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2011年8月31日 (水)

今年も魅せます! プー様の夏

プーチン首相がハーレー隊先導、下院選に向けエンジン全開

[ノボロシースク(ロシア) 29日 ロイター] ロシアのプーチン首相(58)は29日、同国西部の港湾都市ノボロシースクにハーレー・ダビッドソンに乗って登場、12月の下院選に向け選挙運動を開始した。
 同市ではこの日、第二次世界大戦時に占領から解放されたことを祝う行事が行われ、プーチン首相は全身黒ずくめでハーレー・ダビッドソンにまたがり、バイカーたちの先頭を走った。

毎年何かしら見せてくださるプー様ですが、今年は去年に引き続き、ウクライナでハーレー。今年は時間帯もちょっと遅めで、見た目ワル度増。でも安全運転です。

そういや土浦の国道六号沿いにハーレーの代理店があって、休日にツーリング隊が集結してるのを何度も見たけど、さすがにこの超大型三輪ハーレーは茨城じゃ見なかったなあ。まあ茨城でそんなもん走らせてもU字工事にネタにされるだけかも。ウクライナくらい広々としてれば(そして周りが蓮田だったりコシヒカリの田んぼじゃなければ)、こういう大型バイクも映えるでしょう。

とはいえプー様も来年で還暦。無理はしないでほしいことです。

2011年8月29日 (月)

フルジャノフスキーがシュニトケについて語ったこと

フルジャノフスキーの来日と、サントリー・サマーフェス関係。

サントリー・サマーフェスの「映像と音楽」関係のプログラムを全部見てきました。やっぱり、なんちうか、映像も音楽も、作り手が主張したくてたまらない、もしくは自分の創造力を誇示したくてたまらない作品は、みんな小物ですねえ。久里洋二の「やりたいようにやっている力(りょく)」炸裂の「G線上の悲劇」が一番よかった……けど素直に喜べないのは今回上映された中で一番古い作品だっていうこと。望月京が溝口健二の『瀧の白糸』につけた音楽は、まー早い話、ガイジン受けのモダン・ジャポネスク。実際、ヨーロッパではけっこう生演奏付きで上映されているらしい。でもさ~、もし私が作曲家だったら、自分がフランスで成功できるかもしれないというチャンスが回ってきたら、そりゃあ~インテリの客が集まるに決まってる未公開の溝口作品を選んで和楽器入れるけどね~。ていうかみんなそうするに決まっているというか……

一見古臭くて、いかにもな真善美をテーマにしてて、まだシュニトケもシュニトケらしくなっていない音楽がついてるだけの「グラス・ハーモニカ」が何故あんな力を持っているのか、今でもよく分からない。何なんだろう。あの力は。分かりやすい俗権批判と、分かりやすい劇伴音楽の昔の短編アニメに過ぎないのに。「アナログ力(りょく)」のすごさっていうのはあると思う。何万回も「殺す」入力してあるメールをもらうより(あ~コピペご苦労、みたいな)、ものすごい気迫あふれる手書き文字で一度だけ「殺す」と書いてある手紙を受け取るほうが多分、怖い。そしてそれが、相手を脅すために書かれた文字じゃなくて、本当に殺したいという心の底からの憎悪を反映してたら、きっとものすごく怖い。へんな例えだけど、そういうアナログ力かなあ。フルジャノフスキーはもちろんクリエイターとしての才能を発揮する場としてアニメーションを作ってたんだろうけど、何か、自分はどうでもいいからこれだけは世に出したい、という「何か」に献身した結果オーライ力(りょく)なのかもしれない。人力で演奏する生のフルオーケストラのアナログ力もすごい。

フルジャノフスキーは25日に帰国しちゃったけど、今思うと、シュニトケについてもっと聴いておけばよかった。歓迎パーティの時、誰かが、「シュニトケってどんな人でした?」と質問した時、フルジャリフスキーは一言「オン・アンゲリ(彼は天使だ)」と即答した。「まるで天使のような人だった」とか、「天使的な人だった」とかじゃなくて。大好きな友人を思い出す時のにこやかさもなく、大げさに強調することもなく、淡々と、でも真摯に、ただ一言だけそう答えたのよね……

