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2010年7月31日 (土)

リアル「ニュースおじさん」

大場惑の「ニュースおじさん」は、短篇の究極形の一つではないかと思っている。

しかし、あれを意図的にやるのはさすがに無理だろうと思ってたけど、実際に限りなくそれに近いことをしていた人がイギリスにいた。

中継に現れる“謎の男”の正体判明、英国で100回以上も映り話題に。

ニュースを見ていたら、リポーターの後ろにまた“あの男”の姿が――。昨年10月頃から、ロンドン市内で行われるニュース中継に素知らぬ顔で映り込み、リポーターの後ろからカメラを見つめていた謎の男がいる。今年5月、男性に気が付いたコメディアンがテレビで紹介したことをきっかけにネットでも話題を呼んでいたのだが、その正体がついに突き止められた。

画面に映り込む形での“出演”は「メディアに対する声明」(ロンドン・イブニングスタンダード紙より)と語ったヤーロウさん。今回正体が分かり、ファンから「あなたはレジェンドだ」(英紙メトロより)というメールが届くなど、出演を楽しんだ人から温かい声をもらっているという。しかし、「正体は明かされたくなかった」とも話し、ラッセル・ハワード氏がテレビで紹介したときは「本当に怒った」とも。

身元も明かされてしまったため、今後の中継出演は「続けないだろう」としており、彼の姿をテレビで見る機会はもうなくなってしまったようだ。

しかし、現実はやっぱり切ないなあ……

2010年7月27日 (火)

オーケストラ・ダヴァーイ第四回演奏会

いろいろ滞っております。先週末7月24日の日記です。

去年、「アマオケと言いつつ、もしかして正体は全員プロか?!」と絶賛したオーケストラ・ダヴァーイの第四回演奏会に行ってまいりました。今回の演目はグラズノフの五番と、プロコフィエフ『シンデレラ』の抜粋、アンコールはハチャトゥリアンの「レズギンカ」。結論から言うと、相変わらず上手いですが、去年ほどではなかったです。全体に大味になってまった。

というか、まず選曲で損してると思う。グラズノフの五番はオケの特色が出にくい曲。ヘタなオケにとってはサウンドの豪華さでごまかしが効くのでお得な演目かもしれないけど、「サウンドが豪華」という以上のものがある曲ではないので、表現力のあるオケにとってはその能力を生かしきれない。そして……プロコフィエフは……難しゅうございますね……

プロコフィエフに関しては常々、「固定メンバーで何度本番をやったか」によって左右されるところが大きい演目なんじゃないかと思っている。プロオケでも、「管はほぼ全員自前の団員だろうけど、弦は手馴れたトラを入れてるなあ」っていうのが分かっちゃったり、特に『ロミオとジュリエット』や『シンデレラ』では、名門のコンサート・オーケストラよりもバレエの伴奏オケのほうがずっと上手い、なんていうこともままある。そういう意味では、アマオケにとっては非常に不利な演目と言えるんじゃないだろうか。

シリアスとコミカルとロマンチックの間をまるで同じ平面上を移動するかのようにやすやすと行き来するのもプロコフィエフの特徴だけど、これは意図的に雰囲気を切り替えようとするとかえって大味になってしまう気がする。プロの女子アナちゃんなんか連れてきてナレーションさせたのもよくなかった。なんか興ざめ。確かに初心者フレンドリーということを考えたらストーリーのナレーションを入れたくなるのも分かるけど、こういうマニアックなアマオケを聴きに来る層がどういうものかを考えると、ナレーションはいらないんじゃないかなあ。普通、『アレクサンドル・ネフスキー』とか『キージェ中尉』とかでも、ナレーションなんて入れないでしょ?

グラズノフ&ショスタコーヴィチとか、プロコフィエフ&ラフマニノフとか、なんかやりようはあったはず。月に何度もコンサートのあるプロオケと違って、年に一度か二度しか演奏機会のないアマオケは、演奏で冒険するのはいいけどプログラムで冒険するのはオススメしない。

好きなオケだけに残念でした。

オマケ。すみだトリフォニー・ホールから見たスカイツリー。

20100724

2010年7月24日 (土)

