2009年6月 8日 (月)

夜のポエティズム

「ロシア革命アニメーション」の初日は満員御礼だったそうですよ。この調子でみんなどんどん見に来てほしいところです。いや……まあ、正直、オススメするかどうか迷う作品もありますが(笑)。

で、6日の「夜のポエティズム」ですが。数日前のエントリで赤塚若樹さんを「怪しい準教授」と書いたのがお気に召さなかったようなので、謹んで変更させていただきます。首都大学東京のものすごく怪しい準教授、赤塚若樹さんと井上徹で、打ち合わせほとんどナシでやったトークイベント。何をやったかというと、最近のロシアのアートアニメの紹介をして、それについてヲタクな人たちが喋るというものです。今回はどうも、「まとも」というのとはちょっと……いやその、多少、というか、だいぶ、というか……違う作品の話ばっかりでした(笑)。まあ、ステージに上がってる二人の面子から考えて、当然と言えましょう(笑)。

映像作品の紹介というのは実物見ないとなかなか理解しづらく、話すほうも話しづらいものですが、恐ろしいことに今はYouTubeなんていうものがあって、本当はいかんのでしょうけれども丸ごとupされてたりするので、それはそれで便利でございますね。6日に言及された作品もけっこう上がってますね。

イワン・マクシモフ「のろいビストロ」

http://www.youtube.com/watch?v=Lqoo77D1hO4

イワン・マクシモフ「田舎の学校」

http://www.youtube.com/watch?v=PigSpfsQk94

マクシモフが描くべろーんとしたキャラがわりと好き。

イーゴリ・コヴァリョフ「奥様はニワトリ」

http://www.youtube.com/watch?v=UhQHH4Oaxd4

http://www.youtube.com/watch?v=_LNe4WV75zE&NR=1

実は6日に言及された作品で私が一番好きなのがこれ……sweat02 ひたすら妄想。妄想すぎる。

リナート・ガジゾフ「真夜中の遊び」

http://www.youtube.com/watch?v=TB0MSEJD0TQ

ひたすらキモイsweat02

当日のシメだった「ラテックス」も見つけてしまいました。

こういうモノです。

はっきり言って……一発芸です。「そこで終わるか!」っていう(笑)。

アンドレイ・ソコロフ「ラテックス」

ああ……

おバカ(笑)。

でもこれ、本来のヴァージョンはエンドロールの時に「ある種の音声」が入ってるんですよね……。うちにあるDVDには入ってますが。ようつべにあがってるのはある意味「マシ」ヴァージョンとでも言いましょうか……。正直、そこのところはつまんなくなってますね。ま、その想像は当たりですので、各自勝手に脳内で補填してください(笑)。

まあそのようなイベントでございます。秋はもしかしたらまたこの面子で話がなくもない……らしい。乞うご期待。

追記:「ラテックス」のアレでナニなヴァージョン、ありました。これがあるのとないのとでは印象がずいぶん違いますね……

http://www.youtube.com/watch?v=nFkHSgoRNtY

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2008年6月25日 (水)

ストラーニク・レポート紙版

強発売のSFマガジン2008年8月号に、ストラーニクのレポートを書きましたです。

大野が暴れたとか考えられないほど酒を飲んだとかの「大野伝説」については、本人的にはいろいろと言い訳があるようです。が、否定はしていないようです。というか、全然伝説じゃないじゃん。単なる事実じゃん(笑)。

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2008年6月18日 (水)

衝撃! チェブラーシカの原型!

そうそう、今度、スタジオジブリが権利を買って「チェブラーシカ」を上映するんですよね。今ちょうど試写の時期ですけど。それで思い出したことが。

ペテルブルクのローカル・テレビに、エドゥアルド・ウスペンスキーが出てて、チェブについていろいろ話していたんだけど、そうこうするうち、ウスペンスキーが戸棚を開けて、何やらブキミな物体を取り出し……

それが……

チェブを真っ赤にして手足をびろーんと長く伸ばしたような、全長1.2メートルはあろうかという、頭がでかい超かわいくない何となく禍々しい薄汚れた巨大ぬいぐるみであった。そう、ウスペンスキーはあちこちのインタビューやエッセイで、チェブラーシカというキャラクター着想の原型として、子供の頃に持っていたぬいぐるみについてよく言及してるけど、どうやらそれそのものであるらしい。「子供の頃、すぐにばたんと倒れてしまう耳の大きなぬいぐるみが家にあって、あんまりかわいくなくて、ちょっと怖かった」というようなことを言ってるけど……

