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2012年7月29日 (日)

『カラマーゾフの妹』書影(まともなスキャン画像に差し替え済)

Takano_karamazov
昨日、『カラマーゾフの妹』の見本を受け取りました~。まだネット書店には書影が載ってませんが、例年よりやや早のスケジュールであるにも関わらず、装丁の多田和博さんが私の原稿と『カラマーゾフの兄弟』全文を読んだ上で何パターンか案を出す→関係者一同でいろいろ考える→講談社の方が印刷所に詰めて色合いや質感やコントラストを最後の最後まで検討する、という手間をかけていたので、多分、週明けにようやく公式な書影が用意できるかどうかという感じだろうと思います。

「紙に普通の2D印刷」なのにこんなに立体感とか質感が出せるのってすごいですよね。原作を読まれた方の中にはすぐに分かった方もいらっしゃるんじゃないかと思いますが、元ネタは原作の冒頭、ヨハネ福音書の引用部分です。おそらく、本書を読んでいただければ、なるほどと思っていただけるのではないかと。

あんまり撮りたくなかった口絵の写真は、どうしても撮らなきゃいけないものなんだったらせめてここで、という、こだわりの場所で撮影しております。自分が主役になり切っちゃうような写真はイヤだったので、私以外にすごい「共演者」がいます(笑)。そっちを見てやってください、そっちを(笑)。これも本書を読んでいただければ、なんでわざわざここで撮ったのかご理解いただけるかと思います。撮影許可をとるのがなかなか大変(「ザ・お役所仕事」的な面倒さが……)だったのですが、担当編集者の堀彩子さんがねばって勝ち取ってくださいました。そしてここで人物写真撮るのは難しいんですが、これもカメラマンの森清さんが下見に行ってアングルや露出をいろいろ考えて下さいました。皆様本当にありがとうございました。

というわけで、ちゃんと8月2日に出せます(笑)。一時はどうなることかと(そうさせたのは自分の遅筆だろーが)。お楽しみいただければ幸いです。

2012年8月1日追記:夫が作ってくれたまともなスキャン画像と差し替えました。なんで自分でスキャンしなかったのかって? ……いや実は私の20世紀のスキャナ、もうドライバをどうしようが何しようがWin7が認識してくれないので……orz

2012年7月26日 (木)

タルコフスキー生誕80周年記念映画祭試写

0109016
これは2001年にロシアに行った時、故レフ・シーロフさんに案内してもらったペレジェルキノの一隅で撮った、アルセニー・タルコフスキーのお墓と、家族が用意したアンドレイ移葬用の予定地。

……と、さも自分で撮ったかのようなことを言ったが、これは夫が撮った写真です。私が撮ったのは生きてるか死んでるかよく分からないハードディスクからサルベージしないと出てきません。もっとも、出てきたところで例によって使い物にならないクソヘタ写真であることは間違いないのですが……

80周年……。タルコフスキーが生きていたら今年で傘寿ってことですか?! なんか想像できない……。タルコフスキーは私が二十歳になって間もなく亡くなってしまったのと、彼の作品が自分の十代の頃の記憶ととても強く結びついてしまっているせいか、どうしても「芸術家としては若くして亡くなった」というイメージと違う姿は受け入れがたい。生きてたら80歳かあ……。もし生きていたら、どんな作品を撮っていただろうか。もっとも、彼の夢に出てきたパステルナークに予言された「七本の映画」は『サクリファイス』の時点で全うしてしまっていたし、やっぱり彼がソ連も存在しないし技術もデジタル化している21世紀に映画を撮っているところは想像できない。信長は天下を取れなかったからこそ信長で、ダイアナ妃はああいう悲劇的な亡くなり方をしたからこそダイアナ妃であるように、やっぱりタルコフスキーは長編七本で早死にしたからこそタルコフスキーなのですね。少なくとも私にとっては。

