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2011年5月 8日 (日)

痛茶とシュルレアリスム

今年のゴールデン・ウィークのトレンドは近場だ!ということで、うちも近場で過ごしております。

……嘘です。今年だけじゃなくて、毎年近場です。

しかし、近場も近場、一番遠くまで行ったのが六本木というありさま。いいのだろうか、こんなことで。いや、別にいいんですが……

で、何しに行ったかというと、もはや会期末で待ったなしの状態になった「シュルレアリスム展」を見に国立新美術館に行ったのです。六本木は何故か21世紀になってから私にとっては常に結界が張ってある場所になってしまい、20年以上前から知っているはずのサントリー・ホールにもまっすぐたどり着けなくなって、ごくわずかの距離をタクシーで移動するような真似を何度もやっているナゾの場所。今回は井上が珍しく電車を間違え、もうこうなったら「歩いて東京を把握する」の一環ということにしようというわけで、渋谷から六本木まで歩いたのであった。井上にとってはこの道は中高生の時の通学路なので(普通の生徒は地下鉄で通学する。彼が何故歩いたのかは不明である)、よく知っているという。私は東京はほとんど「路線と駅とその近所」という形で把握していたので、こういう移動は初めてでした。

やっぱり東京はあちこちで小さな工事をやってますね(うちの近所もだけど。というか、うちのマンションも補修工事中ですorz)。渋谷の金王神社に至っては、一の鳥居にひびが入って、二の鳥居は倒壊。石垣に「災害時はここに集合し云々」と書いたプレートが取り付けてあるんだけど、そこを上ると根元しか残ってない鳥居があるという……

渋谷駅から国立新美術館までは道なりで3キロ半ほどだけど、見るべきものが特になくて退屈なので、妙に疲れる感じはする。が、途中で立ち寄ったコンビニでこんなものを発見。

20110504_2

コミケ限定発売だったという「痛茶」。おお……こっ……これは確かに痛いw でもかなり萌えじゃないですか。絵師は西又葵さん。中身はやや大味な麦茶系ブレンド。けっこう値引きしてあったし、要するに在庫処分なんだろうけど、何故こんなそっち系の人が全然来なさそうな六本木の片隅で売っているのかはナゾ。痛茶を飲んでつまらない高架下通りの疲れを癒し、我々はまた国立品美術館に向かって歩くのであった……

しかし、シュルレアリスム運動っていうのは、あれですね、運動のコンセプト自体に一番意義があったのであって、必ずしもその運動の中から生み出された作品がどれもこれも魅力的というわけではない。今回の展示は特に、うちではあんまり評判のよくないアンドレ・マッソンの作品をやたらとたくさん持ってきているので、なおさら「シュルレアリスムってこんなもんか~?」感が強い。マグリットやマン・レイ、ダリはシュルレアリスムという運動がなかったとしても充分評価されただろうし、デュシャンは作品自体より、その「やったもん勝ち」の一発芸が勝負なわけだし(もちろん、デュシャンは「やった」ので「勝った」わけですが)。

シュルレアリストを名乗っていたわけではない、運動の周縁の画家の作品もあるんだけど……ごめん、正直、そっちのほうがよっぽど魅力的だったりする。ミロがどんだけ天才かよーく分かった……。美術に限らず、文学や映画もそうだけど、シュルレアリストを名乗らなかった人たち、むしろシュルレアリスムを嫌っていた人たちの作品でも、実際にやってることはシュルレアリスムと何が違うんだ、という作品は多い(コクトーもそうですが)。しかし、もしあのセンセーショナルで世界の目を引いたシュルレアリスムという運動がなかったら、彼らが評価される時代はもっと遅かっただろうし、彼らの創作意欲と評価される時代がずれることによって閉塞を生じていたかもしれない。それを考えると、すっごく魅力的という作品は多くはないとしても、やはり「シュルレアリスム運動」というもの自体に大変大きな意義があったのだと分かる。

……んだけれども、やっぱりカッコよさで言ったら未来派とかドイツ表現主義のほうが上だし、何と言ってもロシア・アヴァンギャルドのカッコ良さがダントツだよね。しかし、ロシア・アヴァンギャルドって、なんであんなに強烈にカッコいいんだろう。

帰りはフツウに電車で帰る。うちに帰ってから調べたら、痛茶って緑茶もあったのだそうだ。

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コメント

こないだ防災用の懐中電灯を調べていたら、痛懐中電灯と言うのがありました。日本はいま痛い時代に突入しているのかも知れない。

痛懐中電灯wwwwwwwwwwwww

日本だけにとどめておくのは惜しいので、是非、痛ソユーズとかやって欲しいです。

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