私はシュニトケについては伝記的なことはほとんど知らない。でも、わりと自分に自信があって芸術家らしい傲慢さがどうとかいう話とか、ソ連で迫害されながらもしたたかに立ち回って生き残ってきた、そしで晩年は脳出血に苦しめられてほとんど作曲できなかった、というような、いかにもソ連を生きぬいた芸術家らしい話しか聞いたことがない。なので、ぜんぜんいい人的なイメージはなかったんだけど(まあなにしろ作風がアレですし)。なのでフルジャノフスキーのあの言葉を聴いた時、一瞬、「なんの話?」とさえ思った。その件については誰もあまりつっこんで聞けなかったんだけど、なんか、あまり世間話的に聞くようなことじゃないなという、ただならぬ雰囲気があったせいかと思う。

単に誰にでも親切とか、芸術家としては自信家だけど傲慢な態度は取らなかったとか、温厚で怒らない人だったとか、そういう意味じゃないんじゃないかという気がちょっとする。フルジャノフスキーが言おうとしたのは、シュニトケは日常レベルの「いい人」だったとかそういうことじゃなくて、たとえ日常レベルでは敵を作って、傲慢だとか退廃芸術家だとかずる賢いだとかうまいとこ立ち回りやがってとか言われても、時代や政治体制を超えてこの世に残してゆくべき「何か」のために尽くして、結果として自分が犠牲になって人々のためにその「何か」を守り続けた人だったということなんじゃないだろうか、なんてことを考えたりする。いや、まあ、シュニトケについてもっと伝記的な史実を知ってから推測したほうがいいとは思うんだけど。

いい人扱いされて生きてゆくのが一番幸せだと思う。誰にでも優しくて、誰とも喧嘩しなくて、誰のことも悪く言わないし、いるだけで場が和んで、あの人と一緒にいると癒されるわとか言われて、自分の手は汚さず、泥もかぶらず、そういう意味で「あの人は天使だった」とか言われてキラキラしたまま死んでゆけたら、さぞかし幸せだろう。でも世の中には、あえて泥の中に突っ込んでいって、闘争して、非難を浴びて、自分の手を汚して、血を浴び血を流すことで、人々に美しい「何か」を残してゆく人もいる。もしかしてフルジャノフスキーが言ったことって、そういうことだったんじゃないだろうか。

などと、勝手に話を広げてみる。

いつかフルジャノフスキー本人に聞く機会が……あるかなあ。あったらいいなあ。ま、そういう機会があったとしても、井上が通訳をめんどくさがらないことを祈る(笑)。私にもっとロシア語を勉強しろっていうのはナシでおながいしますorz

あ、全然関係ない話だけど、カラヤン広場の「六本木お好み焼き祭」はハイボールも飲めたし大満足でした。あのへん、コンサートがはけた時間にすでにラストオーダー過ぎてるレストランが多くて驚くよね。

2011年8月24日 (水)

【東欧アンソロジー】アマゾン等にページができました(予約可)

アマゾンやbk1に『時間はだれも待ってくれない』のページができました。

Amazon.jp  bk1  楽天ブックス  東京創元社

って、教えてもらうまで気がつかなかった。すんません。ページがあるところでは予約できます。

なんだけれども、発売日が、東京創元社の近刊一覧では9月29日、それをクリックして行った先のページでは9月30日になってますね。どっちだろう? まあいいや、そのくらいw 

中身が自分の小説だとあんまり宣伝するのもなあ……みたいな感じで(いかにも昭和の日本人らしく)腰が引けてしまうけど、自分の小説じゃないと心置きなく宣伝できて気持ちいいですねw

2011年8月22日 (月)

アンドレイ・フルジャノフスキー監督来日

22日にサントリー財団のサマーフェスティバル2011の一環として、アンドレイ・フルジャノフスキーの幻の名作「グラス・ハーモニカ」が生演奏付きで上映されます。そのため、フルジャノフスキー監督ご夫妻が初来日されました(訂正:1990代に広島アニメーション・フェスティバルのために一度来日されているそうです)。……せ、先週じゃなくてよかった

20110821

今日、8月21日の歓迎パーティでのフルジヤノフスキー監督と奥様のマーシャさん。……ちょっとブレてますね いやあ、写真って難しいですねえ(<言い訳がましい)。マーシャさんはかつてモスフィルムで映像編集の仕事をされていて、その後、フルジャノフスキー監督の作品の編集等をなさっているということで、親友のユーリ・ノルシュテイン監督のおうちと同様、ご夫婦で作品を作っていらっしゃるそうです。

