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2008年8月29日 (金)

【SF大会2008】DAICON7レポート そして「三日目」に突入!

2008年8月24日18時25分頃。SF大会から撤収した我々は18時37分発の「のぞみ」のチケットを手に改札へ向かったのであった。すると電光掲示板に「豪雨の影響で80~110分遅れ」の表示が。110分かあ。どうせなら121分遅れてくれりゃ特急料金払い戻しなのに。ま、たいていこういう表示が出てる時って、だいたい何とかなってるもんよね(首都圏の在来線基準)。ちょっとくらい(「ちょっと」じゃないけど)遅れたって新幹線乗らないと帰れないし、しょーがねーな、と思いつつ……

乗る。

「おうちに帰るまでがSF大会です」。古えより、幾多の賢者により言い継がれてきたこの言葉。そう、おうちに帰るまでがSF大会なのだ。おうちに帰るまでが京フェスであり、おうちに帰るまでがストラーニクであり、おうちに帰るまでがワールドコンであるように。

定刻通り新大阪を発った我々の「のぞみ」は、定刻通りに京都を通過し、定刻通りに名古屋を通過した。『ハローサマー、グッドバイ』を読んでいた私がふと隣を見ると、友人も『ハローサマー、グッドバイ』を読んでいたり(ありがち)。ちょっと気分を変えようかなあと思って『サイエンス・イマジネーション』を読み始めると、友人は『レイコちゃんと蒲鉾工場』を読んでいたり(ありがち)。

名古屋を出てちょっと寝て、またハロサマを読んでいると……

止まったではないか。

新幹線が。

「豪雨のため、熱海・小田原間で運転を見合わせております」とのことで。何度か断続的に止まり、結局、掛川の駅で長時間止まる。あっちこっちの駅に先発の新幹線がつまっているのだという。熱海で24時間あたりの降雨量が(24時間って……なんて大雑把な)300ミリの危険域を越えたので運行できない、と。

か、掛川……。掛川って、掛川って……何処? (ここです)

メールの記録を見ると、このあたりで21時30分くらい。

駅に止まっているとはいえ、「のぞみ」なんで、ホームには降りられない線に止まってる。他の車輌にいる友人たちと、「降ろすという選択肢はないらしい」と絶望的なメールが飛び交う。この頃から自販機と車内販売の物品がどんどん消え始める。お菓子とか飲み物のみならず700系「のぞみ」のストラップまで売り切れてたりするのが笑える(笑うてる場合か)。とりあえずお茶のペットボトルは一本確保。

私は病人なので、このあたりでマジで不安になってくる。八代嘉美さん、早くiPS細胞からランゲルハンス島作ってよ~(泣)。まあ、昔のパターンのインシュリンだったらマジヤバイけれど、今の超長時間型と超速攻型の組み合わせだからまだマシ。でも体調が悪くなると一気に緊急入院モードになっちゃうので、そうなったらどうやって降りるんだコレ……

新富士に止まった頃にはもう23時過ぎてたかなあ。友達と「こりゃ終電との戦いだねー」とか言い合っていたが、やがてそれどころではなくなる。三島に着くとか着かないとかの頃にはもう日付が変わっていたような。自宅に電話したり、地上(笑)の友人たちとメールしたり、友達にMixi見せてもらったり(モノグサなので自分はケータイでMixi見られるように設定してないのよ)。おおお、けっこうみんな足止めされたり、京都とか名古屋とかで挫折して宿泊したりしている。これに乗っちゃった我々の判断は果たして正しかったのだろうか……って今考えたってしょうがないのは分ってるけど考えちゃう。

別な車輌に乗っている友人たちを訪ね歩いたり。途中、私の顔を見て目礼したり、「あ」という顔をしたりした人が何人か居たので、実はけっこうナカーマが乗っていると見た。よっぽどあのネームプレート下げて歩こうかと思ったけど、小心者なのでやめておく。でもやったらかなりの数のナカーマが釣れたんだろうなあ。やっぱりやればよかったかなあ……と、私は「やらなかったこと」を後悔するタイプなのであった。

JRは車中泊用の車輌を用意するという。二時とか三時とかに着いたら、五時まで待って地下鉄の始発に乗るほうがマシかなあ。とか考えているうちに、小田原を過ぎるとそれなりにちゃんと動き、25日1時30分ごろ東京駅に着く。延べ時間7時間半。ヒコーキだったらウラル山脈越えたあたりまで行っちゃったね。あ、特急料金払い戻しだ。わーいうれしいなー(棒読み)。

タクシー乗り場まで大山さんが送ってくれる。タクシー待ち……さすがにスゴイことに。でももうしゃーないわな。雨降ってるし、寒いけど、しゃーない。一時間近く待ってやっとタクシーに乗る。車内にお洒落なジャズを流し、ギリギリにヤバげな速度で効率よく飛ばすロマンスグレイな運転手さんに当たってラッキー。「帰省だったんですか?」とか世間話を振られるが、「いや~その~、仕事がらみの~イベントで~」とか、もにょもにょ。だって「えすえふたいかい」って世間の人に言ってもなかなか分ってもらえないし~。2時50分ごろ自宅に。振り回されたオットも災難でした。

