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2012年12月29日 (土)

WPOニューイヤー・コンサート2013 セットリスト

皆様、地球滅亡からあらかた一週間経ちましたが、お元気でいらっしゃいますでしょうかw それはともかく、数か月前のエントリに書いたウェルザー・メストによるヨーゼフ・シュトラウス重用予想当たりね 『ムジカ・マキーナ』の著者としては感慨深いものがございます。

ニューイヤー・コンサート2013 (HMV)

 ★ニューイヤー・コンサート初登場作品
第1部
1.ヨーゼフ・シュトラウス:スーブレット・ポルカ 作品109 ★
2.ヨハン・シュトラウス2世:キス・ワルツ 作品400 ★
3.ヨーゼフ・シュトラウス:劇場カドリーユ 作品213 ★
4.ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ『山の上から』 作品292 ★
5.フランツ・フォン・スッペ:喜歌劇『軽騎兵』 序曲

第2部
6.ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『天体の音楽』 作品235
7.ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ『糸を紡ぐ女』 作品192 ★
8.リヒャルト・ワーグナー:歌劇『ローエングリン』 第3幕への前奏曲 ★
9.ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世:ポルカ『二人きりで』 ★
10.ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『金星の軌道』 作品279 ★
11.ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ『ガロパン(使い走り)』 作品237 ★
12.ヨーゼフ・ランナー:シュタイヤー風舞曲 作品165
13.ヨハン・シュトラウス2世:メロディ・カドリーユ 作品112 ★
14.ジュゼッペ・ヴェルディ:歌劇『ドン・カルロス』 第3幕のバレエ音楽より プレスティッシモ★
15.ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ『レモンの花咲くところ』 作品364
16.ヨハン・シュトラウス1世:幻想曲『エルンストの思い出 または ヴェネツィアの謝肉祭』 作品126

アンコール
17.ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ『おしゃべりなかわいい口』 作品245
18.新年の挨拶
19.ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ『美しく青きドナウ』 作品314
20.ヨハン・シュトラウス1世:ラデツキー行進曲 作品228

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 フランツ・ヴェルザー=メスト(指揮)

R・シュトラウスの『薔薇の騎士』のワルツを入れて来たりしてと書きましたけど、さすがにそれは外れたとはいえ、結局オペラを入れてくるってところはまあ当たりと言えなくもないでしょうか。しかし、ローエングリンにドン・カルロかいw 飛ばしてるなあ。次に登場する時は、何だかんだ理由つけてチャイコフスキーとかのロシアもののワルツをやりそうで怖いw 

このセットリストを見る限り、実際には第一部と第二部の境はヨーゼフ・シュトラウスとローエングリンの間になるのでは? 放送は例によって元日。オケいじり、客いじりがヘタなので、一番心配なのがラデツキー。ウケ狙いに走らず、シンプルにやって欲しいものです。

2012年12月21日 (金)

地球目滅亡中止のお知らせ

今滅亡されると著者校がムダになるw

いやあ、それにしても、千年前のヨーロッパと全く同じ展開になってて、そっちのほうがよほど恐ろしい。人類って、経験も科学もテクノロジーも情報も、何を以てしても変えられない心性がやっぱりあるんだなあと思うことです。

千年前のヨーロッパ、千年紀の前には都市部や神学関係者を中心に世が滅亡するとか、いや違う新しい至福の王国が始まるのだとかいう騒ぎになって、何も起こらずにそれが過ぎると、「いや、計算方法が間違っていたから本当は10●●年」とかいうネタが出てきて、それでも何も起こらず十数年経つと「この条件を満たした者だけが救われる」とかいって山に立てこもったりするカルト集団が出てくる。そしてミレニアム騒ぎの伝達が遅かった地域(今で言うと中国あたり)がそのカルトに引っ掻き回されるけど、都市部や知識人層はもうすっかり醒めていたりするのよね。そして世の中全体が「何も起こらなかった」ことを心理的に受け入れる頃、カルトが集団自殺を図ったり、異端審問にかけられたりして、半世紀後くらいにはだいたいみんな諦める、というパターン。もちろん本気度では当時と今とではずいぶん違うと思うけど、基本パターンは変わらない感じなのがむしろスゴイ。

