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2011年4月25日 (月)

伊藤計劃『ハーモニー』、ディック賞特別賞受賞

もうすでにニュースが出回ってますが、日本SF作家クラブからも公式に回状が回ってきました。故・伊藤計劃さんの『ハーモニー』が2010年度のフィリップ・K・ディック賞の特別賞を受賞したとのことです。

The Official Philip K. Dick Awards Home Page

アメリカに日本の作品を売り込んでいる出版社の話によると、日本側から「これを紹介したい」と思う作品はあっても、アメリカ側から「もっと分かりやすい、気楽に楽しめるライトノベル的なものを」と求められたり、すでにアメリカのオタクたちに馴染みのあるジャパニメーション風のものを求められたりで、なかなか「日本のいい作品を紹介する」が実現しないのだとか。そんな中、内容に重みのある、チャラっと表面だけ楽しむ性質のものではない日本のファンタスチカがアメリカで評価されたのは、単に一作品の受賞という域を超えた意義があるのではないかと思います。他にも日本の作品は英語で出版されてるんだから、アメリカの読者も腰を据えて読んでほしいことです。ほかならぬディックを輩出し、評価した国なのですから。

今、震災の件もあって、アメリカはかなり日本人の内面的なことにも関心を持っているというようなことも聞きます。日本の文学にとっても、より理解してもらえるチャンスかもしれません。だからといって、私は芸術至上主義っぽく「震災があってかえって良かった」とか思えない小市民ですが。でも、転んでもただでは起きない、とは思っています。今だからこそ、小説のみならず、映画とか、美術とか、あらゆる形式の芸術を以て、世界に日本を理解してもらいたい。はからずも、伊藤さんはその先鞭をつけられたのかもしれません。

伊藤さんご本人には一度もお目にかかったことがなく、入院中で欠席のまま日本SF作家クラブに入会の報告がなされた総会が一番の「接近」だったという縁遠さ。見知らぬ他人である私がお祝いを言ってももうこの世ではご本人には届きませんが、地上の片隅からお祝いさせていただきます。

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