いやしかし、それがねー、「かわいくない」なんてものではないのだ。顔の上半分は目で、青とか黄色とかで瞳が描いてあって、なんか口元もうっすら笑っていたような。ぬいぐるみと言うよりはシーサーかって感じのワニもいたし。

ああこれもテレビ画面を写真に撮っておけばかったなあ。マウス絵で再現も試みたけど、やめました。絵がヘタだからというより、ヘタはヘタなりにかわいくなってしまうのだ。あのなんとも言えない禍々しさが再現できなくて。

うーん。例の「スプーのえかきうた事件」の雰囲気がちょっと近いかな……

番組の最後に、ウスペンスキーは奥様と一緒にアレクサンドリンスキー劇場の前を散歩しておられました。そうかあ、あのぬいぐるみ、まだ持ってたんか……。ウスペンスキー、相当な高齢のはずだけど、いったい何十年前のぬいぐるみだろう? 

ところで最近LOFTとかで売ってる最新のチェブグッズ、色出しやデザインが絶妙で、かなりリアルにレトロソ連っぽい。なかなかナイスです。

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2008年6月 8日 (日)

ストラーニク2008

やれやれ。やっとSFマガジンにレポートを書きました。今回はレポートを書く人としてはもっとも頼りない人が一人で行っちゃったので、レポートもなんちゅうか隔靴掻痒の趣きですすんません。

ストラーニク(ロシア幻想文学作家会議)というのは、ペテルブルクのSF専門出版社(最近は一般文芸、料理などの写真印刷を重視した本なども手がけている)が主催しているSF系イベント。「遍歴者賞」の授与とプロ作家同士の交流、ファンとの交流が活動のメインで(あとは飲み会ね)、サイン会とか、科学の講演とか、いつだったかはアーサー・C・クラークと衛星回線を通じての意見交換とかをやったりしている。ワールドコンや日本のSF大会みたいに参加者自身が自分で企画を立ててバネルをやるとか、そういうイベントではないのが分かりにくいところ。

2005年には日本から過去最大の4人(大野典宏、宮風耕治、井上徹、高野史緒)が参加して、「日本との出会い」と題して、我々が会場からの質疑を交えてのインタビューを受ける企画なんかもあったのだけど(2005年のレポートはSFM2006年2月号に掲載)……あの時はねえ、何をやったらいいのか全く知らされてなくて、こっちでいろいろ考えていたんだけど、開始数分前にテラファン社長のユータノフに「じゃ、インタビュー形式で」とか言われて、全部チャラになったのであった。もっとも、ロシアは「結局何だかんだ言って何となく帳尻が合ってしまう」ところと言われているだけあって、なんかちゃんとできてしまったんだけどね。

たいてい9月から11月に開催されていたんだけど、今年からは書籍見本市に合わせて4月末開催ということに。

Strannik1 今年の公式プログラムは4月24日から26日、メイン会場と宿泊は前にも書いた通り、ワタシにとっては運命のオクチャーブリスカヤ・ホテル。いまだに「都市英雄レニングラード」とか書いてあるし(でもこれは大祖国戦争を体験した人もしなかった人も含めて、地元の人からしたら絶対外せないよね……)

初日はホテル5階のホールで行われた各種の講演と討論。今回の講演のメインテーマは「ナノテク」ということで、それ系のプロの研究者が演台に立つことに。しかし、これ、演目が9つもあって、30分足らずの休憩を挟んだだけで午後一杯講演をやるというむちゃくちゃなスケジュールだったのだ。ナノテク講演はそのうち5つを占める……。でもこれ系の講義はどうもファンタスチカ作家たちの席を暖めなかったようなのよね。あとは、何故かテラファンの人たちが大好きな碁の講義(モスクワにある碁の学校からなかなか男前な先生が来ていたのであった)、スマート・ドラッグについては講演後の質疑で議論白熱。現地参加のGさんの通訳によれば、「病気を治すのが『薬』ならば、病気を防いだりよりいっそうの健康を追求する薬物が『スマート・ドラッグ』とのこと」だそうで。

