フジテレビって、ブータン国王に何か恨みでもあるの?
今朝、『とくダネ!発 ディレクター魂』という特番で、ちょっといやなものを見てしまった。
基本的に、「ブータン王国に行って現地の人々の生活を取材する」という普通のプログラムだったのだが、意図的にやってるのか?と思わずにはいられない、非常に印象の悪いシーンがあった。王制104周年記念祭で、国王夫妻を突撃取材しようとしたのである。当然、警備に止められ、「撮影はだめだ! 逮捕するぞ!」と叫ばれる。カメラは高級車に乗って会場を後にする国王夫妻を追う、という場面。
これだけ見ると、来日時にあれだけフレンドリーで民衆の近くにいた国王夫妻も、そんなのは外向きの顔で、普段はこんなに冷淡、親ブータン的な日本からわざわざ訪ねてきたメディアに目もくれず、警備に追い返させた、という印象になる。しかし、王室がアポなし突撃取材に応じるわけがないのは世界中どこへ行っても同じだし、カメラと国王夫妻の車の間はそうとうな距離があったので(映像ではものすごく寄っていたので、まるで取材班がすぐ近くにいるのに無視したような印象になる)、国王夫妻は来ていたのが日本のテレビであることにも気づかなかっただろう、というかそもそも取材班が来ていたてこと自体に気づいてなかったんじゃないだろうか、これで「親しみやすいブータン国王夫妻」の映像が撮れるわけがないのはもちろん最初から分かってたはず。王制104周年記念祭を取材させてくださいと普通に申し込んでいれば、普通に取材させてもらえただろう。それさえしないでああいう取材をして、印象の悪い映像を流すのって、どうなのよ。
それを最初に見てしまったので、そのあとの国民生活の取材も、洗濯に三時間もかかったり、ガスや水道がない村もまだあるのに、経済開放で国民の物欲ばかり高まっている国」という内容に見えてしまう。
ちょっと調べてみたら、フジテレビにはつい最近、こういいう問題もあったそうですね。
フジテレビ「笑っていいとも」ブータン国王夫妻の物まねに、非難殺到
フジテレビで28日に放映された、「笑っていいとも! 年忘れ特大号2011」で、劇団ひとりさんがAKB48の秋元才加さんとともに、ブータン国王夫妻の物まねを披露した。しかし、これが国王夫妻を侮辱したとして、インターネットを中心に波紋が広がっている。
2ちゃんねるでは、「これ、ブータンの人が見たらどう思うだろう」「超えちゃいけないライン完全に超えてる」「ブータンに申し訳ない」「局がどうかしている」などと非難の声が上がっている。
また、ツイッター上では劇団ひとりさんのアカウントにもコメントが相次いでおり、「ブータン国王のものまねは最低だ。本当にTVは終わってる」「フジテレビをはじめ、マスコミは許せない」「これは酷い。大人のする事じゃない」といった抗議の声も見られた。
一方、YouTubeやニコニコ動画にも、同番組の動画がアップされていたが、現在はフジテレビの申し立てによって、多くは削除されているようだ。
ブータン国王は親日家として知られ、東日本大震災発生直後の12日には日本の被災者のための式典を行い、復興支援として義援金100万ドル(約8000万円)を日本に寄付した。また11月には国賓として日本を訪れ、福島の被災地の小学校を訪問し、子どもたちを激励するなどした。(編集担当:李信恵・山口幸治)
物まねだけなら「くだらない番組」で済むが、まがりなりにも報道という枠でやってる番組でああいう取材をしてるところを見ると、何らかの意図があるのではないか、という気持ちにどうしてもなる。フジテレビはもともと、特定の国を不自然なまでに盛り立てる発言が多いことが以前から取りざたされているが、ブータンの取り上げ方でもこういうことが続くと……ねえ。
たとえ無名の個人が相手だったとしても、ああいうやり方は無いだろう。ましてや国民の敬愛の対象に対してそれでは、国民全体を侮辱したのと同じではないのか。もし天皇に対してこういう突撃取材と悪印象の放送がなされたら、日本人なら右翼でなくとも嫌な気持ちになるのではないだろうか。少なくとも私はイヤです。
今日の『とくダネ!発 ディレクター魂』に関しては、もっと議論されてしかるべきだと思う。ほんとイヤなもん見たわ
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