『量子回廊』と『東京SF化計画』

SWまつりの間は毎日更新しようと思ってましたけど、やっぱりばてました。免疫力が落ちますね。ここ何てタトウィーンですかというくらい暑い。

こうやって続けてみると、エピ4はやっぱりちょっと異質ですね。展開がゆったりしててビックリ。温泉旅館かと思うくらいのんびりしてるw エピ5、エピ6は「フツウの映画」だけど……。まあエピ4は70年代半ばに製作されたものだし、当時は「人気シリーズ」という看板も背負っていなかったし、手探り状態だっただろうし、80年代以降とは勝手が違ったんだろうと思いたいところですが、97年に手を入れた時、ルーカスはダルい部分をカットするどころか、いろいろ足してるのよね……。特にデス・スター上の空中戦なんか、すごく足してる。SFマガジンの塩澤前編集長は、劇場に見に行った時、ここで寝たと言ってたなあ。私はトイレに行って戻ってきてもまだデス・スターだったw この内容だったら1時間ちょっとで終わるよ! ていうかルーカス、どうせあとからいろいろ足したり差し替えたりするんだったら、エピ6のラストシーンにクワイ・ガン・ジンも入れてよ!

SWまつり終了後、東京創元社から年刊日本SF傑作選『量子回廊』と、ハヤカワ書房からSFマガジン9月号『東京SF化計画』(TOKON10との連携企画)が届きました。『量子回廊』には私の「ひな菊」が採録されております。SFMのほうには、新作の「アントンと清姫」。もう、タイトルからして何がネタかお分かりかと思いますが、その通りです。加藤俊章さんに大変美しい清姫さまを描いていただきました。加藤さんは私にとって、歌舞伎「仲間」というより先生に当たる方で、福助の「二人道成寺」もごいっしょさせていただいたことがあります。今回も、清姫の衣装の柄のことでご助言をいただきました。ああやっぱり加藤さんにお願いしてよかった……。解説のところで言及していただいた『新ロシアSF傑作集(仮)』と『新東欧SF傑作集(仮)』についてはまた後ほど。どちらも収録作の原稿はほぼ集まっていて、何とか年内に刊行できそうです。

今日は雨降ってくれないかな……。出かける予定はあるけど、それでもいいので雨降らせてください。このままではマジでタトウィーンですがな。太陽1コしかないのに……

2010年7月20日 (火)

【SWまつり】ライトモチーフと共にあらんことを!

エピ3終了。いや~、ルーカスはチャンバラが好きだねw 好き過ぎてエピ3では4回もやっている。どう考えてもやり過ぎ。もっとも、エピ1、エピ2でやりたいことを何でもやっちゃうと今後の観客動員数に影響するかもしれないけど、エピ3はみんな「見に来ざるを得ない」からやりたいようにやっちゃえ、と思ったのかもw ストーリー的にはオテロ+オイディプス(古典はただただ高尚なばかりのお芸術作品だけじゃなく、こういうエンターテイメントにも転用できるところがすごい)。オヤジ萌えの私としては、ジョン・ウィリアムスの音楽を聴きながらイアン・マクダーミッドを鑑賞する映画とも言えますがw

1978年、田舎のガキだった私を魅了したジョン・ウィリアムスの音楽ですが、高尚なおクラシックも聴くようになり、かつ30年以上経った今でもなお聴いている罠。ルーカスは当初、『2001年宇宙の旅』みたいに、既存のクラシックを使うつもりだったらしい。いずれにしても、コルンゴルトが映画のスコアを書いていた頃のような大時代がかった冒険活劇の雰囲気を出すために、フル・オーケストラの音楽を使いたかったとかで。そこで起用されたのが、当時『ジョーズ』や『タワーリング・インフェルノ』等で注目が集まっていたジョン・ウィリアムス(スピルバーグが紹介したという話もあり)。昔読んだウィリアムスのインタビューでは「フル・オーケストラの曲は書いたことがなくて本当は自信がなかったけど、チャンスだったのでいかにも自信があるかのような態度で引き受けた」というようなことを言っていた記憶がある。

これは典拠が明示できなくて、記憶と推測に頼った発言になるけど、確かウィリアムスの発案でライトモチーフ法を採用したんじゃなかったかなあ。ライトモチーフ法というのはワグナーが楽劇の中で確立した方法で、それぞれのキャラクターや特定の状況に対応する旋律を与え、音楽の中でそのキャラや事物に関連のあるシーンでその「ライトモチーフ」を使用するという方法。SWではテーマ曲の冒頭のあの部分はルークのライトモチーフ。レイア姫はまるごと一曲コンサートピースになる曲をもらっている。オビ・ワンのライトモチーフはその後、新三部作でも、フォースそのもののライトモチーフとして使用されている。

