坂本龍馬とロシア正教
龍馬が死んでしもうたがじゃ! 分かっちょったことじゃが、ショックぜよ。儂はのう、ここ一年ほどの間に、龍馬が暗殺されるのを二回も見てしもうたがじゃ(去年は歌舞伎を見に行ったから)。ものすごく龍馬ファンというわけやないけど、やっぱり泣けてしまうぜよ。今日はどっちかっちゅうたら、暗殺のシーンよりも、オープニングの長次郎の饅頭で乾杯のほうが泣けたがじゃ……
というわけで、「龍馬伝」が終わってしまいました。かつてこれほどまでに熱心に大河ドラマを見たことがあるたろうか(いや、無い)。役者の演技という点では、暗殺シーンでは福山雅治の龍馬より、上川隆也の中岡慎太郎のほうがよかった。だんだん力が入らなくなって声がかすれてくるあたり、命が尽きようとしている感があってね(実際には中岡は龍馬より一日ほど長く生きたらしい)。正直、上川隆也って今まで特に興味はなかったんだけど、すいません、って思ったことです。この演技と一緒に映らなきゃならなかった福山龍馬には厳しい結果になってしまったか。でも、今回の龍馬役は、ここに至るまでの全体に価値があるので、これで大きく傷がついたとは思いませんが。
オープニングの桂浜の夢で、元気な姿の佐藤健の以蔵が見られて、ちょっと救われた気がします。いや~、前半は以蔵が光ったねえ。彼も拷問が進むにつれてどんどん声が出なくなってゆく感じを出してて、でも眼だけは人切りをしていた時同様に不自然に力があって、この人はほんとにカワイコちゃんイケメンアイドルみたいな顔していながら、中身はすごい「役者」だとつづく思ったことです。総集編も見ないとね。
ところで、「龍馬伝」を見てて一番驚いた史実は、山本琢磨でしょうか。「龍馬伝」では、拾い物の金時計を売ってしまい、龍馬に助けられて江戸を脱出した、というところまでしか登場しないけど、本編の後の「龍馬伝紀行」で、その後の山本琢磨のことを紹介してて、彼がその後函館に渡り、ロシア正教に改宗して、日本人初の神品(正教司教)になって、神田のニコライ堂の建設にも関わったと知ってビックリ。う……でも、ちよっと中村喜和さんの本で読んだことがあるような気がうっすらとする……でもうちは井上も私も完全に忘れきっていたので、テレビの前で「う~そ~?! まじで~?!」と叫んでしまいましたよ。これ、史実だから仕方ない(?)けど、フィクションでこんなことやったら、話作りすぎと言われて馬鹿にされるよ……。もし山本琢磨が土佐勤王党に切腹させられていたら、江戸で捕縛されていたら(この場合、管轄は火付盗賊改メ方なんでしょうか?それとも町奉行?)……いずれ日本人の正教司祭は現れていただろうし、正教の伝道自体が止まるほどの歴史的影響はなかったかもしれないけど、ニコライ堂の建設自体は少し遅れることになったかも、とちょっと思う。ニコライ堂の建設が遅れに遅れているところに日露戦争が始まり……なんていうことになっていたら、果たしてニコライ堂は今の姿で建っていたかどうか……とかいろいろ妄想してみたりする。
今年は龍馬病にかかって何か普段はやらないような大きい計画に手を付けてしまった日本人は多かろうと思いますが、実は私もその一人です(笑)。ロシアと東欧のアンソロジー、来年の早いうちに出ます。もう60人くらいの人たちと連絡取ってるかな。半分はガイコクの人だなあ。こう言うとまるで国際的に活躍しているかのようですが、実は作業の大半は集合住宅の六畳間でパソコンに向かっているだけな罠。インターネット万歳(笑)!
完成までに龍馬病が治ってしまわないよう、これを貼っておきます。
龍馬伝 - 佐藤直紀 [音声非圧縮の超高音質版]
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