ワトソン×ホームズ
どう考えてもこう↑(笑)。
ガイ・リッチーの「シャーロック・ホームズ」見てきました。もうさ、グラナダTV版ホームズがある今日、今さら役者の「それっぽさ」やヴィクトリア朝時代の考証に念を入れた等のまともなホームズものなんか撮ってもしょうがないわけで。だったらこのくらいやってくれなくちゃ意味がないのだ。
ダークでバイオレンスでスチームパンクでした。そして、具体的に何が描かれるわけではなくても、明らかに漂うBL臭w ホームズはワトスンの婚約者メアリーにかなり嫉妬してるようで、一緒にいる二人を目前にすると推理の目も曇り、結論をメアリーを中傷する方向に導こうとし勝ち。一方ワトスンは、ホームズとメアリーが明らかに互いをよく思わないと分かっていて引き合わせて争わせたりして、けっこうS(笑)。いやこのワトスン、かなりドSでしょう。なんだけれども、ワトスンは二度、命がけでホームズを守ったりもする。このシーン、ガイ・リッチーは日本の腐女子をターゲットにしたとしか思えないんですけどwww ドイル家の傍系の子孫が「ホームズをゲイ的に描くのなら続編は作らせない!」とかなりお怒りだそうですが、この映画にBLを感じるということは、その方、801感度が相当高い気がしますが……
攻めキャラワトスンのジュード・ロウは、実は、19歳の時、かのグラナダTV版にチョイ役で出演している。「ショスコム荘」の馬の調教師の息子役。これがさー、垢抜けないガキなのよねぇ。今のほうがはるかに男前である。イケメンも若けりゃいいってもんじゃないってことですね。ジュード・ロウの出世っぷりについては、今、宝島MOOKで刊行されているグラナダTV版のDVDムックでは当然言及されているが、ガイ・リッチー版映画のパンフでは一言も触れられていない。もっとも、リッチー版映画パンフは、今までのシャーロック・ホームズものの映画、ドラマに興味の無い人たちに負担にならないようにというつもりで作っている(善意に解釈すれば)んだろうけど、どうしても、美味しいところをことごとく逃した残念なパンフに思えてならない。「スチームパンク」なんてという言葉は一度も出てこないし。
しかし映画自体は、シャーロッキアン的小ネタに満ち溢れていて、いろんな意味、ホームズファンには楽しめる一品。しかし、逆に言えばホームズをほとんど知らない者にとってはただの時代物バイオレンス映画かなあ……。分水嶺は「アイリーン・アドラーって誰?」と思うかどうかかも。
ワトスンの婚約者がメアリー・モースタンであることを考えると、二作目は『四人の署名』をアレンジしたエキゾチックもの(インディ・ジョーンズ化してもおかしくはない)かも、などと想像。モリアーティはまだ黒幕に徹し、アイリーンはからまない。ワトスンは結婚して高級住宅地で開業しているけど巻き込まれる。三作目でワトスンがベイカー街に戻ってきて、それにアイリーンを加えた面子でモリアーティと対決、ストーリー的には、正典に何度も出てくる「政府の機密文書探し」のパターンを拡大したもの、と勝手に想像(笑)。
ベイカー街のホームズ博物館に行くと、ワトスン博士がいて来館者を案内してくれる。来館者たちは「○○事件の記念品はどこにあるの?」等とワトスン博士に訊ねるんだけど、これが、ドイルが書いた物語じゃなくて、その中でホームズやワトスンがちらっと言及しただけの「語られざる事件」だったりもする(私が行った時は、カリフォルニアからものすごいマニアらしき人が来てました)。ワトスン博士はそういう質問にも平然と答えている。こういうシャーロッキアンたちの目にさらされながら、堂々とこんな映画を作ったガイ・リッチーは漢だぜ、と思いますね。
時代が一巡すれば、また正統派でリアリムズ追求のホームズものが必要になるだろうけど、今現在はそんなことどうでも宜しい。二作目、三作目でも、堂々とBLの香りを漂わせてほしいもんですw
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