R.I.P.水野忠夫
ロシア文学者の水野忠夫さんが去る20日、亡くなられたそうです。享年72歳。
去年の三月に早稲田大学を定年退職されたばかりで、大学の職務から解放されたからには、また何か翻訳を……と期待していたところだったのですが。残念です。
翻訳者としての水野さんの業績といえば、やはり何と言ってもブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』の翻訳が白眉でしょう。私もSFマガジン2008年10月号のMy Favorite SFで水野さん訳の『巨匠とマルガリータ』(河出書房新社・世界文学全集)をとりあげましたが……。あの訳文は、読みやすさは必ずしも「高尚さ」を損なうものではないという訳文の好例だったと思います。
専門も井上と近いだけではなく、(世代は全然違うけど)中学・高校は井上の先輩なんですよね。今年は妙に訃報が多いなあ。なんか、頼りになる先人がいなくなってしまうと、心細いですね。その分、我々がしっかりしなきゃいけないんだけど。
葬儀は明日。10時から東京都杉並区梅里1の2の27の堀ノ内斎場で。ご冥福をお祈りいたします。
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