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2012年6月19日 (火)

ナイトランド第二号

Nl02_2
季刊「ナイトランド」
第二号拝受。ありがとうございます>関係者の皆様。

「ナイトランド」とは何か……みたいな話を私がするのも野暮な話なので、創刊号及び公式サイトに掲載されているエドワード・リプセットさんの創刊の辞を貼っておきます。

18世紀のゴシック・ロマンにはじまるホラー小説はその後二世紀にわたり深化と進化を展開し続け、21世紀の今日、現代英米文学の重要な分野を形成している。現在、ホラーは恐怖と幻想と怪奇を語ると同時に夢と記憶と時間を語り、さらに神話と夢想と永遠を幻視する。ホラーは今日、最も大衆的な読み物であると同時に、最も前衛的なる文学思潮であるといっても、過言ではない。
オカルト探偵物語や吸血鬼譚、幽霊物語、情痴怨恨絡みの残酷と残虐、クトゥルー神話といった、袖珍本やパルプマガジンより生まれた幻想と怪奇への憧憬は、21世紀に至り、より新しい幻想へ、より現代的な怪奇へと生まれ変わりつつある。

しかし、二十一世紀に入ってからの日本は、こうした英米ホラーの深化と進化をあたかも世界にはスティーヴン・キングとディーン・クーンツ以外、存在しないかのごとく等閑視してきた。
黒田藩プレスは十年近く、幻視の文学というジャンルを通じて日本文学と英米文学との懸け橋の役割を担ってきたが、現在の日本のこの状況を憂い、日本文学と英米文学をホラーで繋ぐ専門誌の必要性を痛感した。
そして、ここに我々は高品質のホラーとダークファンタジーを最高の翻訳で提供しようと決意したのである。
未訳・既訳は問わず、作家が日本で有名か無名かも問わない。我々が問うのはただ一つ、作品そのものである。
高品質のホラーを、ホラーを愛する読書氏へ提供し続けること。そうして海外と日本との断絶を解消し、海外と日本国内で、よりホラーを深化させ進化させる優れた才能を発見し、育て、内外に紹介すること。それこそがナイトランドの使命であり、トライデント・ハウスの理念である。

2012年一月吉日
トライデント・ハウス  代表 
エドワード・リプセット

昔のホラーって「一見無名作家によるこけおどし的パルプ・フィクション……に見えるけど、実は世界の滅亡に関する重大な秘密が!」みたいな雰囲気をまとってましたよね。でも最近のホラーって、モダンなサイコホラーだったり、実話怪談だったり、海外でもスティーヴン・キングもどきだったりというのが主流らしいのよね。そんな中、レトロな「ホラーらしいホラー」を、「ホラーらしい雰囲気」の中で読ませてくれる雑誌が登場。もちろんモダンなサイコホラーも実話怪談もそれぞれに好きだけど、やっぱり「往年のホラーらしいホラー」も読みたい。昔の本をあさるのも楽しいけど、今現在も世界のどこかにある(かもしれない)ゴシック・ホラーのことを知りたい、と思っていたので、「ナイトランド」は創刊と同時に飛びついておりました。

創刊号も第二号も、小説ははっきりいって玉石混交……なのですが、人によって何を玉として何を石とするかバラバラなのが面白い。第二号収録のルティグリアードの作品「アルハザードの末裔」のように、アラブの紛争地域を舞台にした「現代だからこそ」のクトゥルーものが読めるのも嬉しい。そして映画やゲーム関係のコラムも他じゃお目にかかれないレアで濃い内容で楽しい。何と言っても立原透耶さんによる中国幻想小説事情についての連載なんて、ほんっとに「ナイトランド」以外では手に入らない情報満載。

関連イベントの「新宿クトゥルーミーティング2」は7月4日に新宿ロフトプラスワンで開催だそうです。私も極力参加の予定。一回目も行きたかったんですけどね……でも乱歩賞に応募して以降は、道義上、そのスジの関係者や日本推理作家協会の方々と顔を合わせる可能性のあるイベントは避けていたので行かなかったのです。今回は行きたいです。

でもこれ、作る方の労力はハンパじゃないだろうなあ。関係者がへたばってしまわないことを祈る。でも出し続けて欲しいけど。読者というのは身勝手なものなのです(笑)。すまん(笑)。

2012年6月 9日 (土)

千葉ニュートリノ祭り開催のお知らせ

未知の天体から?高エネルギーニュートリノ観測

千葉大などの国際研究チーム「IceCubeプロジェクト」が、これまで観測されたことのない高エネルギーのニュートリノを2個、南極で観測した。
京都市で開かれているニュートリノ・宇宙物理国際会議で8日、発表した。未知の天体から地球に飛来したと見られ、高エネルギーを放つ天体の理解につながるという。

もうね、「ニュートリノ」という言葉自体がワクワクしますからね。これからどんなことが明らかになってゆくのか、楽しみですね。

2012年6月 8日 (金)

名古屋ニュートリノ祭り終了のお知らせ

いや事実上とっくに終了してましたが……

ニュートリノ「超光速」は誤り…研究チーム発表

 素粒子の一種であるニュートリノが光より速く飛んだとする実験結果について、名古屋大などの国際研究チーム「OPERA」は8日、「実験にミスがあった」として撤回した。

理由は「ケーブルのゆるみ」だそうですね。言葉もない。だからスイスから発射するのはともかく、イタリアで受信するのはやめろとあれほど(違)。せめて、「この件で新たな科学的知見が得られました!」とかだったらまだしも、ケーブルのゆるみか……

