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2013年1月31日 (木)

パリでSWグッズ展やってるなう

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ちょいと所用でフランスに行っておりました。映画評論家のマルセル・マルタンさんが数年前から闘病生活を送っておられるので、日本から誰か来たら多少はマルタンさんご夫妻の気も紛れるかと思って。それによく考えたら、最近アウェイだアウェイだと言いつつロシアにしか行ってない……それはいくらなんでもマズイだろう(いろんな意味で)と思わんでもなかったので。まあ今さらどのツラ下げてフランスが専門だなどと言うつもりかっていう話もありますが。

人に会いに行く機会が多かったんで、あまり美術館とか行かなかったのですが、数年前に改修が終わってフルオープンしたアール・デコラティフ(ルーヴル宮の端っこにある服飾とかインテリアの美術館ね)は、今ちょうどいい特別展をやっているとも聞いたのでがんばって行ってきました。何しろこの二十数年の間、どこかしら工事しているところしか知らなくて、フルオープンの状態を見たことがないのだ。行ってみたら……うっ、広い こんなに場所あったっけという広さ。ルーヴル並みの覚悟をして歩かないとキビシイかも。その覚悟をしてなかったのでめちゃめちゃ厳しかったです。そして白状しますけど全部見てないです

今やってる特別展は二つ。一つは18世紀から20世紀初頭にかけての衣裳展。こういう服飾の歴史なんかは、資料はいくらでも手に入るけど、実物を見る機会というのはさほどないのでありがたかったです。スカートをふくらませるクリノリンなんかも、流行が巡ってくるたびに手軽な工業製品化してゆくのが分かる(もし次に流行が巡ってくるようなことがあったら、多分超軽量カーボンファイバー製かなあ)。男性のファッションも、フランス革命前のあの華麗過ぎる衣装はやっぱりヘンだよ……。19世紀に「ダンディ」化したのは絶対正解だったと思う。実物を見るとつくづくそう思う。これは4月14日までやってるので、服飾関係の方や歴史もの書いてる人は是非。図版激重注意。

もう一つの特別展は、ヴァン・クリフ&アーペル展。創立当時の舞踏会用小物入れから最新作の「神秘の不死鳥」やシャルレーヌ妃のティアラまで、総額どのくらいになるのか想像もつかないほど思い切って展示。これはもう圧巻の一言でした。上の写真はその会場です(展示品自体は撮影禁止なので遠景のみ)。40年代から急激に精緻化してゆくのがよく分かる。VCAの真骨頂ともいえる変形合体ハイジュエリーは動画つきで展示。おばちゃんたちがあれこれ見ながら「ま~これ高そうね~」「幾らくらいするのかしらね~」とか言ってるのはどこの国でも同じやね(笑)。まあ私も思いましたけど(笑)。おばちゃんだから(笑)。こちらはもうすぐ終わっちゃう。2月10日まで。でも庶民にはもう二度と見られないお品物も多いので(っていうか大半がそうなので)、それまでにパリに行くという方は万難を排して見に行かれることをお薦めします。こちらも図版激重注意。

で、もう特別展見てお腹いっぱいになりつつも、常設展をヨロヨロと歩いていると……

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突然、スターウォーズ・グッズ展に遭遇したのだった。いやあ、まさかおフランスの美術館でこんなに見慣れた世界(笑)に遭遇するとは思わなかったので、調整しきれなかった時差ボケも覚めるというものですよ(笑)。20世紀中のレトロ三部作のフィギュアやプラモ類がメイン。パッケージから出してないフィギュアとか。見てる人はさほど多くはなかったとはいえ、見るからにはみんなガン見(笑)。ここも撮影禁止なので私が撮った写真はないですが、アール・デコラティフのサイトから拝借した写真はこんな感じ。解説文はもちろんフランス語なんですけど、これを見に来る人の大半は解説いらなさそうなので無問題かと(笑)。図版は買ったのでSF大会に持って行こうかな。場所は上掲のVCA特別展の左側の二階。会期は3月17日まで。ミュージアム・ショップでは現行品のフィギュアやライトセイバーも売ってます。う~ん、私はやっぱり、ロココの女王やVCAのアイコンモデルになるよりより、ジェダイ騎士になりたい(笑)。

結局結論はそこなのかという感じですが、まあやっぱり、そんなところです(笑)。Que la force soit avec toi!