その七本の長編映画に「ローラーとバイオリン」を足した定番の八本を上映するのが、この「タルコフスキー生誕80周年記念映画祭試写」@ユーロスペース。デジタル・リマスタ版『惑星ソラリス』の試写が急遽行われたので、東映の試写室に行ってきました。いや~、最初、漫然と7階の試写室に行ったらフォーゼの試写やっててあせった(笑)。6階でした。スクリーンじゃなくて液晶テレビでの試写だったので、画像についての感想はあんまり正確じゃないかもと先に言い訳をしておきます。

もう世の中、何でもかんでもデジタルリマスタですが、作品の保存・上映の両立を考えるとこの流れはもう変わらないでしょう。もう「こんなだっけ?!」という鮮明さ、鮮やかさでビックリしましたけど、でも、私自身、長い間見てないし……もしかして、最初からこんなだった? いや、そんなわけないだろう、いやいや、でも、古い映画に心情的に「古色」を期待しているだけかも、いやいやいや、こりゃだいぶ印象が違うだろう……と頭の中がぐるぐるしましたけど、正直、あっという間に慣れました(笑)。慣れたんかい(笑)。映画そのものの印象はむしろ驚くほど変わらないです。少なくともワタシ的にはそうでした。

ソラリスって、見れば見るほど(原作も読めば読むほど)いやな話だなあ……。自分が年を取ってきて「思い出すもの」が蓄積してくると、ますます辛くなってゆく。そういう自分自身にもふりかかってくるものがない分、ソダーバーグ版はむしろ「さわやか」とさえ言えるかもしれない。レムはタルコフスキー版を「恣意的」と受け取ったようで、あまり喜んでいなかったとも聞いているが、実はワタシ的にはタルコフスキーのソラリスが一番好きだったりする。愛とか憎しみとか理解とか、人と人との間にある「関係性」のようでありながら、実は自分が外の「すがたかたち」や「ことば」などを使って自分の中だけに作ってゆくものなのだ。だけど相手にもそれぞれの愛や憎しみや理解があり、もしかしたら形だけを取るように見える「人でないなにものか」の中にも……あったとしても、それは我々には知ることはできないかもしれない。タルコフスキーは70年代以降は「この世界はもしかしたら自分の中にしかないかもしれない」という、禅的なテーマにどんどんはまってゆくように見えるのだが(『サクリファイス』はそこから出る手がかりを見つけたようにも思うけど)、でもそれは「私の中にしかないタルコフスキー」かもしれない。

もう30年も前からハリーのあの髪の結び方をやりたいと思ってるんだけど、どうすればいいんだろう? 一見単に後ろで束ねてるだけのように見えるけど、あのサイドの髪が均一に耳元にかかるのは普通に結んでも再現できないのだ。髪質が違うからムリ? どなたかご存知の方がいらっしゃったらご教示ください。……あんまり難しくなければ(笑)。

帰りに、 「『惑星ソラリス』理解のために――『ソラリス』はどう伝わったのか」の筆者忍澤勉さんと少しお話しする。ちょっとしか話してないのに断定的に書くのは申し訳ないんだけど、彼の「翻訳を読めば充分」の姿勢にちょっと危機感を感じた。読者として読み、読者として発言するのと、分析者として読み、分析者として発言するのとでは決定的に違う。そこをもっと考えて欲しい。前者の姿勢のまま「○○論」とやってしまうと、もっと踏み込んで研究している文学研究者たちから「SF論って幼稚だなあ」と思われかねないのが怖い。翻訳だけ読んで疑問を感じないのと、読者と分析者の違いに気づいていて原典の読めなさに苦悩した上で発言するのとでは、行先は決定的に違ってしまう。他人の演奏を聴いて感想を述べるのと、楽典理論を身につけた上で作曲家の直筆譜面を分析するのとの違いのようなものではなかと思う。もちろんブログにCD評やコンサートの感想を書くのは前者で充分で、私の上記の感想はこちらに該当する。でもうちのセンセイがロシア映画やその原作について論じるのは後者に該当。当然、最低限原典が読めるのがスジだ。「論」と標榜し他人様に文章を読ませる以上、少なくとも、違いの自覚がなくては読者に責任が果たせない。読者と分析者の違いの自覚がないままあれこれ手を出して自滅しちゃった人を何人も見てきているので(誰が妨害しなくても、誰がつぶそうとしなくても、自滅、つまり自ら破滅しちゃうのである)、彼のような妙に若々しい楽観性には危機感を感じる。もっと悲観的なくらいのほうが、最終的には遠くまで行けると思うのですね。

