視して些末な情報をもとに独自論を開陳して、読者の便宜を図っていない、提供すべき情報を提供していない、って、どんなブックガイドだ。そんなことより、『時間はだれも待ってくれない』に言及しないとブックガイドとしての意味をなさないのでは。「歴史の転換点」という発想もおかしい。「○○年に誰が政権を取った」とか「××年に何が発明された」みたいな試験用暗記項目は「歴史」じゃないでしょうに。その「○○年に誰が政権を取った」を描けば「歴史の転換点を描く」、そうじゃなきゃ「歴史の転換点を描かない」っていう発想なのかな……? だとしても、そんなものは作家を説明する手掛かりにはならないのでは。論者は歴史にも高野史緒にもまったく興味がないのかもしれないけど、ブックガイドという場でこんな独自論を読者に提供する意味が分からない。

独自論を開陳したがるのはSF評論賞出身者が多いようですね。どうもクリティーク(評論)とエセー(随筆・試論)の区別がついてないのかなあ、という印象。ブックガイドはあえて分類するなら前者のカテゴリに属するものなのでは。少なくとも、書き手の個性を発揮する場ではないと思う。

早川がSF評論賞出身者に活動の場を与えたいのは分かるのよ。でも、こんな起用のし方では、SF論のレベルも落とすし、受賞者たちのためにもならないのでは。ちゃんとブックガイドとしての用を成す文章が書ける人だけ起用して欲しい。おお、これはちゃんとしてる、と思うとベテランの大野万紀さんだったりする。「活躍の場を与える」ことを目的化しないで、ふさわしい人選をお願いしたい。独自論は試論という形で書かせてあげればよいのでは(「評論」ではなく)。SF評論賞の現状って、新人にダメ出しも歌唱指導もしないまま「とりあえずテレビ出ちゃって~。キャラ売って~。ホラうちの事務所のコたちって活躍してるでしょ?」ってするのと同じじゃないだろうか。それで潰れていく人材は捨てて、また新人発掘すればいいんだし、って。SF評論賞も、早川も、受賞者に対するもっと適正な扱いってないものかなあ。長い目で見て受賞者のためを思えば、厳しくリジェクトするのも必要ではなかろうか。

21世紀になってからの早川書房は、古典の名作SFに萌えイラストの表紙をつけたり(さすがにやめたけど)、「想像力の文学」とか、無意味にファンタスチカを分割する愚策を取ったり(さすがにやめたけど)、不可解な動きをすることが増えてきた気がする。これをどのように受け止めたらいいのか、私の中ではまだ解決がついていない。

2013年2月 7日 (木)

Кот Путина обрёл хозяина / プーチン露大統領の猫が秋田県に到着

かわいい! もふもふすぎる! 誰に抱っこされてもおとなしくしてる! 佐竹知事めろめろw

もともとこの方、七匹多頭飼いの筋金入りの猫下僕だそうですね。ミールくんも幸せになりますように。

それはそうと、北方領土返還キャンペーンの看板がロシアのニュースに映っちゃうところもたまりませんw しかも日本とロシアの国旗つきw 

そんな今日は「北方領土の日」だったりする。

2013年2月 6日 (水)

短編集とかフランス・ニュース・ダイジェストとか告知関係いろいろ

東京はまた明日(0時過ぎたからもう「今日」か)雪とか言ってますが、ほんとに降るんすかね。また降る降る詐欺なんじゃないんでしょうか。そんなに寒くないじゃん。

告知関係がいろいろ蓄積してきたので、コマギレに告知されても読むほうは面倒かと思いますので、まとめてお伝えいたします。

まず、12月の鼎談の書き起こしですが、以前12月15日刊の「新刊展望」と書きましたけど、(13年)2月15日の間違いです。12月15日と伝えられて、やけに早いな、と思っただけで確認もしなかったワタシが悪うございました。2月15日刊の「新刊展望」です。これはネットでも読めるそうです。限られた時間内に三者とも可能な限りつめこんで喋ってたのでいろいろととっちらかったところもありましたが、それをきちんとまとめていただきました。

それから、フランス・ニュース・ダイジェストに、この間パリでしたインタビューが載ります。たいした量じゃないですが。多分2月の第3水曜日刊の号に掲載。フランスでは仏人からも日本人からも「『カラ妹』を3月のサロン・ド・リーヴルに持ってくればいいのにー!」とさんざん言われたのですが、さて、講談社はどう動いてくれるか……。こればっかりはなあ、出版社任せだからなあ……

日下三蔵編の短編集『ヴェネツィアの恋人』(河出書房新社)は、2月25日刊予定です。早いところは16日くらいから店頭に並ぶとか。表紙イラストは、皆川博子さんの『開かせていただき光栄です』の表紙で惚れ込んだ佳嶋さんにお願いしたところ、快く引き受けていただきまして、とても個性的かつ美しい表紙に仕上がりました。これ、見た人がみんな「なんかものすごく高野史緒っぽい」と言うんですよね。お楽しみに~。

まだゲラが手元にある状態で、ワタシがちゃんとやらないとわやになってしまうのですが、3月には『カント・アンジェリコ』の文庫版が出ます。ああ……著者校……何故か著者校が死ぬほどキライで、なんだか妙に辛くて鬱だ……。何だろうこの鬱は。何がそんなにイヤなんだ>自分。これは発売日が近くなったらまたちゃんと告知いたしますです。

で、ついでと言っちゃなんですが、告知関係をするとアクセス数が増えるので、これもここで告知しちゃうと見る人が増えるってことで。

8日、こういうイベントがあります~。

ヨシフ・ブロツキーを求めて――エッセイと映画の間 

一部屋半、あるいは故郷へのセンチメンタル・ジャーニー
ヨシフ・ブロツキーのエッセイと
フルジャノフスキー監督の映画
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 日時 2013年2月8日(金)17:00~20:00

・映画『一部屋半』(アンドレイ・フルジャノフスキー監督、2008年)
 全編上映(121分)。日本語字幕付き。
・ブロツキーのエッセイ「一部屋半」について
 報告:関岳彦(東大院・博士課程)
・映画『一部屋半』について
 解説:井上徹(ロシア映画研究者・エイゼンシュテイン・シネクラブ副代表)
◎司会:沼野充義(東京大学文学部)

会場 東京大学文学部(本郷キャンパス)
法文2号館 1番大教室(定員220名)
主催 東京大学文学部現代文芸論研究室/スラヴ文学研究室共催
入場自由、事前予約は不要です。

うちのセンセイが映画の解説と字幕を担当しております。バブル時代って、こういう芸術系の映画をやる小さい映画館がけっこうありましたよねえ。そういう意味ではバブルも悪くなかった気が。でも今はフルジャノフスキーの映画なんてなかなか上映するところがないので、この機会に是非。

……とか書いてるうちに都内の降雪予告時間まで三時間程度に迫ってきましたけど、全然寒くならないじゃん。やっぱり降らない気がする。

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