Filmex 7日目
……って、誰か来ないかなあと期待を込めて書いたら、「遅いわ。もっと早く書かんかい」というご意見が。ごもっともでございます。すんません。
で、『ショーガ』見てきましたが……
はっきり言って、これはあかんわ。カザフスタンの人がみんなそうなのかどうか知らないけど、あんな無表情な人たちのロマンスとか見せられてもなあ…… 終演後のプロデューサーの質疑によると、監督の意図が「分りやすい演技や感傷的なBGMで『いかにも』な表現をしないことを目指した。ロベール・ブレッソンに学んだことは多い」とのことで、うん、そんなところだろうとは思いましたよ(私は、昔のゴダールを意識した映画なのかと思ったけど)。意図は分る。でもはっきり言って成功してない。
かといって、いかにも「ヘタな映画」ではなく、映像はきれいだし、シーンの切り替えのタイミングとかアングルとか、非常によく考えられた「上手な映画」だとは思う。でもねえ……感情を表さないむっつりした人たちの、「いかにも」なシーンもないロマンスとか見せられてもなあ……。世間の規範を逸脱して本来の恋人や子供をも捨てるほどの情熱や、その苦悩も後悔も、何一つとして伝わらない。全く何も追体験できないし、それをこういう困難な手法でわざわざやる意義も見えてこない。どうしろっちゅうねん!
それにしても新首都アスタナの繁栄っぷりがすご過ぎる。カザフスタンって、月に何回か、読売新聞のサイトにリッチ感あふれまくった「国の広告」を出しているのよねえ。政府観光局の広告じゃないのよ、もろに「国の」広告。そんなん初めて見たわ(なのに大使館のサイトはまともに機能してない罠(笑))。でも、日本では想像できないようなぶっちぎりの格差が生じているんだろうなあと思うと、なんか冷静には見られない。
なんかねえ……来年、中央アジア全体の文化イベントを日本でやるとかいう話があるらしい。実現するかなあ……。して欲しいですが……。中央アジア諸国と日本とでもっと交流しないことには、いつまでたってもあのあたりは我々にとって「シルクロードっぽいナゾの国々」のままだし。もっと何本か映画も見たいです。こういうナゾの映画だけ持ってこられても分んないよう……
というわけで何となく納得できないキモチのままベトナム料理を食べて帰ったのであった。ああもやもやする。
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