オリジナルインク「ペテルブルク」@インク工房
体調悪くてSF大会行けな~い、とか言ってるわりに、土曜日には伊東屋のセーラー万年筆100周年記念フェアに行ってしまうワタシ(笑)。ダメ状態とはいえ、全然出かけられないというほどではない。何と言っても、伊東屋は地下鉄で行けるけど、ドンブラコンL@静岡は新幹線に乗らないと行けないしね……
何をしに行ったのかというと、「インク工房」でオリジナル配色のインクを作ってもらいに行ったであった。インク工房というのは、セーラー万年筆の混色可能インク「ジェントルインク」をブレンドして、客が希望する色を作ってくれるというイベント。ブレンダーはこの世界のヒーローの一人、セーラー万年筆の石丸治さん。インク工房もペンリニックも、意外になかなか東京に回ってこないのだ。
当然、土日の伊東屋でインク工房をやったら人が並んじゃうに決まっているではないか、台風が来るんだったら行こう、と思っていたのであった(笑)。台風12号は関東をそれたが、天気が荒れることを警戒してか、案の定、銀座はいつもの土日より人が少ない。伊東屋もしかり。インク工房も私の前に二人いるだけだった。でも午前中の開始直後にすでに来ている人がいるのだ。
私は以前から、エルミタージュ美術館やマリインスキー劇場の壁色のインクがあったらなーと思っていた。でも、既成のインクでグリーン・グレイってないのよね。なんでだろう。あんなにいい色なのに。でももしかしたら、万年筆用のインクでは難しい色なのかもれない。でもなあ……。イラスト用の水性マーカーはグリーン・グレイ系はブルー・グレイ系より充実していることが多く(特にマービーは)、水性インクでこういう色は作れるはずなのでは……?
てなわけで、マービーのイラスト用水性マーカー数本と小学館の「色の手帖」を持ってインク工房へ。見るからに「めんどくさい客」って感じですが(笑)。
でもこういう色見本があった方がやりやすいようでした。石丸さんによれば、グリーン・グレイ系はあまり作ったことないそうです。ふーん。みんな案外作らないんだ……。どうりで既製品がないはずだ……
何をしに行ったのかというと、「インク工房」でオリジナル配色のインクを作ってもらいに行ったであった。インク工房というのは、セーラー万年筆の混色可能インク「ジェントルインク」をブレンドして、客が希望する色を作ってくれるというイベント。ブレンダーはこの世界のヒーローの一人、セーラー万年筆の石丸治さん。インク工房もペンリニックも、意外になかなか東京に回ってこないのだ。
当然、土日の伊東屋でインク工房をやったら人が並んじゃうに決まっているではないか、台風が来るんだったら行こう、と思っていたのであった(笑)。台風12号は関東をそれたが、天気が荒れることを警戒してか、案の定、銀座はいつもの土日より人が少ない。伊東屋もしかり。インク工房も私の前に二人いるだけだった。でも午前中の開始直後にすでに来ている人がいるのだ。
私は以前から、エルミタージュ美術館やマリインスキー劇場の壁色のインクがあったらなーと思っていた。でも、既成のインクでグリーン・グレイってないのよね。なんでだろう。あんなにいい色なのに。でももしかしたら、万年筆用のインクでは難しい色なのかもれない。でもなあ……。イラスト用の水性マーカーはグリーン・グレイ系はブルー・グレイ系より充実していることが多く(特にマービーは)、水性インクでこういう色は作れるはずなのでは……?