タルコフスキー生誕80周年記念映画祭は8月4日から17日まで、渋谷のユーロスペースで開催。傘寿……やっぱり違和感あるなあ。タルコフスキーは私にとっては非情に特別な存在なので、可能な限り見に行くつもりです。でも暑いのよね……

2012年7月24日 (火)

トレヴァー先生ライヴ in Tokyo

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来日直前!英国マジカル・ポップの必殺仕事人たちによるスーパー・グループ!「プロデューサーズ」日本発売決定!

あ、CD出るんだw トレヴァー先生のことだからあと2、3年かかると思ってたwww セルフ没率が高すぎる自分の執筆ペースを見ているようで恐ろしいわwww

まさかのプロデューサーズ日本公演、ほんとに実現しそうですね。スティーヴ・リプソンは来日しないみたいだけど。でも正直、私はトレヴァー・ホーン大先生が来てくださればそれだけで充分ですw 

プロデューサーズというのは、まあ早い話、監督とヘッドコーチで結成した野球チームみたいなもんです。ミュージシャンとしても活動しているものの、本業はプロデューサー(しかもみんな大物)という人たちでやっているオヤジバンド。きっかけは2004年のトレヴァー先生メジャーデビュー25周年記念コンサート@ウェンブリーでしょう。トレヴァー先生も1980年のイエス・ツアー以来ずっと引きずっていたステージ恐怖症を克服しましたねえ。ヴォーカルはどうするんだろう? まあサポートメンバーの中に若手のヴォーカリストがいるんだろうとは思いますが。でもきっと「ラジオスターの悲劇」くらいはトレヴァー先生が歌ってくれるんじゃないかと期待してます。

うちでは6日の1stステージのチケットを取りました。正直、まだ席は埋まってないようなので、みんな来てね~w もう日本でトレヴァー先生を見られるなんて、最初で最後かもしれないんだし~。

2012年7月17日 (火)

お江戸deハナシをノベル!! Vol.3

人類の滅亡をたくらむ悪い宇宙人が板橋区の気温を35℃超にしてますが……正義の味方は板橋区なんていう辺鄙なところには来てくれないでしょうか? スーパーヒーローの皆様、どうか板橋区をお忘れなく……

で、まだこれほど地獄じゃなかった15日、お江戸日本橋亭で開催された『お江戸deハナシをノベル!! Vol.3』夜の部に行ってきました。落語家の月亭八天が、作家(面子としてはなんとなくSF大会とか異形コレクションまわり)が書き下ろした新作落語を演じるというちょっと変わった落語会『ハナシをノベル!!』のお江戸出張版。演目は、前半が『真説七度狐』(作・田中啓文、演・月亭八天)、『目薬』(作、演・柳家一琴)、『百物語』(作・牧野修、演・月亭八天、後半は我孫子武丸、田中啓文、森奈津子、牧野修、浅暮三文によるぐだぐだトーク(でもなく、案外まとまってた)と『正直課長』(作・森奈津子、演・月亭八天)。