さすがに途中でザセツしてGとさんと脱走して茶をしばきに行く。なんかもう「セルフサービスじゃないスタバ」みたいなカフェが出来ててびっくりでした……

2日目はワシリエフスキー島西端のレンエクスポ(レニングラード見本市)でサイン会と、「遍歴者賞」の一般参加者投票、「剣」の授与式。このブックフェアのことは以前も書いた通り。

Strannik2 最後に入り口脇のステージで、ストラーニク参加者でない人たちにも公開された形で「剣」の授与式。この「剣」というのは、そもそもはクラスノヤルスクのSF大会で2年に1度行われていたジャンル賞で、それがストラーニクに統合されて現在に至っているものだそうです。何故か正統派シェイクスピア劇のような衣装に身を包んだお姉さんたちの司会進行。今回の受賞は以下の通り。

ジャンル賞「剣」受賞作

「ルマタの剣」賞(ヒロイック・ロマンチック冒険ファンタスチカ)
 ヴェーラ・カムシャ『冬の破壊』(長編)
「月の剣」賞(神秘、ホラー)
 マリーナ&セルゲイ・ジャーチェンコ『Vita nostra(われらの生活)』(長編)
「石の中の剣」賞(ファンタジー)
 ミハイル・ウスペンスキー『金の袋を持った無垢な少女』(長編)
「鏡の中の剣」賞(歴史改編ファンタスチカ・パラレルワールドファンタスチカ)
 アレクサンドル・グローモフ『アイスランドの地図』『ロシアの投げ縄』(長編)

(訳:井上徹)

作品についてなーーーーんにも語れないのが申し訳ない。

3日目はオクチャーブリスカヤの小会議室での会議、討論が中心。午前中は作家やイラストレーター等クリエイターと出版社、映像製作会社等との間でのミーティング、午後にはファンタスチカ系ネットコミュニティの円卓会議。どっちも興味はあったけど、さすがに全部ロシア語ではねえ……sweat02 あとはこの日が友人宅を訪問する唯一のチャンスだったたので、ばっくれてそっちに行ってしまいました。でもこの友人宅では、伝統的なやり方で作った復活祭の卵をもらったり、「いかにもガイコクから来た特別な人をもてなすため」という感じではなく、近所から「ゴハン食べに来てよ」って言われて行った、という感じのお昼ごはんを出してもらったりして感激しましたね。そういう意味ではストラーニクをバックレても全然後悔してないっす。レポート的には役立たずですんませんけど。

ロシア時間でテキトウにオクチャーブリスカヤに戻ると、もう「遍歴者賞」授賞式に行くバスが出るところだという。まあ予定よりはけっこう遅れているので、そっちだってロシア時間じゃんとは思ったけど、前日までの経験で、19時に出発と言ったら本当に19時出発だろうと思ったので、慌てて部屋に戻って着替える。そしたらやっぱり19時ちょうどに出発しました。ひょえ~。本当にここはロシアか……?

Strannik3 授賞式とパーティの会場は、オクチャーブリスカヤからそう遠くない高級ホテル、グランド・ホテル・エメラルド。ここはね~、ソ連時代を知っている者にとっては想像を絶する場所ですよ。2003年に開業したばかりの新しいホテルで、パリの高級ホテルの設備を全て新品にしたような、もろに「西側」という感じのホテルなのでありますよ。授賞式の場所はコンサート用ホール。準備ができるまでさらに待たされたけど、ここでも出るお酒はシャンパンのみ。みんな「適度に」飲んでます。静かです。これは友達に撮ってもらった「その場にいた証拠写真」。

トロフィーも以前はずっしりとした「遍歴者」像だったけど、今回からは遍歴者像のホログラフを額装したものになってしまった。授賞式というのはこの本体が見える状態で渡すのが普通だけど、舞台上で紙袋をホイと渡していたのには笑ってしまいました(笑)。。もっとも、ツッコミどころはこの程度で、授賞式は(ロシアのイベントでありがちな、途中で何故か音楽の生演奏が始まってしまうところも含めて)つつがなく進行し、一時間ほどで終了。今年の受賞者は以下の通り。