ロシアのアート・アニメーションのファンの方々は私なんかよりよくご存じだと思いますが、フルジャノフスキー監督は、60年代に全ソ映画大学を卒業後にソ連最大のアニメスタジオ「ソユズムリトフィルム」でアニメーション制作に携わり、現在までアート・アニメーションの第一線で制作をされている映像作家。情緒的な作風ながらも、活動初期から権力に対する厳しい批判を含んだ作品を作っていたため、ソ連時代には「なかったこと」にされていた作品が数多くありました。今回上映される「グラス・ハーモニカ」もその一つで、映像自体は残っていたものの、オーケストラ用のスコアが失われていて、今回の上映に際してはサントリー財団がヨーロッパのフィルムアーカイブに残っていたフィルムを綿密に分析して 聞 き 書 き で オ ー ケ ス ト ラ ・ ス コ ア を 再 現 す る という大技を駆使したそうで それでついに、世界初、「グラス・ハーモニカ」に生オケで音楽をつけるという大企画が実現したのだそうです。

音楽はアルフレード・シュニトケ。アートアニメにさほど興味はないという向きも、シュニトケにつられて見に来て損はないです。絶対、「いいものを見た!」と思って帰れます。

フルジャノフスキー作品といえば、去年、日本ユーラシア協会で、ヨシフ・ブロツキーの生涯をモチーフにした「一部屋半 あるいは祖国への感傷旅行」が一度だけ上映されたことがあって、これがまた何とも言えない秀作で、映像美とロシア的メランコリーの背後に、ブロツキーに放浪を強いた社会や権力に対する毅然とした拒否の姿勢を秘めていて、繊細かつ骨太かつ情緒的にして現実の厳しさと妄想美と感傷と実写とアニメが一体化した、アート系の映画が見たい全ての人が満足するスゴイ逸品だったのですよ。あれはああいう特定の人しか来ないサロン的なところで上映するべき作品ではなくて、単館でもいいので劇場で上映すべき作品。その時井上がつけた字幕がすでにあるので、ほんとにもう、マジで何とかして欲しいところです。

監督は歓迎会では、食べるのもそこそこに一人一人の質問に丁寧に答えたり、アニメーションと実写とドキュメンタリーが融合した作品についての展望を語ったり。もう70歳を過ぎていらっしゃるのですが、長旅の後でもお元気そうでした(いやあ、ホント、先週じゃなくてよかった……)。

22日のプログラム等についてはこちら。まだチケットはあるようなので、今からゲットでも遅くないです(でもいちおう、当日券突入より、チケットガイド等で確認してからのほうが無難かと)。

いやあ、フルジャノフスキーやブロツキーやシュニトケがしてきた苦労に比べたら、私のなんか苦労のうちにも入んないわ……がんばります……

関連記事:8月29日「フルジャノフスキーがシュニトケについて語ったこと」

2011年8月21日 (日)

【ロシア・ファンタスチカ・アンソロジー】関連記事について

8月17日のエントリについては、関係者一同の話し合いによって削除することになりました。

私は当該の先方に対し、今までアンソロジーへの参加を呼び掛ける通信を複数の手段によって行ってきましたが、当方の関知しない事情によってそれらの通信が確認できていなかったようです。

私は自分のアンソロジー以外の企画が立ち上げられること、それが実現されることを防げるどころか、それらを待望しております。私の望みはそもそも、ロシアSF・ファンタスチカ作品を日本の読書仲間と一緒に日本語で読みたいということなので、日本語で読めるロシアの作品が増えることは歓迎だからです。

私の企画に新訳作品を増やすことで完成までにはまた何か月か余分に必要になりますが、日本語で読める作品が増えるということで、ご理解いただければ幸いです。

2011年8月19日 (金)

Twitterのアカウントについて

複数の方からご質問があったので、公開でお答えします。

私のTwitterのアカウントですが、そんなもんないです。理由は……めんどうだから……

短い文章をちまちまアップして、人の短い文章をちまちま読むのが苦痛なんだよ~。

大野さんのツイートを何故知っていたのかと言うと、まとめサイト(?)を教えて下さった方がいたからです。

フォローしたいと言って下さった皆様、ありがとうございます。でも面倒なんだよ~ごめんよ~。

ロシアからの援軍到着

やった……

シベリアから寒冷な気団が南下。ついに涼しくなりました。まあ、月末にはまた暑くなるという話もないではないですが……

週末、サントリー・サマーフェスのためにアンドレイ・フルジャノフスキー監督が来日するので、さすがにここ一週間ほどの気温と湿度だとちょっと……ねえ

フルジャノフスキーの件に関しては、歓迎パーティのあとでもうちょっと書きます。ロシアアニメーション・ファンの皆様にはちょっと喜んでいただけるエントリになると思いますので、お楽しみに~

