佐藤以蔵を支持する
司馬遼イメージそのまま!? 『龍馬伝』"人斬り以蔵"佐藤健に意外な高評価
NHK大河ドラマ『龍馬伝』で、"人斬り以蔵(岡田以蔵)"役を演じる佐藤健に、注目が集まっている。
番組開始前には「イメージが違う」「弱そう」「華奢すぎる」「ガムの(CMの)にいちゃんか」といった否定的な見方が実に多かったのだが、いざ番組が始まってみると、その評価は前評判を180度覆すものとなってきている。
教養がなく身分も低く、仲間から見下され、のけ者にされた可哀想な「捨て犬」のような目。腹黒い武市半平太を崇拝・盲信してしまい、最初の一人目を殺してしまったときの「狂犬」化した表情の変化・演技力が、絶賛されているのだ。
『仮面ライダー電王』を見ていた人たちはみんな知っているのだ。佐藤健に演技力があるということを。モモタロス、ウラタロス、キンタロスが憑いた時の演じ分けが上手いということは見ればすぐに分かる。しかし、あれはやっぱり、当然だけどちょっと戯画的なわざとらしさを含んでいるのよね。でも、私が「ああ、この人はタレントでもアイドルでもなく本当に『役者』だ」と思ったのは、リュウタロスが憑いた時。そしてシリーズの最後に良太郎が、いかにも「強い子になりました!」な感じじゃなくて、まだまだ弱っちくて危なっかしいけど、間違いなく「芯ができた」感じになった時。
京都で以蔵が龍馬に再会した時、半平太に褒められた時、表情は心底無邪気に嬉しそうなんだけど、目だけが冷えている。あのリュウタロスが憑いた瞬間に顔つきが変わる演技とか、こういうところに生きてるんだなあ、と、すごく感心した。実は『龍馬がゆく』って読んだことないんだけど(恥)、本文中に本当にこういう描写があったのね。
私は電王を見ていたクチなので、佐藤健が以蔵役にキャスティングされたと聞いた時も驚きはしなかった。きっと、リュウタロスが憑いた時の良太郎みたいな、ちょっとサイコな役作り、シリアルキラー的なキャラクターを期待しているのだろう、と思っていたのよね。そしたらこれですよ。予想をはるかに上回る役作り。
一方で無感動な人斬りマシーンと化しながら、もう一方で傷ついた女の子のように過敏になってゆく以蔵。今回の『龍馬伝』は脚本も上手いし、それに演技が合っているのもすごい。
「史実に従うとすると、以蔵の今後は、拷問・晒し首という悲惨な未来が待ち受けている」。そういやそうでした……。でも正直、佐藤健がどう演じるかしみだ。
« 【SF大会 2010】ロシア関係企画について | トップページ | 【未来の話】以蔵の拷問シーン…… »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント