ウィーン・フィルの公開リハーサル
友達の尻馬に乗ってVPOの公開リハーサルを見てきました。実はVPOの生リハは今まで見たことなくて、昨日の夕方までワクワクウキウキだったのですが……一転、こういうことに。
来日中のウィーン・フィル団員、富士山で滑落死
3日午後1時頃、富士山8合目の山小屋「上江戸屋」付近で、オーストリア国籍でウィーン・フィルハーモニー管弦楽団員ゲオルク・シュトラッカさん(41)が登山中に約300メートル滑落した。
静岡県警山岳救助隊員が救助したが、約5時間半後に死亡が確認された。
御殿場署の発表によると、シュトラッカさんは3日朝、滞在先の東京都内のホテルを出発し、楽団の同僚男性1人と一緒に冬山装備で富士山に登ったという。同署で滑落の原因を調べている。
同楽団は今月1日からサントリーホール(東京都港区)で公演を行っており、シュトラッカさんはコントラバスを担当していた。3日は公演などがなく、団員は自由行動をしていた。
富士山の登山道は冬季期間のため閉鎖されている。
(2010年11月3日21時12分 読売新聞)
サントリー・ホールの前のオーストリアと日本の国旗は半旗になってるし、開演は遅れるし、VPOにコネのある人も多いので、新聞には載ってない生々しい情報も入って来るし。今日はこの事故の後初めてのゲネプロなのでどうなることかと心配したけど、そこはさすが世界一と言われるオケ、何事もなかったかのようにリハーサル。
客層は若者(音大生&音高生)と中高年(VPO友の会会員と何らかのコネのある人)に極端に二極化。二階の半分くらいに人を入れて、当然っちゃ当然かもしれないけど客の存在は完全無視で開始。団員はみんな私服。コントラバスもちゃんと6人いたので、非番の奏者が補完している模様。
指揮者は小沢の代打のサロネンの代打のジョルジュ・プレートル。御年86歳!! だけど最初から最後まで立ちっぱなしで、ドイツ語で指示したりうなったりしながら指揮!! ウォーミングアップもなしにいきなり「英雄」から始まって(演目を知らないで行っちゃったので、一人脳内イントロ当てクイズにw)、第一楽章の冒頭と終楽章のコーダを特に念入りにやり直す。あとはブラームスのハンガリー舞曲一番をざっと見て、いかにもアンコール用なトリッチ・トラッチ・ポルカを一回通して(これはVPOにとっては「目ェつぶってても歩ける」曲だしね)プレートルの出番は終わり。最後に弦だけ残って「G線上のアリア」を二小節だけ(!)やって、ああもういいや~って感じで流れ解散。
あの二小節だけのバッハの指揮者はラトヴィア人の若手指揮者、アンドリス・ネルソンス。いやしかし、ちょっとアインザッツ入れて流しただけで、「指揮した」というほどのことではなかったんだけど、あれ何だったんだろう? 弦セクションのアインザッツを見ただけだったのかなあ。
なんちうか、アレですね、「美人は寝起きでも美しい。ジャージ着ても美しい」って感じですか。全然本気出してない演奏でも、「ここまでできるオケはめったにないよね~」っていうレベル。ああいう最高レベルのオケを批判するのがカッコイイという風潮はいつの時代でもあるけど、やっぱり素直に聴いた方が楽しいと思うけどなあ。
さすがにVPO友の会のパーティは中止。「英雄」はよりによって第二楽章は低弦セクションが活躍する葬送行進曲なのよね……。本番の出来は如何に?
合掌。
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コメント
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いいなーいいなー。プレートルとVPOのリハかあ。純粋に羨ましい。
きっと本番では葬送行進曲の直前にマエストロから何かのアナウンスがあるんでしょうね。
投稿: 喜多哲士 | 2010年11月 5日 (金) 22時30分
本番では開演時に黙祷とかしたかもなあ、とか、いろいろ考えることです。しかしプレートル元気だったなあ。私の何倍元気なことか。多分、プレートルが100歳くらいになったら今の私の体力と釣り合うかもしれませんw
明日、ウェルザー・メストがサロネンの代打に立つんですが、今年は年末のお付き合い系がキビシくてフトコロ具合がついてゆかない……orz
投稿: ふみお | 2010年11月 8日 (月) 22時17分