高音質版を見つけたので貼ってみる。

Russian Rock Anthem HQ

2011年8月18日 (木)

戦闘中

みんな、戦ってるかい……?

あとちょっとでシベリア方面から援軍が来る。来ると信じてがんばろう……

でも本当にちょっとでも涼しくなるのかな?

こんなものを貼ってみる。

W - 恋のバカンス (Koi no Vacance)

当時のののたんとあいぼんは可愛かったね。昭和っぽいもっさり感が好きだったよ……

今日がヤマ?

どうやら今日が勝負のヤマらしい。

今日を乗り切れば、明日からちょっとは涼しくなる、と……

正直、半信半疑だが、でも、信じたいんだ……

今日一日、何とか生き延びましょう。

暑くなるとつい聴いてしまうデイヴ・リー・ロスのCrazy from the heatからこれを貼っときます。

David Lee Roth - Just A Gigolo

David Lee Roth-California girls

2011年8月17日 (水)

暑いので

景気づけにこんなものを貼ってみる。

Brave Love -The Alfee

「銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー」の挿入歌。正直エターナル・ファンタジーはどうでもいいんですが、この曲は大好き アルフィーもカッコイイ。でもファッションのテイストが三人バラバラで笑う(笑)。

あと二、三日で気温下がるそうです。がんばりましょう……

2011年8月13日 (土)

ウォッカの3リットル壜@ロシア

お暑うございます……。暑すぎて日記を書く気力もない。東欧アンソロジーは発売日が9月30日に設定されました。……ま、たしかに9月末ですね。まさかこんなに末になるとは……いや、まあ、ちょっとは思ってましたが。でもちゃんと出ればそれでいいです……

あまりにも暑いので、いっそ暑苦しい話題を。

今、『赤い星』を翻訳中のロシア人の翻訳家にメールをした時、ふと思いついて「そういやロシアにウォッカの3リットル壜があるって本当~?」と聞いてみた。

あるそうです。本当に

それどころか、それ以上のもあるそうだ 少なくとも8リットル壜まではあるそうです。

でも、1.5リットル以上のは「実用品」ではなく、ご贈答用だそうな。ウォッカ本体よりガラスのほうが高いので、1.5リットル壜以上は割高になるのだそうだ。

まあそりゃ大きい壜を作るのには技術的にも素材的にも高コストになるだろうし(F1のシャンパン・シャワーの大壜もかなり割高だとは聞くが)、壜が高いってのも分かるが、しかし……ガラスよりウォッカのほうが安いのか……

さすがにそういう大壜は持ち上げられないので、口のところがポンプ式になっているらしい(3リットルのはネットで見た)。きっと結婚祝いに贈られてパーティとかで出されたりするんだろうな。でもきっと3リットル程度だったらそのパーティが終わるまでには飲みつくされているのであろう。

いやそれ以前に、1.5リットル壜のウォッカを「実用品」としてふつうに売ってるところからしてスゴくないか。8リットルまであるかあ……。もはや日本人の想像力の及ばないスケール感ですね。いや、もうスケールがどうのとかいう問題じゃない気もしますが……

2011年8月 2日 (火)

【SF大会 2011】ドンブラコンLについて

すみません。ギリギリまで迷っていたのですが、今年のSF大会は欠席することにしました。正直、9月まで体調がどうなってるのか全然予測がつかないので、企画とか引き受けちゃうとドタキャンになりかねないってのがありまして。誰も私の出欠なんか気にしてないだろうと思って特に公表はしていなかったのですが、最近、あちこちから聞かれるようになったので、いちおう、こういうことになってますということで。

まあ東欧アンソロジーが予定通りにSF大会の前に出てたら絶対に這ってでも行きましたけど。

でもドンブラコンLって、当日参加も可能なんですよね……。行きたいという気持ちはあります。もしそういうことになりましたら、当日、よろしくお願いいたします。

2011年8月 1日 (月)