「ストラーニク遍歴者賞」受賞作

「宇宙ファンタスチカ」賞
 アレクサンドル・ゾーリチ『明日は戦争』(長編)
「技術ファンタスチカ」賞
 ワシーリー・ズヴャーギンツェフ『オデュッセウス、イタカを去る』(長編)
「科学ファンタジー」賞
 イーゴリ・プローニン『鏡像たち』(長編)
「ユーモアSF」賞
 エヴゲーニー・ルキーン「穴だらけの実存」(中編)

(訳:井上徹)

Strannik4 この後、吹き抜けになったパーティ会場に移動して打ち上げ。この会場というのがですねー、建物の中庭にガラスの天井をつけて「屋内」にしちゃったような場所で(まあ、大英博物館の図書館旧館を移築したあの中庭を小規模にしたみたいなもんです)、周りには客室の窓が並んでいるのであります。外のような、中のような雰囲気るこれ考えた人はすごいなあ、と思うことです。友人の通訳を頼りにして多少交流はしましたが、もともとぱーちーってニガテなもんで……その上、ちょっと体調的に限界でした。受賞式での写真も、なんだか覇気のない顔してますねぇ。飲んだくれている人がいなかった話は前回書いた通り。いやー、ロシアの人の適応力ってすごいなあ……

来年もブックフェアに合わせて4月末にやるそうです。やっぱりレポート的にはロシア語ができる人がいかないとダメっすね。でも、たとえこの程度でも交流を保っておくことって大事だなあ、とつくづく思ったことです。ロシアでは有名なイベントでも、報告する人がいなかったら、日本では無名イベント扱いになってしまうわけだし……。もっとも、ロシアの作品自体が日本でもっとちゃんと紹介されない限り、ごく一部の人間がこういうところに出入りしていても、「真の交流」が確立されたとは言えないんですけどね。というわけで、どなたかロシア語やってらっしゃる方で、実はロシアのファンタスチカを訳してみたい、と思っている方がおられましたらご一報を。「もう大野あたりの独占下で、新規参入の余地なんかないのでは」と誤解してらっしゃる方がけっこういるんですけど、そんなの全然事実じゃなくて、むしろ人手足りてないんで、まずは短編のリーディングとレジュメだけでも名乗りを上げてくだされは幸いです。

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2008年5月11日 (日)

ワシリエフスキー島のブックフェア

Bookfair1 ストラーニクではその活動の一環として、いつもどこかしらの書店やブックフアェアでサイン会をやるわけですが、今年は大規模ブックフェアと開催時期を合わせて、そこにストラーニクのブースを出してサイン会をやったのでした。

ブックフェアの会期は4月24日から27日まで。ペテルブルクのローカルテレビでも宣伝してたし、地下鉄やネフスキー大通りにも広告が出ている。ネヴァ河の河口にあるワシリエフスキー島(実際には島というより、河口でネヴァ河が二手に分かれたその間にあるフツウの土地、という感じ)の南西、バルト海に面した一隅にレンエクスポ(レニングラード見本市)というパヴィリオンがあって、そこの新棟でえらく大掛かりにやっていたのでした。

Bookfair3_2 新棟、Google Earthにもまだ反映されていないくらい新しい建物で、有楽町の国際フォーラムと同じような、いつでも壊して建て替える気満々のありがちな近代的安普請建築。ワシリエフスキー島はね~、普通に人が住んでて、ヨットハーバーとかリゾートホテルとかもあって、ドストエフスキーの小説によく名前が出てきて、私も滞在したことあるけど……でもやっぱり誰もが「あそこ、なんにもないじゃん」と言うようなところで(ひどい言われよう!<鳥居みゆき風に)、実際、行ってみると東端のごく一部の観光地を除いて、確かに何も無いじゃんと思いがちなところ。ガイコクからの観光客なんか全然来ないし、市民でもわざわざこのへんに来る人っているんかいなという場所なんだけど、見本市のまわりだけはさすがに人が一杯いました。我々ストラーニク組はオクチャーブリスカヤ・ホテルからここまで団体用のバスで来たけど、フツウにここに来てる人たちの交通機関は不明。路線バスとかあるんだろうけど……どうなんだろう?