形式が落語で、噺家さんの裁量がいろいろ加わっていても、それでもそれぞれの作風って出るもんですね。田中啓文さんはもともと落語好きであるためか、田中さんのはとても落語らしい落語、柳家一琴さんはもちろん本職なので、まるで古典のような江戸落語、牧野さんのは……いや~な噺(笑)。しかも入れ子式。森さんのは、ふつうに面白い現代落語かと思ったら、後半、「やっぱり」な方向へ……。一家を成す作家の「作風」とか「個性」ってすごいなと改めて思いました。「型にはまる」とか、「ワンパターン」とは一線を画するのが「作風」。そして噺家さんたちの話芸ってのもまたすごいものですよね。テレビじゃなくて生、しかも誰がいるのかすぐに分かっちゃうくらいの規模の会場で聞くと、ほんのささいなところでもなんか妙に面白く感じます。ベンヤミンのいう「アウラ」ってやつですか。まさかベンヤミンもこんなところで引用されてるとは思うまいて(笑)。いや~、面白かったです。

会場には大森望さんや増田まもるさん、阿部毅さん、SF大会でお会いする読者さんたちがたくさん来てて、何このSF大会?状態(笑)。いっそ来年のSF大会@広島で「ハナシをノベル!!」をやったらどうでしょうか? 企画としてはベタすぎる?

2012年7月 6日 (金)

「ダ・ヴィンチ」8月号の次号予告訂正

今までいろいろヘンなことを書いて下さりやがった「ダ・ヴィンチ」ですが、ついにタイトルを間違えられましたorz 次号予告のインタビュー、『カラマーゾフの兄妹』になってますが、もちろん『カラマーゾフの妹』が正しいです。記者会見の時点でタイトル変更の通知はしてあったのですが……。すでに先方から謝罪はいただいてますが、今までさんざんモヤモヤさせられた経験から、あまり驚いてもいないし、「やっぱり」って感じでたいしてムカついてもいません。

『赤い星』の時なんか、「新進気鋭」って書かれたからなあ。あれはさすがに怒った。わし、デビューして何年やねん 今まで存在しなかった作家扱いかよ。

期待を裏切らない雑誌だ……

2012年7月 5日 (木)

ヒッグス祭りキターーー!

「ヒッグス粒子」発見…質量の源、探索40年

 欧州合同原子核研究機関(CERN、スイス・ジュネーブ郊外)は4日、「ヒッグス粒子とみられる新粒子を発見した」と発表した。

 ヒッグス粒子は、物質に質量を与えたとされ、宇宙の成り立ちを説明するうえで欠かせない素粒子。世界の研究者らが40年以上探し続けてきたが、現代物理学の枠組みをなす「標準理論」で考えられた17種類の素粒子のうち、唯一見つかっていなかった。年内にはヒッグスの存在が最終確認される見通し。標準理論の正しさが揺るぎないものとなり、人類史上の大きな成果となる。

キターーーーー! ついにキターーーーーーー!

















……でも、CERN、ケーブルたるんでないよね?

2012年7月 4日 (水)

『カラマーゾフの妹』発売日

『カラマーゾフの妹』の発売日、8月1日と聞いてましたし、まだ表沙汰にしていいのかいけないのか……という微妙な時期だったので発表しなかったのですが、あまじょんにはすでに予約ができるページができてて、8月2日発売になってるじゃ~あ~りませんか。まあ店頭に並ぶのもそのくらいではないかと。どこかで小規模な非公式サイン会をやるかもしれません。出版後には亀山郁夫先生と沼野充義先生と私でトークショウをやろうかという非公式企画も(まだ内輪のゲリラ企画)。まあまだ何もかも小規模な非公式企画が漠然とあるばかりですw

とりあえずAmazon.jpでは8月2日発売。装丁も後ほどupします。

2012年7月 3日 (火)

告知:『ムジカ・マキーナ』増刷

八月上旬、品切れになってました『ムジカ・マキーナ』の文庫版を増刷するそうです。他の本も順次文庫化。『カラマーゾフの妹』のほうは、現在内々に発売日は決まっているので、近日中に具体的に告知いたします。用件のみにて失礼。愛想のないエントリですんません

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