なんだけれども、実はハン・ソロ専用のライトモチーフというのが無いのだ。エピ4ではダース・ヴェイダーのライトモチーフというものも登場しない。もしルーカスがこのライトモチーフ法をもっとちゃんと理解していたら、今後のシリーズ化のために、ハン・ソロにもダース・ヴェイダーにもライトモチーフを作ってくれと注文を出していただろうなあと思うとちょっと残念な気がしないでもない。

もっとも、ダース・ヴェイダーは「帝国の逆襲」で、かの有名なあの曲をもらうので、エピ4の頃よりもさらに修行を積んだウィリアムスが作曲したという意味ではこれで良かったかもしれない。でも、ハン・ソロはなんかその後も何となくライトモチーフなしのままになっちゃうのよね……。ジャワズやジャバ・ザ・ハットにもライトモチーフがあることを考えると、あまりと言えばあんまりな……。新シリーズではアナキン・スカイウォーカーのライトモチーフも登場するけど、この旋律は最後にダース・ヴェイダーのライトモチーフに転化する仕掛けになっている。ここんところはさすがにウィリウムスらしく巧い。

70年代、ルーカス本人も含めてまだ誰もがこの壮大な計画に対応できる状態でないまま始まったシリーズだったんだなあ、と、今さらながら思うことです。でもやっぱり、完全に準備が整ってからと思いながら準備し続けるものは永遠に始まることが出来ない。「完全に準備が整った!」と言える状況で『カラマーゾフの兄弟』を書き始めたドストエフスキーがどこの世界にいるっちゃうねん。どこかで「いける!」と見切って発進しちゃわないといけないわけで。この「発進してしまえる」かどうかっていうのはホントに大事だな、としみじみ思いますね。

当時不満だったところはあとから直しちゃえばいいんだしw というわけで、今日はルーカスが70年代にはできなかったこと、20世紀中にはできなかったことを追加しまくったエピ4の登場。

今日はこんなのを貼ってみる。アイスランド・フィルのコンサートをヴェイダー卿が支配下に……

別アングルからの動画はコチラ。どうも指揮者だけ知らされてなかった様子w 

2010年7月19日 (月)

【SWまつり】SWから人生が始まったかもしれないワタシ

いや~、エピ2はエピ1の三倍くらいいろんなことが起こりますね。いやエピ1がのんびりし過ぎてるだけという気がしなくもないですがw あまり注目されないけど、私はエピ2から登場するラーズ家の人たちが好きです。あの愛情深さと献身がすごい。クリーグ・ラーズは奴隷だったシミ・スカイウォーカーを奴隷のままただ買い取ることもできたのに、自由民の正式な妻として家に迎え入れ、命をかけて彼女を救出しに行き、先妻の息子と思しきオーウェン・ラーズとその妻となったベルーは、全てを知った上でルークを引き取り、あくまでも「何も知らない田舎のおっちゃん、おばちゃん」に徹して育て上げる。キャラが立ってるわけでもないし、カッコよく活躍するわけでもないけど、ラーズ家の人たちはもっと評価されてもいいと私は思ってますです。

ところで、タトウィーンかよというくらい文化的田舎だった茨城の片隅で、全然文化的じゃない暮らしをしていた小学生だった私が突然クラシックを聴き始めたきっかけが、実はSWのサントラでした。あれでオーケストラル・サウンドというものに目覚めてしまったというか。そしてその頃、多分、温存しといたお年玉で買ったんじゃないかなあ、当時のSFとかサスペンスものの映画のテーマ曲がいろいろ入ったカセットテープ(!)を買って、その中でSWのほかに時に気に入った曲が三曲ありました。『2001年宇宙の旅』と『未来惑星ザルドス』、『時計仕掛けのオレンジ』。どんな映画か知らないまま、曲だけ気に入ってました。……もう分かる人には分かりましたね。そう、それぞれR・ジュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』、ベートーヴェンの7番第2楽章、9番第4楽章ですよ。もっとも聴き始めの頃はライナーにちっちゃい字で書かれたアルファベットのクレジットなど読めない田舎の子供だったのでそんなことなど気づかず、英語の授業が始まった中学生になってから知ったわけですが。

そんなこんなで、初めて自分で選んで買ったクラシックのカセットテープはカラヤンの第九だったわけです。中学一年の夏休み、つまりちょうど今ごろ、SWのサントラと第九を聴きまくっていたような気がする……

と、そういうことにお小遣いをつかってしまったので、オシャレもへったくれもない少女でしたが。

そしてクラシックを聴き始めてどうなったかというと、今日に至るわけですw

さ、エピ3が始まるので、今日はこんなところで。

2010年7月18日 (日)

【SWまつり】SWまつり開始!