2013年1月13日 (日)

連ドラ『カラマーゾフの兄弟』開始

遅ればせながら明けましておめでとうございます。年が明けてもまだカラマーゾフ関係の原稿を引き受けてるワタシorz この件はいったんおしまいにして次の長編に没頭したいという気持ちもあるのですが、あれは原作の「瑕疵」を「ネタ」にした「二次創作」と片づけてドストエフスキー論に興味を持たない人が想像以上に多いので、もっとストレートな文学論の形で問題提起せざるを得ないかと思いまして、今、そういう本を準備中です。詳細を発表できるようになったら告知いたしますです。何度も繰り返しますけどね、『カラマーゾフの兄弟』に「瑕疵」はありませんから。「瑕疵」に見える「手がかり」があるということです。『カラ妹』の中で何度もそう言ってるんだけど、何故か「小説に書かれたことはみんなネタ」と思う人がいるのよねえ。もっと深刻な社会問題を小説という形で提起してる人は私なんかよりもっと苦労してますけど。

さて、昨日(12日)から、フジテレビの連ドラ『カラマーゾフの兄弟』の第一回がオンエアになりましたね。いったい何をどう翻案することやら……と、正直不安がなくもなかったのですが(<人のことを言えるのかw)、これ、マジ面白いわ。もうドストエフスキー云々を抜きにしても普通に面白い。原作のセリフをどこかに取り入れる気とかゼロ。そう、どうせやるならここまでやらないとダメなのだ。ハンパに「ドストエフスキーらしさ」を出そうとかしないほうがいいのだ。

冒頭いきなり横溝調w 三兄弟全員いきなり容疑者w 文蔵、原作の三割増し悪者w こりゃ確かに殺されるわw 誰に殺されても文句言えないわw 

実は2008年にロシアで連ドラ化されたユーリ・モロズ版は、フョードルがちょっと憎めないキャラで、あまり殺されそうな感じじゃないのだ(おもろい系である私の声楽の師匠とカテゴリが一緒な感じなので、個人的にはなおさらそう思っちゃうのですが)。金と女をめぐってモメていたドミートリーが憎むのは分からんでもないが、イワンやアリョーシャが殺意を抱くほどのキャラではない。でも『カラ兄』は、そもそもフョードルが我が子の全てから殺意を抱かれるほどのキャラじゃないと成り立たないので、モロズ版はそこからしてつまずいてる感がぬぐえないのだ。旧ソ連版も、若い兄弟を描くことにばかり集中して、フョードルのキャラがおざなりになっている気がする。それ考えると、佐藤未郷版は「フョードルをどう登場させ、どう描くか」という最初の難題に正面から取り組んで成功してると言えるのではないだろうか。

そういや以前、林譲治さんが「東芝日曜劇場っぽい夢を見た。フョードルが金子信雄で、ドミトリーが松方弘樹、イワンが菅原文太、アレクセイが渡哲也、スメルジャコフが田中邦衛、岩下志麻も出演。男ばかりの食卓で黙って飯を食ったり兄弟で殴り合ったりする」と言ってて、そりゃマジで見てみたいわと思ってたけど、テイスト的にはけっこう実現かw

次回以降も期待。頭の固いドストエフスキー信奉者をぶっちぎって突っ走って欲しいところです。

付記:ところで、次男勲が使ってた万年筆って、パーカー75シリーズじゃないかと思うんですが、どうでしょう? 詳しい方、教えてプリーズ。

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