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2010年1月11日 (月)

振袖がソ連に化けた話

この話はあっちこっちで吹聴しているし、『赤い星』のあとがきでも書いているので、すでに何度も聞かされててウザイと思う方もいらっしゃるかと思いますが……

実は私、成人式に振袖を着ていないのである。大学の入学式の時に来たワンピースで済ませちゃった。何故ならば……

大学に入った年の春のこと。高校卒業直後、大学入学式の前というハンパな時期だったと思う。私の声楽の師匠が突然「オレはソ連に行きたい! ソ連に行くぞ! 誰か行きたい人いない?!」と言い出した。……ええ、私の師匠、ちょっと変わった人なんで(<控えめな表現)。当時すでに露ヲタだった私は当然真っ先に手を上げた。

1985年当時、ゴルビーが書記長(死語)になったばかりで、バリバリ冷戦中、ソ連に行きたいと思う人自体が少なく、実際に行く人はもっと少なかった時代。当然だが、行くとすればKGBの監視の下、団体で行くしかない。このチャンスを逃したら次なんてあるかどうかさえ分からない。

バイト禁止の田舎高校を出たばかりの私に、当然、お金なんかあるわけがない。

だけど私は知っていたのだ。
























































親が私の振袖のために貯金しているということを。



















































行きましたよ、ソ連。1985~86年の年末年始。グルジアも行きましたよ。もちろん親とはむっちゃくっちゃモメまくりましたけどね。でも結局行かせてくれたので、頭が上がりませんです、はい。

だもんで、私は振袖を着たことがないのであった。

とても振袖なんか着られない年齢になると、やっぱりちょっと惜しかったなと思わんでもない。だが私は自分の選択は後悔していない。……していない。していないけど、けど、けど……あの時振袖を選んでいれば、今のロシア関係のイライラとかウンザリとかは経験せずに済んでいたかも知れないwww

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コメント

なんだかすごく泣けました。
イイハナシダナー(;∀;)

ありがとうございます! あの頃の振袖を選んでいたら別な意味後悔したかもしれません。何しろバブル時代の振袖って、ショールがファーじゃなくて羽根だったり(!)、目が痛くなるような色彩に金糸銀糸とかでしたから……

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