いやー、それにしても、ブックフェアってどこも同じや~(笑)。たいして買わない冷やかしの人と、リュックやカート一杯に買ってゆく「狩り」の人と両極端ですね。大手書店が出している巨大ブースの一角には独自のイベントスペースがあって、作家のインタビューみたいなことをやってたり、奥にも別なイベントスペースがあって、そこでも何かしらやっている。マッサージ屋も出てる(やっぱり(笑))。出ているブースも有名書店から、個人とかサークルでやってるっぽいところまで様々。一種類のお伽噺系CDブックを一人で売っている人もおり、これなんかは自費出版かもしれない。復活祭が近いからか、それともそんなこと関係なく恒常的にそうなのか、宗教系の豪華本がけっこうあったり。プーチン本も多数発見。写真入りのを一冊買いました。

Bookfair2_2 驚くのは、めったやたらと人気があったブースは「人類学アカデミー」と「歴史学アカデミー」とストラーニクだったこと。アカデミーはねえ、なんか厳しい学者っぽいおっさん達が売り子をやっているのだ! ちょっと萌え(笑)。もちろん何も買いませんでしたけど(読めないから)。萌えといえば、ブックフェアの入り口では、ちょっとアキバっぽいコスプレの女の子たちがチラシ配ってたりしました。もちろんこういうのって日本から入ってきてるんだろうと思うけど……。隙間からどんどん日本化してゆくロシア。恐るべし。

ストラーニクのブースでは、遍歴者賞の候補作等の即売とサイン会。この写真で見てもそこそこお分かりかと思いますが、これがねー、すごい人気でした。人が来るのよ。次から次へと。ちょっと分かりにくいけど、左側の柱にストラーニクの看板が出てます。そしてブース内では何故か常に誰かが碁を打っている。現地参加の友人とともにロシアの人から英語で碁を教えてもらいました……情けないなあ。原理は分かったけど、どう打てばいいのかなかなか判断がつかない……難しいっす。日本で顔を洗って出直してきます……orz 

昼食はレンエクスポ本館のレストラン。おおおおお、ここはさすがにソ連っぽさが残っててナイスだ。

Bookfair5 ところでストラーニクのブースにはコスプレの女子たちが結構来ていたのです。中にはネット通販とか浅草とかでガイコクの人が買ってゆく系のキモノガウンを着ている子も。というか、何やら戦隊ものっぽい手作りコスプレの子がフツウにいたりするわけですよ。ここはアキバか(笑)。右から二番目のピンクのウイッグの子は、レイヤーネームが「サクラ」ちゃん。右端の新撰組隊士はテラ・ファンタスチカ社のチーフエディター、ヤナ・アシマリナさん。十代の頃、八十年代のわしらが「ガイコクの人」になかなか話しかけられなかったのと同様、彼女たちも私に何か言いたそうだったけど、なんかはにかんじゃってる感じ。まあ私もゴガクがアレでナニなのですが……こういうコたちともっと交流できるようになればなあ、と思うことです。

Bookfair4 ストラーニクでは「遍歴者賞」と「剣」という二つの賞の授与式があるのですが(そのへんの違いとか受賞者とかについてはSFマガジンのレポートで)、「剣」の授与式はブックフェアの会場のステージで行われました。ま、どうせロシア時間でやるんでしょ、と侮ってブックフェアを見たりトイレに行ったりして油断してる間に、ほぼ予定通りに始まっちゃいましたぜびっくりだ。レトロなお衣装のお姉さんたちの司会でスムースに進行。ううむ……なんの滞りもない……。そういやブックフェアのほかのイベントも、どれも数分程度の遅れでパンクチュアルに進行していましたねえ。ううう……。こ、ここは何処だ? 本当にロシアなのか……?

その後バスはオクチャーブリスカヤに戻っていったん解散。「クレストフスキー島の宴会に行く人は7時15分までにゼッタイ集合!」とのことだったけど(私はさすがに体力がついていかないので不参加)、私が7時半前にもう一度ホテルの外に出た時にはもうバスはいなかったので、少なくとも10分以内の遅れで出発しちゃったのね……。信じがたい。ここは本当にロシアか?!

