【震災関係】セルビアから、ゾラン・ジヴコヴィチ氏のメッセージ
『新東欧SF傑作集(仮)』のセルビア代表の収録作家で、以前こちらのブログでも紹介した『ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語』の著者、ゾラン・ジヴコヴィチさん(表記の違いについてはリンク先を参照)から、日本の読者さんたちに震災お見舞いのメッセージをいただきました。イラストレーターのYOUCHANさんが「ぜひ、日本の読者に何かお言葉を」とお願いしたところ、さっそく心のこもったメッセージをいただいたとのことで、二人で相談の上、こちらに転載させていただくことにしました。YOUCHANさんから貝澤治子さんの翻訳つきで送っていただいたので、自分の文体に持って行きがちな作家の訳文じゃなくて、そちらをそのまま転載いたします。
My dear readers and friends from faraway Japan,
I would like you to know that all of you, the wonderful people of
Japan, are constantly in our minds and hearts in Serbia, in these
times of a terrible catastrophe. I wish I could personally do
something - anything - that would be of any practical help to you...
If I ever write a new book, it will be dedicated to all of you, the
Japanese people, who so magnificently showed the rest of the human
race how a great nation survives a disaster of huge proportions.
I love you all.
Zoran Zivkovic
遠い日本の親愛なる読者と友人の皆様
この大変な大災害のとき、わたしたちの想いと心は日本の素晴らしい方々とともにあることをセルビアからお伝えします。
私個人でも、なにかお役に立てるようなことならどんなことでもしてさしあげたい、と心から願っております。
次の新しい本が書き上がった際には、日本の皆さんに捧げられる事になるでしょう。
重要な国がこれほどの規模の災害を乗り越えることができるかを、これほどまでにも堂々と世界中に示す事ができる人たちですから。
みなさまに愛を込めて
ゾラン・ジフコビッチ ( 貝澤治子 訳 )
ジヴコヴィチさん、YOUCHANさん、貝澤さん、ありがとうございます。ジヴコヴィチさんのような尊敬すべき方から日本を誉めていただけるというのは大変名誉なことですが、それがこういう機会だというのが申し訳ないですよね……。でも、こういう時、「言葉」ってほんとに力があるなあと思うことです。
今まで、交流のあるロシア、ヨーロッパの作家、エージェント、出版社の方々から私個人に対してだけじゃなくて日本全体を心配し励ますメールをいただいてますが、それを公開したり日本の読者にメッセージをと呼びかけることは考えていませんでした。英語不可の方とか、短いメッセージを何度も送って下さる方とか、アンソロジー収録予定国の中には作家がすでに亡くなってるところなんかもあって、不用意に文章だけ公開すると、まるで国によって温度差があるみたいな印象になりそうだったので、それはよくないと思った次第です。テレビでも番組によっては、芸能人たちがいかにステキなメッセージを送るか合戦になっちゃってるところもあるし、ああいうのはいかんな~と思うことです。
今回は上記のような経緯でジヴコヴィチさんのメッセージだけを公開しましたが、公開したことが例外であって、メッセージをいただいたことが例外ではないということは念を押しておきます。
やっぱり、チェルノブイリを経験している旧ソ連の人たちは気になっているようで、何度もメールをくれますね。原爆を経験した我々日本人がチェルノブイリを心配した時と気持ちは似ているのかもしれません。とにかく、一刻も早く「大丈夫だったよ~!」という返信ができる日が来ることを祈るばかりです……
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