ま、科学は「検証」が可能、スバラシイ!ってことで、ここはひとつ。

#仕事はしてますしてますちょっと煮詰まったので科学ニュースをあさってただけですすんませんすんません(誰に言うともなく(笑))。

2012年6月 7日 (木)

訃報:レイ・ブラッドベリ

R.I.P. Ray Bradbury, Author of Fahrenheit 451 and The Martian Chronicles

えぇぇぇぇぇぇぇ?! ショック! 一度目の著者校(あんなずさんな原稿を送りつけてたのか……(恥))で意識がも~ろ~としているところに、衝撃で目が覚めるどころか逆に残りの意識を失わせるようなショック。かなりの高齢(享年91歳)とはいえ、なんとなく「いつまでも生き続ける人」のイメージがあったので、ますますショック。軽く100年以上生きると思ってたのに。

十代の頃、『火星年代記』はもちろんのこと、『ウは宇宙のウ』とか、今はなきサンリオSF文庫の『万華鏡』とか、ものすごく夢中になって読みふけりました。多分今は貴重品となっちゃってるであろう『十月の旅人』とか『火星の笛吹き』とかも今も持ってる。ブラッドベリみたいな小説書きたかったなあ。まあ、十代のうちにそれは諦めましたが。

私の読書体験に消えない刻印を残した「運命の人」の一人。私も『瞬き(まばたき)よりも速く 』(早川書房)の文庫版の解説を書かせていただいたことがあります。あの依頼はほんとに宇宙にも昇るような幸せでした。ああ……100年どころか、気がついたら200年も300年も生きてました、ってことになっても不思議ではないイメージだったのに。

しくしく。アーサー・C・クラークの訃報から4年しか経ってないのに。でも彼らの作品は地球上に文明がある限り永遠のもの。また読もう……。合掌。

2012年6月 2日 (土)

ソクーロフの『ファウスト』

本当は出かけてもいい状況じゃないのですが(今週中に引き渡すはずのゲラがまだ手元にw)、諸般の事情により、アレクサンドル・ソクーロフの新作『ファウスト』を井上にくっついて見てきました。井上のところにさえ試写状もこないうちに公開になってるしとか思ったけど、配給がいつものパンドラじゃなくて、知らない配給会社だったのであった。ソクーロフの権利金も高騰しているようなので(特に『ファウスト』は金獅子賞を受賞してるし)、背後にはいろいろ争奪戦があったのでしょう。映画の配給も大変だなあ。

ソクーロフがゲーテの『ファウスト』を好きなように換骨奪胎して作った映画。「ゲーテの作品と似ているところがあるとすれば偶然だ」とまで言い切るw 実際、本当にソクーロフ的にやりいようにやっている。ソクーロフ作品の中でも屈指の不毛さ。映像美はいつもながらであるだけに、その不毛さは際立つ。人間も死体も人造生命体も等しく醜く、美しいものもあまりにも長い間見つめていると醜いような気がしてくる不毛さ。

マルガレーテの美しさも純真無垢ささえも不毛。彼女は共感も反感も生み出さない、あくまでも「美しい姿形」で、哀しいほど中身は無い。良い意味だけではなく、悪い意味でも純真無垢。相変わらずソクーロフの描く女性像はキッツイなあ(笑)。それでふと思ったのだが、『ボヴァリー夫人』で、女優としての未来なんかカケラもない素人女性を「イメージに合うから」ということで道端でスカウトしてきて、ああいうプロでもためらうようなあられもない露出をさせた挙句何のフォローもなく放り出したソクーロフなのだから、ファウストに興味を持つのは当然かもしれない。今回のマルガレーテ役も、もしオーディションでイメージに合う素人の美少女を見つけたら、女優としての将来があるような素材でなかったとしても起用して陰毛まで丸出しにさせて放り出しちゃったんだろうなあ(ちなみに、幸いなことに、実際のマルガレーテ役のイゾルダ・ディシャウクは、若いながらもキャリアも将来性もある本物の女優さん)。

大きな望みがかなったとしても、それは単に課題の一つがクリアされただけのことで、それで全ての悩みや問題が購えるわけではない。『ファウスト』で金獅子賞を取ったからといって、それで舞い上がっていられるものでもないことを、ソクーロフ自身が最初から分かっていたのでしょうね。

20120602映画の後は写真家のみやこうせいさんの「『ファウスト』公開記念 『ソクーロフ 非日常の日常』写真展」を見に行く。ご本人は相変わらずとぼけたような飄々としたキャラだが、作品は緊張感があって大変美しい。ソクーロフの優しさと傲慢さの両方が切り取られているように思える。映画のパンフに載っている「フツウの」ソクーロフの写真とは印象が違うので、ソクーロフのファンは一見の価値あり。会場は『ファウスト』の上映劇場シネスイッチ銀座から歩いて行ける。写真展の会期は6月10日まで。

というわけで推敲なしの殴り書きですが、どこかにちゃんとした記事を書くチャンスがあったらちゃんと書きまますんませんすんません仕事に戻ります。とりあえず情報提供まで。

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