グルジアの母の像(と人海戦術)
著者校終わりました……『赤い星』はほぼ予定通りに出ます。っていうか、数日遅れる可能性あり。誰かに解説を書いてもらう計画はタイムアウトしましたとほほorz 今ちょっと体調に問題あり。SF大会の企画については……すんません、二、三日中に詳しく書きます。
で。
【モスクワ=瀬口利一】タス通信などによると、グルジア軍が7日夜から8日にかけて、同国からの分離独立を求める南オセチヤ自治州の州都ツヒンバリに進攻し、同自治州で平和維持活動を行うロシア軍司令部や兵舎などを空爆、戦車による砲撃も行った。
ロイター通信などによると、これに対抗して、ロシア軍がトビリシ郊外のグルジア空軍基地を報復空爆し、戦車部隊など地上軍もツヒンバリに向かっている。
南オセチヤをめぐるグルジアとロシアとの対立は先鋭化しており、両国の全面戦争に発展する恐れも出てきた。
北京オリンピックよりこっちのほうがよっぽど気になる。
国力から考えたらグルジアは国を挙げて玉砕を覚悟したってロシアに勝てるわけがないのだけど、それでも戦うところが凄まじい。
グルジアには一度だけ行ったことがある。1986年の年明け早々。ペレストロイカなんていう言葉さえ無い、もちろんバリバリにソ連の頃ね。
当然、グルジアは「めいっぱいソ連」なわけですよ。というより、スターリンの出身地だったので、グルジア語の公式使用が許される等、むしろ他の共和国より優遇されていたくらいなのであった。私もグルジア語のイコンの本とか買ったですよ、珍しいから。
真冬のレニングラードから飛行機で直行したので、雪もなく、普通に果物もあり、のんびりした雰囲気のグルジアは「南国!」、「楽園!」という趣きさえありました。ワインも美味しいし(わたしゃ未成年でしたけどね(笑)。時効ということに(汗))、何ということもない乳製品がむちゃくちゃ美味しい。見学にいった芸術学校では、先生たちがお菓子とかお茶とか持ち寄ってきて予定になかった歓迎会を開いてくれたり。道端で知らないおじさんにいきなりクワスをおごってもらったり。ソ連は多民族国家なので、そのおじさんは私が外国人だということに気がつかなかったみたいなので、日本人だから特別扱いされたということではないらしい。バレエの先生がホテルにわざわざトウシューズを届けに来てくれたりもしたのだ。
要するに、グルジアというのは「そういうところ」なのですよ。地球上にこんなにのんびりして平和で親切な国があるということに(80年代の日本から行ったにもかかわらず)びっくりしたことです。
街中に「グルジアの母の像」というのが立っていて、右手にパンと塩、左手に剣を持っている。ガイドさんによると、その像の持ち物は「グルジア人は訪問者に対しては親友のようにもてなし、敵に対しては死ぬまで戦う」ということを意味するのだという。
あの時は、「まあその昔、あっちこっちから侵略されたコーカサスではそういうこともあっただろうけど、今じゃこの超平和な人たちが戦ったりはしないんだろうなあ」と思ったもんです。
独立をめぐって最初の内戦があったのはそのたった三年後。
彼ら自身が言った通り、立ち上がりの瞬間からしてすでに、今までずっとそうしてきたかのように当然の如く死ぬまで戦ってて、ニュースを見るたびにどんだけ愕然としたことか。
ソ連というシステムもグルジア併合の過程も、真に理想的なものだったたは思っていない。それでも、争い始めたらきりがないロシアとグルジアを友好的につなぎとめておいて、このまま何百年も維持し続けたら両者とも本当に「家族」になったであろうソ連という枠組みをたった五年程度で一気に崩壊させてしまった、というか、崩壊せざるを得なくしてしまったのは、果たして独立したグルジアにとってもいいことだったのかなあ、と疑問に思うことはある。まあ、こうやって事後に賢しげにあれこれ言うことは誰にでもできるわけですが。
でもなあ……本当にロシアとグルジアって、ここまで激しく戦うほど対立するようなものではないようにも思えるんですけどね……でもいったんここまで行っちゃうと、「なかったことに」とはしにくいだろうし……
でもやはり、たとえ信念を曲げてでもどこかで妥協しないと、結局は誰一人として報われる者のないことになっちゃうんじゃないだろうか。「信念を通す」のって、そんなに偉いことなのか。
オリンピックのショーアップされ過ぎた開会式を見て、こんなことやる必要あるんだろうか、とちょっと思ったりもするけど、でもやっぱり、大いなるムダでありながらもこういうイベントって必要なのかもと思うことです。
それにしても中国、どんだけ人がいるんだ……
ザ・人海戦術。人海戦術につぐ人海戦術。それでもなおかつ人海戦術。人口十億って、こういうことか……![]()
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