A long time ago, in a galaxy far, far away...

NHK BS hiのSWまつりが昨日から始まりましたね。うちはDVD全部持ってるけど見てますw 

一日目の昨日はエピと「スター・ウォーズ 世界の兵士たち大行進!」。後者は、SW30執念にあたる2007年、カリフォルニアの「ローズ・パレード」に国際的帝国軍コスプレ団体「501部隊」が集結するドキュメンタリー。これがなかなかすごかった。集まってくる人たちのテンションもただごとじゃないし、自作コスプレのレベルがハンパではない。501部隊は各国でイベント参加や病院の慰問などのボランティアをやっているのでテレビでも時々取り上げられるけど、もっと活動が見たかったので、これ放送してくれて嬉しい。軍隊経験者からインテリやオタクまで様々なメンバーが三日間訓練して行進するんだけど、その熱意と楽しみ方とテンションがスゴイわけですよ。当日、終わってから倒れる人、両足が血まみれな人、まだまだ元気でハイテンションな人……。全員、さすがに昨日今日のファンじゃない。

今日はこれからエピ2です。もちろんみんな見るよね。でも最初から飛ばすと力尽きるので、今日はこれを貼っときます。

やる気のないダースベイターのテーマ

栗コーダーカルテットのかの有名なヴァージョン。明日はもっと気力に満ちたやつを貼りますよ。

2010年7月16日 (金)

【SF大会2010】チェコのレトロSF映画を上映します!

さすがにブログには書きませんでしたが、ここ二週間ほど、ああ、いよいよ入院かな……と思いつつ過ごしておりました。免疫力が落ちまくって、かなり真面目に大変でした。原稿書き終わる→入院って、けっこうお決まりコースなんで……。でも、昨日今日の様子からして底は打ったと見た。少なくとも入院とかそういうことにはならないはず。原稿はSFマガジン9月号(7月25日発売)「東京SF化計画」掲載の短篇です。もうデビューして10年以上経つんだから、いいかげん慣れてくださいよ先生w

で、そのヘタレと手続き関係でちょっと足踏みになっていた件がクリアになったので、SF大会の企画の予告を。

TOKON10でチェコのレトロSF映画を上映します。時間は7日の17:00~18:30。

1966年、時代的にはまさに冷戦期真っ只中のチェコスロヴァキアで製作されたコメディSF映画『ジェシーを狙うのは誰だ?』(81分、ヴァーツラフ・ヴォルリーチェク監督作品、モノクロ、日本語字幕つき)。

大学で夢を「健全にする」研究をしているベラーネク夫妻。寝ている牛の夢をモニタする(!)と、牛はハエにたかられる不愉快な夢を見ている。そこで最近開発した特殊な薬剤を注射すると、牛の夢からハエが追い出され、牛はおいしいものを食べながら生弦楽四重奏(さすが「弦の国」と言われるチェコだw)を聴く楽しい夢を見る。実験に立ち会った講堂いっぱいの学生や同僚たちからは盛大な拍手が送られるが、中にはさっきまではいなかったハエが講堂にいることに気づく者も……

その日、スタッフの女の子たちが研究室に持ち込んだマンガを持ち帰ったベラーネク教授は、寝しなにベッドでそれを読む(そのマンガというのが、実在するチェコの漫画家の作品なんだけど、絵柄がもろにアメコミなのよ。冷戦時代、すでにこういう文化があったわけですね)。そのマンガというのが、主人公の超せくすぃ~美女ジェシーを、何故か「(なんちゃって)ガンマン」と「スーパーマン(もどき)」が狙って追いかけ回すという、突っ込むかスルーするか迷うシロモノ。だが、普段、キツい夫人の言いなりになっている教授は夢中で読みふける。教授はそれを読みながら眠ってしまう。