さすがに現代は教会が世俗権力に命じて異端狩りにはならないけど、アメリカの砂漠の奥地でカルトが強制集団自殺を図ってSWATが踏み込むとかはあるかも。

クリス・カーターのTVドラマ『ミレニアム』でこういうセリフがある。「一番恐ろしいのは、その時何も起こらず、この陳腐な日常が続くこと」。

今日だか明日だか知らないけど、多分「一番恐ろしいこと」が起こるかなあ。リセット願望なんて、そうそう叶わないのだ。なので著者校は終わらせなければならないのだったw ←結局その現実逃避のためだけのエントリか?!

追記:プーさまがこんなこと言ってるようで。

ロシアのプーチン大統領、世界滅亡は「45億年後」

45億年後の人類「ロシアの予言が!!」w

2012年12月13日 (木)

ロクなもんじゃねえ

しかし、こちらが大きな賞を取ったと聞いた途端、態度変えてニコニコしたかと思うと、勝手に自分のパーティでサイン会を「してやってもいい」と言い出す輩というのはいるもんですね。そして自分が特別扱いされないとヘソを曲げる。作家としてデビューして以来、こんなにバカにした扱いをされるのは初めてだ、というくらいヒドイ態度に出られたので、今日はバックレる。私あたりの世代がバカにされた扱いを容認すると、下の世代はもっと軽い扱いをしていいと思う人が出てくるので、そういう負の連鎖も避けたい。

受賞後のマイナス事態は覚悟はしてたけど、予想以上のことって起きるもんですね。でも、お付き合い関係より、「作品そのもの」に向き合ってくれている読者さん重視で来た自分は間違ってない、過去の自分よくやった、と思う。そう思わせてください。

今からまた失礼なメールや電話があったら、この団体の名前はここに晒します。

2012年12月12日 (水)

6日の鼎談(当日・写真掲載先等)

ご報告が遅くなりましたが、6日、ロシア大使館にて亀山郁夫さんと沼野充義さんと高野史緒の公開鼎談をやってまいりました。

20121212


いったん講談社で雅印入りのサイン本を作って、講談社の方々とタクシーでロシア大使館に。着いてビックリの日本側の警備に話が通ってない罠。三ケタの人数で集合したら公安にマークされてしまう!と一瞬焦りましたが、文化担当官のヴィノグラードフさんにちゃんとフォローしていただきました(ていうかこの方が事前に日本側に通知しとかないとダメなんですけどね)。さすがに亀山さんや沼野さんはこのくらいのロシアっぽさでは動じず(笑)。

厳重に警備された塀の内側はクリスマスの電飾…… いやいっそ塀の外もデコって下さい(笑)。

この写真は12日に撮り直したもの。う~ん いただきものの写真よりマシかと言われると……むしろダメっぽいですが、責任を取って自分で撮った写真を載せておきます。上品な電飾。「電飾と東京タワーを一緒に撮る」の企画は技術的に限界で失敗orz

201212061
直前になって場所が講堂から大広間に変更に。ここは使用に大使の許可が必要だったり、いろいろ大変な場所なので、まさかこんなアップグレードをしてくれるとは思わなかったので嬉しい驚きでした。ここに変更になったと聞いた時は、講談社の中では「椅子並べるのとか誰がやるんだ?!」と一瞬騒然となったようですが(そりゃなるでしょう)、用意は何もかも大使館側でして下さいました。

会場はこんな感じ(撮影は井上徹)。中央にクリスマスツリー。この場合ヨールカと呼ぶべきかもしれないけど、エントランスのステンドグラスの前に飾ってあった小さなツリーは、国際標準化してるのか英語で「Merry Xmas」って書いてあったなあ。