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2008年4月30日 (水)

プーチン写真集情報

Puphotobook1 ストラーニク自体の報告はもうちょっと準備してからね。

ウワサのプー様写真集、ペテルブルクで見つけました。

限定で発売され、関係者のみに販売されたと言われるかの豪華写真集、大手書店のレア古本のコーナーにありました。

私が泊まっていたオクチャーブリスカヤ・ホテルの一階外テナントに、わりと最近できた新しい大型書店Bookvoed(24時間営業! やはり24時間営業のセルフサービスカフェ併設!)が入ってて、入り口右手に商品がみんなガラスケースに入ってるレア古本のコーナーがあったのです。どの本も日本円にして一万円とか、それ以上の本。で、プー様写真集は、何冊かガラスケースから出てて手に取れるようになっているコーナーにおいてありました。

中身……うう、さすがに豪華ですな。ウェブに出回らなかったお宝ショット満載。当然、どれもこれもいい写真で、印刷も最高。本の状態は悪くはないものの、やや「使用感」あり。値段は5000ルーブル弱。ペテルブルクのひじょーに悪いレート換算で2万円そこそこってところでしょうか。思ったほど高くないし、買えない値段ではないところが悩ましい。しかし、私が持ってても持て余すのは目に見えていたので(笑)、悩んだ挙句、やっぱり買わないで帰ってきちゃいました。その代わり、カラー写真ページつきの最新プー様本は買いました(笑)。でもやっぱりこれも買えばよかったかな……コミケで転売したりして(笑)。

Puphotobook2 その後、ワシリエフスキー島の見本市でやってたブックフェアでも一度見かけました。こちらは値段は確認してないけど、ちょっと見、Bookvoedのものより状態はよさそう。

ペテルブルクで探したら、案外プー様写真集は出回っているのかも。

今、ロシアのビジネス事情は信じられないくらい良くなっちゃってるようなので、Bookvoedのサイトから申し込んだら普通に買えるんではないかと思います。サイトはさすがにロシア語だけど、まず間違いなく英語で問い合わせできるでしょう。速いもん勝ちだ! ダッシュでゴー!

Pumedvepascha ちなみに27日はロシアの復活祭(パスハ)。今年は春分の日と満月と日曜日が隣接してて、ほぼ最速で終わっちゃったカトリックの復活祭とはズレ過ぎなので現地に行くまで全然気づいてませんでしたorz  国営放送を始めとするTV局のいくつかは、夜中に復活祭儀式の生中継(正教の場合、午前の盛式ミサがメインになるカトリックとは違って、終夜祷がメイン行事なんで)。ペテルブルクのローカル局は、どうやらアレクサンドル・ネフスキー修道院からの中継の模様。国営放送はモスクワから生中継。でもあれはどこの聖堂だろう……? 新しい救世主キリスト聖堂かも。通常の正教の様式と違って、儀式をイコノスタシスの中でやってない(まあ生中継向きにそうしてるんだろうけど)。内陣の特別席にはプー様夫妻とメドベたん夫妻の姿が。正教式なので当然、ずっと立ちっぱなしで参列。直前に離婚・再婚報道騒動があったプー様ですが、もし本当にすでに離婚していたのならこの場には出られませんわな。

プー様Tシャツも買いました(笑)。これは『赤い星』の出版日程が決まったら読者プレゼントにします。そしたらまた予告します。

(2008年7月22日記)プー様Tシャツ、プレゼントします。詳しくはこちら

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2008年4月29日 (火)

ペテルブルク幻覚

ペテルブルクから帰ってきました。

げ、幻覚かもしれん……

何故なら、とても現実とは思えないことになっていたから。

もうね、ロシア、少なくとも都市部は、「フツウの欧米諸国」になってしまいました。交通もイベントも何もかもかオンタイム、テレビはどこの局もCNNとかアンテヌ2みたいで、コマーシャルはえらく健康志向、トイレはどこに行ってもキレイ。友人の年金生活のお義母さんちのフルシチョフ時代のアパートにも、日本と変わりない品質のタオルやCMで見たことがあるジュース、輸入のビールなんかが普通にある。郊外には大型スーパー。露天で売ってる野菜は……くっ……うちの近所のスーパーで売ってるやつよりいい……

