何度も「もうすぐ出る」と言われ続けた出版芸術社の「日本SF全集」全六巻ですが、第一巻が出ます。というか、もう「出ました」と言ってしまっていいようです。関係者の手元には届き始めております。アマゾンにもBK1にもページができました。
あとは三ヶ月ごとに順次刊行。てことは、私の「空忘の鉢」が入る第五巻は来年6月予定変わらずです。
全巻の収録作は以下の通り。
第1巻
1957-1971 日本SFの誕生!!
2009年6月下旬
星新一 「処刑」
小松左京 「時の顔」
光瀬龍 「決闘」
眉村卓 「通りすぎた奴」
筒井康隆 「カメロイド文部省」
平井和正 「虎は目覚める」
豊田有恒 「両面宿儺」
福島正実 「過去をして過去を──」
矢野徹 「さまよえる騎士団の伝説」
今日泊亜蘭 「カシオペヤの女」
石原藤夫 「イリュージョン惑星」
半村良 「赤い酒場を訪れたまえ」
山野浩一 「X電車で行こう」
石川喬司 「五月の幽霊」
都筑道夫 「わからないaとわからないb」
【巻末対談】星敬・山岸真・北原尚彦・日下三蔵
第2巻
1972-1977 SFブーム到来!!
2009年9月刊行予定
田中光二 「メトセラの谷間」
山田正紀 「かまどの火」
横田順彌 「真夜中の訪問者」
川又千秋 「指の冬」
かんべむさし 「言語破壊官」
堀晃 「アンドロメダ占星術」
荒巻義雄 「柔らかい時計」
山尾悠子 「遠近法」
鈴木いづみ 「アイは死を越えない」
石川英輔 「ポンコツ宇宙船始末記」
高斎正 「ニュルブルクリングに陽は落ちて」
河野典生 「機関車、草原に」
野田昌宏 「レモン月夜の宇宙船」
鏡明 「楽園の蛇」
梶尾真治 「美亜へ贈る真珠」
第3巻
1978-1984 SFの浸透と拡散
2009年12月刊行予定
新井素子 「あたしの中の……」
夢枕獏 「蒼い旅籠で」
神林長平 「言葉使い師」
谷甲州 「火星鉄道一九」
高千穂遙 「そして誰もしなくなった」
栗本薫 「時の封土」
田中芳樹 「流星航路」
式貴士 「われても末に」
森下一仁 「若草の星」
岬兄悟 「夜明けのない朝」
水見稜 「オーガニック・スープ」
火浦功 「ウラシマ」
野阿梓 「花狩人」
菊地秀行 「ノクターン・ルーム」
大原まり子 「銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ」
第4巻
1985-1989 新世代作家の台頭
2010年3月刊行予定
草上仁 「サルガッソーの虫」
中井紀夫 「山の上の交響楽」
東野司 「任務」
大場惑 「ブレイキング・ゲーム」
清水義範 「もれパス係長」
笠井潔 「ニルヴァーナの惑星」
椎名誠 「水域」
久美沙織 「OUT OF DATA」
菅浩江 「そばかすのフィギュア」
牧野修 「インキュバス言語」
宮部みゆき 「燔祭」
第5巻
1990-1997 SFとホラーとファンタジー
2010年6月刊行予定
酒見賢一 「追跡した猫と家族の写真」
恩田陸 「大きな引き出し」
佐藤哲也 「ぬかるんでから」
北野勇作 「シズカの海」
瀬名秀明 「メンツェルのチェスプレイヤー」
小林泰三 「時計の中のレンズ」
森岡浩之 「スパイス」
高野史緒 「空忘の鉢」
田中啓文 「銀河を駆ける呪詛」
秋山完 「天象儀の星」
第6巻
1998-2006 SFの未来へ!!
2010年9月刊行予定
飛浩隆 「夢みる檻」
山本弘 「メデューサの呪文」
藤崎慎吾 「コスモノーティス」
古川日出男 「物語卵」
森奈津子 「西城秀樹のおかげです」
古橋秀之 「終点:大宇宙!」
上遠野浩平 「ロンドン・コーリング」
秋山瑞人 「おれはミサイル」
平谷美樹 「量子感染」
野尻抱介 「沈黙のフライバイ」
林譲治 「エウロパの龍」
小川一水 「老ヴォールの惑星」
これだけ世代も初出もバラバラな80篇超の作品を取りまとめるのはどんだけ大変か…… 選出の基準は、「もし本当に何十巻もある『日本SF全集』を作るとしたら、一人で一巻を占めるに値するかどうか」だそうです。全人生の著作から収録作を選ばれている創生期の巨人たち、すでに我々の眼にモノを見せてくれている先輩たちに比べると、五巻、六巻の世代に関しては賛否あるでしょうけれど……。後々、「高野史緒? そんな人いたっけ?」と言われないよう、努力いたしますです
来週から店頭に並ぶそうです。ってことは、もしかしたら都心の大手書店とかにはもうそろそろあるかも。
最近のコメント