何故かSF関係者から脱落者が相次いだものの(何故だ?! みんな何のデンパを浴びたんだ?!)、会場はちゃんと埋まって一安心でした。

201212064
最初にロシア文化交流庁のヴィノグラードフさんから流暢な日本語でご挨拶。下の写真は左から沼野さん、高野、亀山さん(どちらも撮影は井上)。

沼野さんから事前に警告されていた通り、亀山さんは最初はやけにシャイな感じでなかなか話が進まないのであった。なのに時間は実質一時間ちょっとしかない。亀山さんのアドレナリンが分泌される前に時間切れが予想されるが、毎週のように公開シンホジウムや研究会を仕切る沼野さんの手慣れたかじ取りで何とか話は進む。

ワタシ的に一番意外だったのは、現場(この場合、「げんじょう」と読みたいw)とスメルジャコフの供述が一致しないこととか、遺体発見の場面での「その時は扉が開いていて」という記述とかは、研究者や翻訳者は案外気がつかないということ。そ……そうなんですか…… マジですか? トルストイは綿密に記述を練るけど、後期のドストエフスキーは「熱に浮かされたように」口述筆記するので、ドストエフスキー研究者は「細かいところは気にしない」のだそうです。『罪と罰』の現場の描写が細かいのは、あのころはまだ口述筆記じゃなくて自分で手で書いていたから、とか。杉下右京のように「細かい所が気になる」私が異端なのか……。いや、でも私、研究者じゃないから(笑)。亀山さんの訳に単語一個一個までツッコミを入れてた人は、「その時は扉が開いていて」の部分とか何か言わないんだろうか。気づかないものなんだろうか。妬ましい他人の揚げ足取りにばかり気を取られていて、ドストエフスキーの文章なんか見てないのかもしれませんね。

201212062でも、本格推理を書く人たちの中にはダイヤグラムなんか作らなくても登場人物の時間と空間を分単位、秒単位で管理できる人もいる。フォトグラフィック・メモリーや絶対音感のような、ある種の時間・空間管理能力を持ってる人って、いるんじゃないだろうか。ミルトンはあのながーい『失楽園』を「サファイアの玉座にのぼる神」という言葉が真ん中に来るよう書いたと聞きますが……。どういう概念を持った文化圏にもフォトグラフィック・メモリーや電卓並みの暗算能力を持った人がいるように、本格推理という概念があろうがなろうが、メモなしで登場人物のダイヤグラムが管理できる人もいるんじゃないかと思う。私はドストエフスキーがそういう人だったとしても不思議ではないと思っている。『カラ兄』でも、修道院と市街の中心部と郊外のカラマーゾフ家との間が、成人男性の足で25分前後の位置関係と仮定すると、日没や教会の鐘の時間から算出されるタイムテーブルは完璧なのだ。なんでみんな気づかないのかと思う。メモなしでこれができる能力を持った作家がいても、その存在自体は不思議ではないと私は思う。この件については、出版する予定がないでもないので、具体的に日程が固まったらまた告知いたします。ちなみに私はみっちりメモとか図面とか作って書いてます しくしく。

201212063
沼野さんのコスミズムのお話も、本当は現代ロシアSF方面にも言及しつつもっと話していただいたらなお面白かっただろうと思いますが、あえなく時間切れ。後半は大使館側が用意してくれたお茶会に(撮影はSF大会サイバーパンク部屋でおなじみのとりにてぃさん)。お茶会とはいえ、ピロシキやカナッペなどの軽食系もくさんあり、量も大盤振る舞いで、アルコールがないだけで実質一食分な感じ。かなりおいしかったらしい……とウワサに聞くばかりで、私は例によって『巨匠とマルガリータ』状態でコーヒー一杯しか飲めず いや、でも、来ていただいた皆様には喜んでいただけたようで何よりです。レアなハードカバーの『カント・アンジェリコ』や『ヴアスラフ』を持ってきてくださった読者さんも一人や二人ではありませんでした。ありがとうございます。何のデザイン性もないサインですみません

プロが撮った写真は、次の「小説現代」に、鼎談については日版の「新刊展望」(12月15日の号)に掲載されます。大きめの本屋さんで「新刊展望」ホシイと言ってくだされば手に入るかと思いますし、web掲載もあるそうです。