大型書店も見本市のブックフェアも見てきましたが、印刷・製本のレベルはもしかしたらフランス、イギリスより上になっちゃってるかも。前回(2005年11月)に大型書店に行った時も、印刷レベルは「低くはない」と思ったもんだけど、今は「スゴイ」ことになっている。ヘタすると日本の印刷物は負けるぞ。

そして! 恐ろしいことに! ストラーニクのパーティはすんごく上品化しちゃってたのだ! 「いつもの面子」だったのに全然「ロシアの飲み会」じゃなかったのだ! それにしても何かものすごく違和感がある。何でだろう……と考えていて、翌日ようやく気づいた。ウォッカが出ていなかったのだ! そういや出ていた飲み物はワインとシャンパン、コニャック少々、そしてミネラルウォーター。みんなお酒は「ちょっとたしなむ」程度で談笑し、いきなり抱きついてくる人とかキスしてくる人とか床に座り込む人とかガンガン酒を注いで来る人とか、もういないのよ。というかですね、雰囲気的にはSF大賞の授賞式よりも駐日大使館の大使臨席パーティのほうが近い。いや、駐日大使館のパーティは真っ昼間からウォッカが出てて、ちらっと見ただけなのにホイと渡されて飲まされちゃったりしたことを考えると、今やストラーニクのほうが気取ってるかも。

……………………。

おかしいなあ……

やっぱり幻覚のペテルブルクだったのかなあ……

26日、福田首相の訪露は、国営放送の朝のニュースではトップ扱いでした。次いで洞爺湖サミットの準備。幾つか国内ニュースをはさんで長野の聖火リレー。

レポート自体は追々書いて行きますが、まずは生存証明まで。

それにしても……本当に現実なのか……?

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2008年4月21日 (月)

エルミタージュ妄想

ちょっと不安になってきました……

ああっ、全部、私の妄想だったらどうしよう(笑)。気がついたら病院のベッドの上で、枕元にいた医者が「おお、やっと気がついた。この新薬は効くなあ」とか言ってたら。助手が「大変でしたねえ。何しろレニングラードに行ったと思い始めた23年前からずっと引きこもりでしたからねえ」とか言ってたら。

って妹に言ったら「大丈夫だよ。妄想なのはペテルブルクだけだから。ロシア自体には行ってるんだよきっと」と言われた。

そう、ペテルブルクは妄想かもしんない(笑)。

ところで、ストラーニクの会場でもある宿泊場所オクチャーブリスカヤ・ホテルというのは、19世紀半ばにモスクワ駅の駅ホテルとして立てられた古いホテルなんだけど(さすがに内装はソ連時代、21世紀と改装している)、実はここ、ちょっと因縁があるのであった。

というのも、今、迷走している『赤い星』で、帝政時代ペテルブルク部分の主人公となる日本人ピアニスト龍太郎が、ペテルブルクに到着してすぐにここに泊まることになっているのであった。もちろん、2008年度のストラーニクの場所が決まるずっと前に書いたこと。龍太郎はヨーロッパ経由でペテルブルクに来るので、本当ならワルシャワ駅とかバルチスキー駅に着くんだけど、設定上の事情でモスクワ駅に着くことになっているのであった。

ね。運命というより、妄想っぽいでしょ。

平均気温は真冬の東京より寒く(さっきロシアの天気予報サイトを見に行ったら最低気温がまだマイナスだった……)、夜はすでに10時ごろまで明るく(そりゃあとひと月ちょっとで白夜になるんだし)、景色は春(多分)。夏と冬にしか行った事ないんで想像できない……。やっぱり妄想かなあ。ここもホテルの設備によっては更新するかもしれないけど、ロシアから更新してるという証拠ないしなあ。ガイコクなんてめったに行かないので、どうなることやら。

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2008年4月 5日 (土)

ロシア逝きます

多分。

そう宣言しておけば確実に行けるような気がするので、とりあえず。

4月24日~26日にペテルブルクで行われるストラーニク(ロシア幻想文学作家会議)に参加するつもりです。行ける、と信じてください……。そしたらここにもちょっと面白いネタが提供できると思うので、皆様もそう信じて応援してくらさい……お願いします。

ロシアにはウンザリしたんじゃなかったのかって?

いやいや、ウンザリしながら愛するのがロシアの醍醐味ですんで(笑)。

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