てなわけで、マービーのイラスト用水性マーカー数本と小学館の「色の手帖」を持ってインク工房へ。見るからに「めんどくさい客」って感じですが(笑)。
でもこういう色見本があった方がやりやすいようでした。石丸さんによれば、グリーン・グレイ系はあまり作ったことないそうです。ふーん。みんな案外作らないんだ……。どうりで既製品がないはずだ……
最終決定後にそれをブレンドする石丸さん。昔、インク工房が始まったばかりの頃は作業着でやっていたそうだが、なんかイマイチかっこよくないので、いろいろ考えた末、蝶ネクタイでシェーカーを振るバーテンダーのスタイルにしたという。学生時代にバーでバイトをしていて、最終的にはボーイだけじゃなくてバーテンダーもやったいうのだから、シェーカーの振り方はインク製造より早いうちに経験があったわけで、どうりで様になってるはずです。
最初に作ってもらったのが案外明るい感じで、もうちよっと天気の悪い日のベペテルブルクっぽくグレイ寄りのほうがいいなーと思って、ほんのちょびっとだけグレイ寄りにしてもらうと、これが案外、イメージが違ってしまう。エルミタージュというより、翡翠とか青磁の印象になってしまうのだ。そういや私が持っていった一番イメージに近いマーカーはJade greenという名前だ。ちょっと黄色寄りかなあ、もうちょっと青い方がいいかなあと思ってブルーをほんのちょっと濃くしてもらっただけで「青緑」という感じの色になってしまう……。難しい。
この色に関しては私も経験がないわけではない。自分のサイトの壁紙を作るために(パソコンのソフト上でだけど)死ぬほど試行錯誤したのであった。私んとこの壁紙はちょっとずつ明度の違う色のモザイクだけど、インクはそういうわけにはいかない。もうちょっと明度を落として薄めたら……と考えなかったわけではないが、それはイラスト用マーカーならいいけど、あんまり薄いと筆記には向かなくなっちゃうからなあ……とかやっているうちに、最初に作ってもらったインクが乾いてくると、これがいい色だったのだ。やっぱりインクは、乾いてからの色を見ないとダメですね。
試行錯誤し過ぎるとドツボにはまるのはもうイヤというほど経験してるのでorz、最初に作ってもらった色に決定。案外、「最初のがよかった」っていうことって多いよね……
試行錯誤し過ぎるとドツボにはまるのはもうイヤというほど経験してるのでorz、最初に作ってもらった色に決定。案外、「最初のがよかった」っていうことって多いよね……
写真に撮るとまたなんか違って見えてしまうのだが、実物は、乾くと微妙にパウダリーな感じで、キラキラしない程度に鮮やかで、エルミタージュやマリインスキーのイメージ。近くで見るとちょっと鮮やか過ぎたかなあ、と思わなくもないけど、ちょっと離れて見ると意外とグレイッシュ。紙によって晩夏のエルミタージュのような気がしたり、雪の日のマリインスキーに見えたり。
インク工房で作ったインクには依頼者が名前を付けることができるし、発注番号ももらえるので、伊東屋でリピートすることも可能。命名は『赤い星』のロシア語版の完成と成功を祈念して「ペテルブルク」にする。 名前と発注ナンバーは、自分の発注したインクを自分のものだけにしておきたい人はネット上で紹介する時も秘密にしているけど、私は自分のプロデュースしたものを他の人も欲しいと思ってもらえるのは嬉しいほうなので公開します。名称は「ペテルブルク」、発注ナンバーは110903006、伊東屋のセーラー万年筆のカウンターでこれを告げれば作ってもらえます(伊東屋じゃなくてもインク工房を開催するお店ならどこでもOKという話も聞くので、いずれにしてもお店側に要確認)。お値段は2100円。別に著作権とかがあるわけじゃないですが、もしネットで紹介するならここにリンクしていただけるとありがたいです。いつかは「赤い星」も作ってもらうつもり。
石丸さんのおじさんは特に高い教育を受けたわけではないお魚屋さんだったそうだが、ロシア文学がものすごーーーーく好きで、進学をひかえていた石丸少年に「化学じゃなくて文学の学部に行くんだったら学費は出してやる」と言っていたそうだ。「でも、化学者が趣味で文学をするのは可能だけど、逆は難しいですよね」って言ったら、当時の石丸少年も同じことを考えたそうで、結局化学のほうに進学したのだそうだ。そこでおじさんは「そうか、わかった。それがお前の選んだ道ならば……」と言って学費を出してくれた……かというと、そんなことはなく、やっぱり出してくれなかったそうだ(笑)。でもそのおかげで石丸さんが学費のためにバーでバイトして、その経験がインク工房に生きていることを考えると、おじさん、ナイス判断だったのかも。
