オーケストラ・ダヴァーイ第四回演奏会
いろいろ滞っております。先週末7月24日の日記です。
去年、「アマオケと言いつつ、もしかして正体は全員プロか?!」と絶賛したオーケストラ・ダヴァーイの第四回演奏会に行ってまいりました。今回の演目はグラズノフの五番と、プロコフィエフ『シンデレラ』の抜粋、アンコールはハチャトゥリアンの「レズギンカ」。結論から言うと、相変わらず上手いですが、去年ほどではなかったです。全体に大味になってまった。
というか、まず選曲で損してると思う。グラズノフの五番はオケの特色が出にくい曲。ヘタなオケにとってはサウンドの豪華さでごまかしが効くのでお得な演目かもしれないけど、「サウンドが豪華」という以上のものがある曲ではないので、表現力のあるオケにとってはその能力を生かしきれない。そして……プロコフィエフは……難しゅうございますね……
プロコフィエフに関しては常々、「固定メンバーで何度本番をやったか」によって左右されるところが大きい演目なんじゃないかと思っている。プロオケでも、「管はほぼ全員自前の団員だろうけど、弦は手馴れたトラを入れてるなあ」っていうのが分かっちゃったり、特に『ロミオとジュリエット』や『シンデレラ』では、名門のコンサート・オーケストラよりもバレエの伴奏オケのほうがずっと上手い、なんていうこともままある。そういう意味では、アマオケにとっては非常に不利な演目と言えるんじゃないだろうか。
シリアスとコミカルとロマンチックの間をまるで同じ平面上を移動するかのようにやすやすと行き来するのもプロコフィエフの特徴だけど、これは意図的に雰囲気を切り替えようとするとかえって大味になってしまう気がする。プロの女子アナちゃんなんか連れてきてナレーションさせたのもよくなかった。なんか興ざめ。確かに初心者フレンドリーということを考えたらストーリーのナレーションを入れたくなるのも分かるけど、こういうマニアックなアマオケを聴きに来る層がどういうものかを考えると、ナレーションはいらないんじゃないかなあ。普通、『アレクサンドル・ネフスキー』とか『キージェ中尉』とかでも、ナレーションなんて入れないでしょ?
グラズノフ&ショスタコーヴィチとか、プロコフィエフ&ラフマニノフとか、なんかやりようはあったはず。月に何度もコンサートのあるプロオケと違って、年に一度か二度しか演奏機会のないアマオケは、演奏で冒険するのはいいけどプログラムで冒険するのはオススメしない。
好きなオケだけに残念でした。
オマケ。すみだトリフォニー・ホールから見たスカイツリー。
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コメント
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今思いついたけど、プロコフィエフに合わせるんだったら、無難美の極致みたいな女子アナじゃなくて、中高年男性の舞台系性格俳優みたいな人に任せたほうがカッコよかったんじゃないだろうか。私だったらそうするなあ。
投稿: ふみお | 2010年7月28日 (水) 13時49分