東欧ファンタスチカ・アンソロジーのタイトルと出版日程、ロシア編の予定について

「どうせ実現しないだろう」と思われてる悪寒はしますが、東欧ファンタスチカ・アンソロジーの正式タイトルと出版日程が決まりましたので、お知らせいたします。そしてロシア編の予定についても少々。

東欧編のタイトルは『時間はだれも待ってくれない ―21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集―』、発売時期は九月後半です。言うまでもないですけど出版は東京創元社。「旧共産圏」としてではなく、近代に成立したゆるやかな「文化圏」としての東欧の、21世紀に書かれたSF、ファンタスチカを収録しました。収録国は十か国。全て英語やロシア語からの重訳はナシで、原語からの直接翻訳を実現。ベラルーシとラトヴィアについては、小説が原語から日本語へ重訳なしで翻訳されたのは史上初です。解説は大御所、沼野光義先生。

サブタイトルの「21世紀」というのは、自分でもちょっと気にしてるポイントです。もちろん21世紀は始まったばかりなので、本当はThe first decade of the 21st centuryとすべきところなのは分かっているのですが、いかんせん日本語にはそれに該当する言葉がないので、これはまあ……しょうがないかな、と。そこんところはまあ「しょうがないかな」という目で見ていただければ。

創元のパターンからすると、発売日は15日とか22日とか30日とかになるかと思われます。東京創元社のページはこちら。8月1日の時点では。まだページの場所が確保してあるだけという感じでなんにもないですが、情報は追々追加されるはずです。でも書影とかは出版ぎりぎりになるまで出ないかなあ。そこんところはわたしにもちょっとわかりません。

ロシア編については年内の刊行を予定しています。……でも正直、ロシア関係って、いつどんな意外なことが起こるか分からないので、今後どんなワケの分からないことが起こらないとも限りません。ロシア関係の仕事って、「どんなに事態がカオスになっても、最後には何故か帳尻が合っている」と言われるので……帳尻が合うことを祈っててください。もうすでにワケの分からない事件は何度もあって、それでも何故かどこかからナゾ助けがやってきたりして、まあ、結果としてはこっちのほうがよかったじゃん、みたいなことは起こってます。結果が良ければそれでいいっちゃいいんですが、やるほうはもうヘトヘトです。井上には翻訳等はしてもらいますが、作品の選定とか現地との交渉とかは全くノータッチなので、ひとりでロシアに行っちゃった時みたいな心細さ。とりあえずこれ以上ワケの分からない冒険になりませんように。

ところで、ウィキペディアの記述によって誤解してる人がたくさんいるようなので、ここでちょっと一言。私は井上と結婚したことでロシアに傾倒しはじめたわけではありません。それはむしろ逆で、井上と私はロシアつながりで知り合って結婚したのです。

私が初めてソ連に行ったのは1985年、まだ十代の頃でした。『ヴァスラフ』や『赤い星』、「アントンと清姫」等は、『ムジカ・マキーナ』とかが影も形もないあの十代の頃から持っていたプロットです。確かに井上と結婚したことで、ロシア関係の活動は自作の小説だけに留まらなくなったというのは事実ですが、ウィキペディアに書いてあるみたいに、井上と結婚してからロシアに傾倒したというのは事実無根です。

ことに若い世代に知っていただきたいのは、今すぐ結果が出ないことでも、10年、20年という単位で積み重ねをしてゆくことで成果が出ることもあるのだ、ということ。かつて深見弾さんのソ連・東欧アンソロジーを遠いところから見ていただけだった田舎の中学生も、深見さんの偉業には及ばないとはいえ、地味な積み重ねでそれなりの貢献ができることもあるのです。こういう泥臭いのは美味しいところが取れる役回りではないけど、それを承知で誰かがやらないと。

ロシア編も終わったら、本当は西欧編とか、別なくくりでのヨーロッパ&ロシアのファンタスチカ・アンソロジーとかも考えてますが、ちょっと数年休ませてください。何しろ自分の作品が全然書けないんで。

今後もどんな想定外の波乱があっても不思議でないロシア編はいまだ不透明なところがありますが、東欧編は逆に、よほどの想定外な事態(最大余震が首都直下型地震だったりとか)が起こらない限り9月に出ますので、どうかよろしくお願いいたします。

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