夢の中で教授は、ジェシーはガンマンとスーパーマンに捕えられ、柱に縛られてムチとロウソクで責められるという、これまた突っ込むかスルーするか迷う展開に遭遇する。教授がジェシーを助け、寝言を言ってもぞもぞしていると、共同研究者であるベラーネク夫人が好奇心にかられて夫の夢をモニタする。すると、ベラーネク教授が金髪美女とよろしくやっている夢が……。夫人は、これはけしからん、ということで、例の夢健全化薬品を夫に注射する。

次の朝、夫妻のアパートには金髪美女ジェシーとなんちゃってガンマン、スーパーマンもどきがいて……

夢コントロール薬とか、反重力怪力装置、恋人探知機等々、レトロでキッチュなSFガジェットと金髪美女、ビミョ~なお笑いセンス、密かに反ソ連的なメッセージ等々、どこを取っても魅力的。そして町並みや構図がヨーロッパ映画らしいオシャレさ。60年代のパトカーのデザインもかっこいい。

今回の上映に関しては、チェコ大使館付属のチェコセンターの全面的な協力によって実現しました。もうね、これ見たら、私がどうしてそこまでして上映したかったか絶対分かります。もうとにかく何もかも魅力的。最初に見た時、ああ今年のSF大会はチェコと心中しようと思ったもん(笑)。チェコスロヴァキア分裂直前で人口1500万人、チェコ現在で1000万人ちょっとという人口規模の中から、ヤナーチェクやシュヴァンクマイエル、チャペック、フォアマン、フラバルのようなクリエイターをコンスタントに輩出し続けているその文化的底力、「ロボット」という概念を作り出したSFセンス、キュビズムを建築に取り入れるという他国にはなかった視覚芸術センスがよ~く分かります。

実を言うと字幕付け作業はこれからやります……SF大会までに間に合うことを祈っててくださいw

今回は特別に許可をいただいての上映なので、これを見逃すともうチャンスないかもしれないです。期待を裏切らない一品です。というわけで、SF大会参加者の皆様、是非ヨロシク!

2010年7月13日 (火)

【タコのパウル君】イタリア出身説浮上?!

イタリア人の友人からタレコミが!!

パウル君、7月11日付けで「イタリア出身説」が浮上しているそうですよ。Wikipediaの該当箇所はココ。

Polpo Paul
http://it.wikipedia.org/wiki/Polpo_Paul

Tuttavia, stando alle dichiarazioni di Verena Bartsch, sua istruttrice, Paul sarebbe stato pescato da ella stessa nelle acque dell'Isola d'Elba.[2].

英語版
ESPN reports that Paul the Octopus was caught off the island of Elba this past April, according to Verena Bartsch, the person who caught him, a claim that has been widely reported in the Italian Press.[2]

まだフランス語版とか日本語版、ロシア語版とかには反映されていない様子。イングランド出身説とイタリア出身説、どっちが本当なんだパウル君?! まあ、どっちでもいいっちゃいいんですがwww

でもユーロ2008の予言もやっているわけだから、4月に捕獲されたってのは計算が合わないんじゃ……?

2010年7月12日 (月)

【ワールドカップ2010】優勝はタコでした

タコ予想8戦8勝、最期?の予想はスペインV

予言は最後まで的中した。

 ドイツ戦の試合結果をすべて当ててきた独西部オーバーハウゼン水族館のタコ「パウル君」は、スペインが勝った決勝の予想もズバリ的中させて、足の数と同じ8戦8勝の成績でW杯南アフリカ大会を締めくくった。

 ドイツ戦以外を予想するのは初めてで、2008年の欧州選手権では決勝の予言を外したこともあった。しかし、そんな不安も吹き飛ばした。タコの寿命は3歳前後のため、2歳のパウル君にとっては最後の予想となった。

(2010年7月12日09時59分  読売新聞)

おめでとうスペイン。そしてパウル君w 

パウル君、Wikipediaにもすでに30以上の言語でページができているw ドイツはさすがに記述がこまかいし、出典の記載が綿密で、いかにも「国民性」って感じ。パウル君ってイングランド出身だったのね。数々の政治的圧力(?)にも民族主義(?)にも屈せず(?)事実を予言(?)し続けたパウル君。飼育環境での寿命も限界に近づいているそうで、あと数ヶ月の命らしい。