筆文字のような線が書けるセーラー独自の万年筆「ふでdeまんねん」の廉価版とコンバーターも買ってしまった。この透明軸の「ふでdeまんねん」は今のインク工房でしか買えないようだ。これに慣れたら、いつか長刀研ぎのいいやつを買うんだ~。
てことで、電池が切れないうちに直帰。
インク工房で作ったインクには依頼者が名前を付けることができるし、発注番号ももらえるので、伊東屋でリピートすることも可能。命名は『赤い星』のロシア語版の完成と成功を祈念して「ペテルブルク」にする。 名前と発注ナンバーは、自分の発注したインクを自分のものだけにしておきたい人はネット上で紹介する時も秘密にしているけど、私は自分のプロデュースしたものを他の人も欲しいと思ってもらえるのは嬉しいほうなので公開します。名称は「ペテルブルク」、発注ナンバーは110903006、伊東屋のセーラー万年筆のカウンターでこれを告げれば作ってもらえます(伊東屋じゃなくてもインク工房を開催するお店ならどこでもOKという話も聞くので、いずれにしてもお店側に要確認)。お値段は2100円。別に著作権とかがあるわけじゃないですが、もしネットで紹介するならここにリンクしていただけるとありがたいです。いつかは「赤い星」も作ってもらうつもり。
石丸さんのおじさんは特に高い教育を受けたわけではないお魚屋さんだったそうだが、ロシア文学がものすごーーーーく好きで、進学をひかえていた石丸少年に「化学じゃなくて文学の学部に行くんだったら学費は出してやる」と言っていたそうだ。「でも、化学者が趣味で文学をするのは可能だけど、逆は難しいですよね」って言ったら、当時の石丸少年も同じことを考えたそうで、結局化学のほうに進学したのだそうだ。そこでおじさんは「そうか、わかった。それがお前の選んだ道ならば……」と言って学費を出してくれた……かというと、そんなことはなく、やっぱり出してくれなかったそうだ(笑)。でもそのおかげで石丸さんが学費のためにバーでバイトして、その経験がインク工房に生きていることを考えると、おじさん、ナイス判断だったのかも。
筆文字のような線が書けるセーラー独自の万年筆「ふでdeまんねん」の廉価版とコンバーターも買ってしまった。この透明軸の「ふでdeまんねん」は今のインク工房でしか買えないようだ。これに慣れたら、いつか長刀研ぎのいいやつを買うんだ~。
てことで、電池が切れないうちに直帰。
セーラーのインク工房とペンクリニックの予定はこちら。今月はインク工房が東京に回ってくる率高いですね。
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コメント
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ぷみお先生。
「ペテルブルク」いい色。
好きなインク色をオーダーできるなんて知りませんでした。
機会があったら是非作ってみたいなあ。
灰色強めのグレーイッシュ・ブルーで名前は「レニングラード」(^^;)
ゲンも使ってるんです筆書き風万年筆
http://item.rakuten.co.jp/hunnyhunt/d669-a/
「知音」というロゴに惹かれて手に入れました。
ヤフオクでの落札時には半額くらいだったような記憶。
ペン先は(押さえが有りますが)「ふでDEまんねん」とほとんど同じ形状。
これでちょっとしたイラスト描いたり、お手紙書いたり。
楽しいですよね。
そもそもは年賀状の一言コメントを万年筆で書きたくて普通ペン先のモノを購入したのですが
ハガキは家族分まとめて「インクジェット用はがき」を買って大失敗。
万年筆で書いた字は滲むは、ハガキ表面を削った「紙粉?」がスリットに入り込み
書き味最悪。
書き終わった後に見た日本郵便のHPに
「万年筆はインクジェットはがきには適さない」との記載が。
買う前に教えてくれよ。。
ヌラヌラ、スラスラの筆記用具で字を書くのが苦手なワタクシ
万年筆やチョークで書く字の方が確実に上手い。上手いってほどじゃない…
書き味にちょっとだけ抵抗感があった方が好きなのです。
投稿: ゲン | 2011年9月 5日 (月) 19時17分
おお、意外なところに同好の士が!
私もシアン系ブルーグレイは考えたのですが、青のインクはいくつか持ってるので、欲しい色がない度の高い緑を作ってもらいました。
DUKEも評判は悪くないようですが、でもやっぱり某国製のお品物はぶっちゃけセーラーのパクリ どっちも試したことのある人によれば、やっぱり違うそうです。まあ私だったらその違いが分かるかどうか怪しいですけど(笑)。
やっぱり万年筆はちょっといいものを買って使い倒して自分の道具として育てるのが楽しいですよね。お互い、愛用のペンを使い倒してあげましょう~。
投稿: ふみお | 2011年9月 7日 (水) 11時56分