とにかくロシア大使館側にはいろんなところを目いっぱいアップグレードしていただいて、手間もコストもみんな負担していただいて、ありがたいばかりです。民間人の外交答礼として、この日いらっしゃった皆様には(ロシア大使館をほめちぎりつつw)ネットに書き込みとか写真とかupしていただけるとありがたいです。

2012年12月 6日 (木)

亀山・沼野・高野鼎談@ロシア大使館 ちょっとだけ場所変更のお知らせ

現地でご案内しますので問題はないかと思いますが、今日の鼎談、場所がロシア大使館の講堂から大広間に変更になりました。ここは大使主催のパーティを開いたりもするところなので、来ていただける皆様にはお得感upではないかと思います。あと、大使館側のご厚意で、終演後に立食形式のお茶会があります。

びびり気味なのは私だけで、亀山さんも沼野さんもエネルギー充填120%でお待ちしております。一人で喋るよりはずっといいんですが、やっぱり引きこもり系の本質って、10年や15年じゃ変わらないってことでしょうか……

という感じですが、どうかよろしくお願いいたします。

鼎談当日のレポート

2012年12月 1日 (土)

短編集とか、作家の本棚Petitとか、お知らせ関係いろいろ

しまった。お知らせ関係がいろいろたまってしまった。

まず、ジュンク堂池袋店で開催中の「SFブックミュージアム」内のコーナー、「作家書店Petit」が今日から始まります。第一弾は不肖ワタクシめのセレクトでございます。

「作家書店Petit(プチ)」第一回:高野史緒

『カラマーゾフの妹』と『赤い星』関係の、できるだけ入門者フレンドリーな本を選んでみました。……一冊だけとんでもなく敷居が高い本が さてどれでしょう? 恐怖の入門書ゼロ状態のジャンルがあるんですよね……。正解はジュンク堂に(笑)。

それから、現在発売中の「小説現代」12月号に短編「百万本の薔薇」が掲載されています。ミステリ……のような、結局アレのような(笑)。グラビアでは恥ずかしながら乱歩邸で写真を撮っております。まあ「比較のため100円玉を置いてみました」的なものと思って生暖かくスルーしてください 乱歩所蔵のエラリー・クィーンの献辞入り短編集も公開。

まだちょっと先の話になりますが、来年、河出書房新社から、日下三蔵さんによる編集で初の短編集『ヴェネツィアの恋人』が発売になります(二月予定)。これは乱歩賞云々以前からあった企画で、むしろ乱歩賞の混乱で遅らせてしまいました河出の皆様と日下さんすんませんすんませんなお品物。読者さんからのご要望が実はけっこう多かった「白鳥の騎士」も収録されます。

で、二月に河出ではもう一つ朗報が。『時間はだれも待ってくれない 二十一世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』に部分訳を掲載したチェコのミハル・アイヴァスの作品、『もうひとつの街』の全訳が河出書房新社からついに出版されます! これは「アンソロジーに部分訳を載せるのは反則かもしれないけど、これできっと見る目のある出版社の目に留まって全訳が出ることになるだろう」という読みがあったので、まさにその通りになってワタクシは満足でございます。すでに阿部賢一さんによる訳も初稿は完成していて、今ゲラを読ませていただいていますが、想像以上にスゴイです。これ。ヨーロパ文学を好むすべての読者を直撃します。レムやカルヴィーノ、パヴィッチを読み、ソクーロフやシュヴァンクマイエルの映画を見る系の人は必読。もう2013年の翻訳ベストは決まりです(笑)。いやマジで。

3月には著者ミハル・アイヴァスが初来日! 河出書房新社が阿部さんや私と一緒にアイヴァスを招いたイベントを企画しています。

「ナイトランド」第4号(12月20日発売)に『オペラ座の怪人』についてのエッセイを書きました。普通、インタビューやエッセイは告知しませんが、季刊である「ナイトランド」の宣伝を兼ねて。

ちうことで、お知らせ関係は今のところこんな感じです。来年の予定については、詳細が決定次第、またお知らせいたします。

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