何だかんだ言っていろんな意味で面白かったし、治安が悪いといわれていた現地でも大きな事件が起こらなかったし、暗雲たれこめまくっていた日本も決勝トーナメントに出られたし、よかったよかった。

私はSFマガジンの原稿の仕上げとパラグアイ戦が重なった時点で(いや実はロシア関係とか東欧関係でも困ったことが起こったのが同時だったので)、完全に消耗しつくしてしまいました。

日韓共同開催の時はドイツから日本語の「オリヴァー・カーンの歌」が出てきたり、ドイツ大会の時は「W杯を見るため自転車でカザフスタンからドイツに行ったおじさんたち」が出てきたり、で、南アフリカ大会はタコですか。ブラジル大会では何が出てくるか楽しみだわ~w

とか書いているうちに、郵便受けに宅配パエリヤの広告が入ってきました。主役はもちろんシーフード・パエリヤwwwwwww 早い! 早いよ!wwwwwwwwww

2010年7月 8日 (木)

宇宙飛行士オモン・ラー

ヴィクトル・ペレーヴィンの『オモン・ラー』の翻訳がついに出ましたね。

ヴィクトル・ペレーヴィン『宇宙飛行士オモン・ラー』

うすよごれた地上の現実がいやになったら宇宙に飛び出そう!
子供の頃から月にあこがれて宇宙飛行士になった
ソ連の若者オモンに下された命令は、
帰ることのできない月への特攻飛行!
アメリカのアポロが着陸したのが月の表なら、
ソ連のオモンは月の裏側をめざす! 
宇宙開発の競争なんてどうせ人間の妄想の産物にすぎないのさ!? 
だからロケットで月に行った英雄はいまも必死に自転車をこぎつづけてる!
ロシアのベストセラー作家ペレーヴィンが描く地上のスペース・ファンタジー。

(群像社サイトより)

……。ぶっちゃけ、このキャッチコピーはいかがなものかと思う。いや、別に「作品を理解してない」とか、「作品に対して失礼であろう」とか、そういう意味ではない。このキャッチコピーに惹かれて読み始めて途中で挫折する人は少なくないだろうし、本来の読者はこのキャッチコピーを見てこれがああいう小説だとは気がつかないのではないだろうか、という意味。

ストーリーは、子供の頃から宇宙飛行士になることを夢見てきたソ連の少年オモンが、念願かなって高校卒業後にザライスクの航空学校に入学する。まだ新米のうちに、彼と友人のミチョークはある特殊任務のための宇宙飛行士に選抜される。その特殊任務というのは、「ある意味人力」の月面探査だった……というようなもの。

ヒドイw 実にヒドイ話だwww ネットでは北野勇作と引き比べた評論が書かれているようだけど、一つだけ知っておいてほしいのは、これはロシアでは定番のひどい話だということ。どのように定番なのかを言っちゃうとそれ自体がネタバレになってしまうので言えないけど、もうね、ソ連以前の数百年前からの定番です。ちょっとロシアが分かってる人なら誰もが、この「ある意味人力」の宇宙開発、の段階でオチが読める。実は同タイプの短篇が日本でもすでにあるところに翻訳されている。

しかし、そういう早い段階で読めてしまうオチに意義を与え、これだけのストーリーを作ってしまうところがペレーヴィンの力量というところか。おそらく、ソ連に生まれて連邦が解体しちゃうという人生はこういうものなのだろなあ、と思う。あのラストシーンとか、ホントにそう。ソ連解体……こんな感じだったんだろうなあ……

ロシアネタが全く分からないと楽しめないという縛りはある。そういう意味では、韓国の事情がまったく分からなくても韓流ドラマには入っていける、というようなわけにはいかない。しかし単なる知識としてしかロシアネタを知らなかった人が読むと、そのネタに血肉を与えるようになると思う。訳文もブレがなくて、読みやすさに走りすぎず、かといって何か変にお文学調に走ったりもせず、実はけっこう手練の翻訳者なのだろうと思わせる。こういう人には是非、今後も継続して活動して欲しい。

(以下、愚痴につき失礼)公表できるようなことじゃないけど、今、私の周辺でロシアのカオスがますますカオス化していて、正直、まじツライです…… ほんとにカンベンしてほしい。FBIに同情するし、外務省ロシア課にはカオス手当てを出してもいいんじゃないかと思うね……。ほんと、カンベンしてほしいわ……

