ロシアの鉄道テロの小説を書いてる最中に……
モスクワ(CNN) ロシアのセルゲイ・ショイグ緊急事態相は28日、首都モスクワからサンクトペテルブルクに向かっていた旅客列車が27日夜、脱線事故を起こし、少なくとも25人が死亡したと述べた。
警察は、線路の下に爆発でできたような穴が開いているのを見つけ、脱線との関係を調べている。ロシア検察庁は、テロとの関連性の捜査を開始していた。一方、鉄道当局は線路保守などに異常がなかったかも点検している。
ネフスキー・エクスプレスは2007年8月にも線路上の爆発で脱線する事故が起き、60人が負傷している。この時は当局がテロと断定した。
第一報を聞いたときは一瞬、〈サプサン〉がやっちまったのかと思ったけど別な列車。しかし、実を言うと私はモスクワ~ペテルブルク間は飛行機か古っちい〈赤い矢〉号しか知らないので、〈ネフスキー・エクスプレス〉とか〈サプサン〉とかの実物を知らないのであった。今、モスクワ~ペテルブルク間って、何本線路があって何が走ってるんだ。少なくとも、帝国時代やソ連時代よりややこしくなってるのは間違いないと思うけど。
ロシアはあの通り、国土の面積がハンパないので、19世紀から鉄道の開発には力を入れてきた。シベリア鉄道をヨソの国のお金で作っちゃって面倒なことになったのは周知の通り。でも、そこまでしてでも鉄道網を充実させないと国の運営自体危うくなりかねなかったというのも分かる。
だもんで、皇帝もかなり鉄道で移動した。しかも、西欧と違って「なんにもない」ところをお召し列車が走る時間が長かった。
ってことは、テロの標的になり易いわけですね。何しろテロリストは、誰も見てない、なーんにもないところでテロの準備ができたわけで。
てことで、1970年代以降、歴代皇帝に対するテロは鉄道で何度も何度も試みられて、一種の伝統になったとも言える。ソ連時代も表沙汰にならなかっただけで、誰かやってたとしても不思議ではないけど……
今、アレクサンドル三世時代の鉄道テロ計画の話を書いてるところで、ちょうど主人公の一人がテロに加わって計画を練るところにさしかかったので、こういうニュースはなんか直に嫌な感じだ。かといって、テロでないことを祈っていいのかどうかも迷う。鉄道の管理が悪くてここまで大きい事故が起こったのだとすれば、それはそれで問題だし。
小説を書いてる途中にそれに関連した何かが起こるという体験は、ジャンル問わず、プロアマ問わず、小説を書いてる全ての人に起こっていると思う。小説って結局、「何か」に「書かされている」のかもと時々思う。……それが売れるかどうかはまた別な問題だけど
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