2010年7月 5日 (月)

プーチン首相の感想>レトロスパイ事件

ロシアはもちろん「米露関係がうまくいきそうなタイミングでこういう逮捕事件を起こすのは米国政府の陰謀」とか、「一般市民を拘束した。冤罪だ」という、とても予想通りな紋切り型的反応ですが、そんな中光ったプー様発言。逮捕したFBIに対して




      「そういう仕事なのだから仕方ない」



と。

クールだw クール過ぎるwww プー様は「そういう仕事」してたから理解あるなあwwwwww

2010年7月 3日 (土)

おろしや国レトロスパイ事件考

先週のアメリカでのロシアスパイ大量逮捕事件、けっこう続報が出ましたね。すっごい美人スパイがいたり、「消えるインク」とか「短波ラジオ」とかのレトロな技術を使ってたり、報酬は現金、地面に埋めて二年後に別な人が掘り出す……とか、なんかもう、21世紀のフィクションじゃできないことばかり…… 現実ってスゴイなあ。陳腐さを恐れないからね。

美人スパイは他の国からも「スパイになりませんか?」とスカウトされたことがあるとか。スカウトってほんとにしてるんだ……。というか、スパイにスカウトする基準っていったい何?! まあ、すでにアメリカの高官に接近していたから「この女は使える」と判断されたというところか。

しかし、FBIは、彼らがどういう情報をキャッチしたとか、活動の実態とかを(こうやって発表した限りでも)相当綿密に把握してるし、それ考えると、実はそうやって泳がせといてもいいやと思われる程度の成果しか上がってなかったんじゃないかとも思う。たいした情報も漏れない、漏れた情報もFBIが把握している、逮捕しなければロシア側は「まだバレてない」と思い込んで活動を続ける、そうすればアメリカ側はその動きでかえってロシアの内情を把握できる……。だいたい、いかに美人スパイを高官に接近させたからと言って、キャッチできる情報なんかたかが知れてるんじゃないかとフィクション作りの人としては思う。そりゃ政府や官庁内の人事とかスケジュールくらいは把握できそうだけど、いかに美人に鼻の下伸ばした偉い人とて、女から国家機密に触れることに探りを入れられたらさすがに警戒するでしょうに……

冷戦時代と違って、今はイデオロギーで動く軍人や高官はいないと言われる。つまり、冷戦時代だったら実は思想的には共産主義者という人が西側を裏切るということはあったけど、今はそういう思想的な動機はなくなっちゃってる、と。あとはカネとお色気しかエサはない。でも、ハニー・トラップというのは昔から(古代エジプト時代から)ある手法だけど、あれって本当に効果あるのかねえ。リスクを取らないでいい思いをしたいと思う男は多いだろうけど、何らかの危険を冒してまでオネエチャンに入れあげてしまう男なんて、そんなにいるのか……?

フィクション作りとしてはどうしてもこのあたりがひっかかるので、小説にハニー・トラップというものを取り入れるのを躊躇してしまう(なので、短篇の「空忘の鉢」で一度やっただけ)。お色気でスパイ活動って……なんか、安っぽい小説みたいじゃん。小説を書くのに小説っぽいのを気にするのはヘンと思われるかもしれないけど、実はこれは重大な問題だったりする。

フィクションって、現実に起こらないようなことが何でもできると思われてるフシがあるけど、実は意外な縛りに満ち満ちている。作品の中では猟奇的な事件はいくらでも起こるのに、差別用語を口にする登場人物が全然いないのもフィクションならではの縛り。

いずれにしても、フィクションの場合でも現実の場合でも、一般人に身をやつしたスパイを何十人も何年にも渡ってアメリカに住ませるより、アメリカの政府組織でそれなりに出世できる人間を一人か二人潜入させておくほうがよほど現実的でしょうね。今回の一般市民型スパイの作戦って、実はムダにロシア国民の血税を浪費していたような気がしてならない。

SVRもお役所っちゃお役所なので、いったん予算がついちゃったらやめられなかっただけだったりして……

このテの報道に反応しやすいのは『エロイカより愛をこめて』のファンだからしょうがないんですが、もうそろそろ別な理由があることに感づいた人もいることでしょう。……ええ、その通りです。ペンディングになってる原稿があります。『赤い星』より前に書き始めて止まっちゃってる長編が……orz

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