オットが淹れてくれた茶を飲んで寝る。というわけで、SF大会「三日目」は無事(?)終了したのでありました。ここに名前を挙げ切れなかったナカーマの皆様もお疲れ様でした。

それにしても「新幹線」でエントリ書いてる人がいっぱいいますね(笑)。DAICON7中もっとも参加者が多かったイベントと言えましょう。というか、これほどまでに新幹線の遅延についての記録がネットに残ったことってないのでは(笑)。どう考えても「暗黒星雲賞」もの。

2008年8月28日 (木)

【SF大会2008】DAICON7レポート二日目

九時ごろ、難波のロイヤルホストで友人と一緒に朝食。周囲の席で関西弁が話されていて、我々関東モンは「おおお、ホンモノの関西弁だー! テレビみたーい!」とアホな感想を抱く。すんません。朝食後岸和田へ移動。

Daicon74 それにしても岸和田ってところは、大阪の友人をして「だんじりだけのためにこの街が存在する」と言わしめるだけあって、ホンマにだんじりまみれやね。駅にはだんじり柄のステンドグラス(プラスチックだけど)があり、駅前では筋骨逞しい兄さんたちが電柱に緩衝材としての布団を巻いてるし、会場に向かう途中では車庫(?)から屈強な男たちがだんじりを引き出してるし、どっかの駐車場では日焼けした殿方がだんじり用の車輪の用意してるし。商店街には「だんじり入魂祭」の横断幕。そして浪切ホールの前ではだんじりのお囃子。動画撮っちゃった(笑)。だんじりの本番までまだ三週間くらいあるんだよね……? それまでに試し引きとか前夜祭のようなものとか、とにかくだんじり尽くしらしい。すげー。

Daicon77 会場に向かう途中でこんな看板を見つける(昨日は見落としていた)。

「この夏、岸和田にSF大会がやってくる!」ですってよ奥様。そ、そんなに期待されても(笑)。いや期待はされてなかったり……?

いずれにせよ、ワールドコンのときさえこんなんは見たことない。ちょこっと参加するだけのゲストだけど、なんか嬉しい。ところでこのお店、画材屋さんのような、お土産屋さんのような、おもちゃ屋さんのような、ケータイ代理店のような、ナゾのお店でした。「だんじり」って書いてある団扇買えばよかったかなー。

二日目はソ連軍の帽子(本物)をかぶって歩く。ミリヲタ系のコスプレの人たちとはどちらがするともなく敬礼したりしてね。アホやね。

午前中は新井素子さんの囲碁企画に行くと約束したわりに、遅刻したり打ち合わせしたりしているうちにあっという間に時間が過ぎてしまう。ひょえ~ 要領悪すぎ。

Daicon75 お昼ご飯を食べる時間もなく、「日本SF全集」の部屋へ。写真は日下三蔵さんと眉村卓さん。位置がイマイチなのと撮影者がチビなのとで、森下一仁さんと山岸真さんの写真がちゃんと撮れず。

諸般の事情により刊行が遅れまくっている「日本SF全集」ですが、いよいよ10月くらいには第一巻が出るそうです。遅れている理由は主に巻末の対談等を充実させているためで、なんかモメゴトが起こっているわけではないそうなので一安心。やはりこの手の企画は「オトナの事情」で大手出版社からはできないものですね……。まあロシアやアメリカのような大国から国連事務総長を出せないようなものですか。SF全集自体のほかに、眉村さんや森下さんのデビュー当時の話などを聞き、最後に、第五巻世代のワタクシから新刊の宣伝もさせていただきました。まあ、そのほかのネタを振られても、すっかり一聴衆と化していたのでちゃんと対応できたかどうかギモンでございます。

喜多哲士さんたちとも「どーもどーも」程度の挨拶しか出来ないまま、ワタシ的にはメインイベントの「ロシアSFの部屋」へ。

写真はまだないです。近日中にセミプロ写真家による、ここに一緒に並べるのはむしろ抵抗があるちゃんとした写真が届きますので、そしたら載せ……るかもしれないし、載せないかも(笑)。どうせワタシの写真なんて、ろくなのないですからねー。

パネラーは大野典宏、宮風耕治、高野史緒。いろいろ騒動があってかえって耳目を集めてしまった去年のようなわけにはいかないものの、延べにしたら30人くらい来てくれたようで、林譲治さんや大山博さんも来てくれました(っていうか大山さんは本来、パネラーの側にいるべき人間だろう! 何をやってるんだっ!)。今年のストラーニクのこととか、その他のコンヴェンションのこととか、ロシア・ファンタスチカ読みの必携『巨匠とマルガリータ』のこととか、90年代以降の動向とか、日本ブームと「なんちゃって日本」ファンタスチカ作品のこととか、酒飲みファンタスチカのこととか、最近急激にロシアが(少なくともペテルブルクが)変わっちゃってなんかロシアっぼくなくなりつつあることとかetc.について、特に打ち合わせも何もなく語る。会場からもテキトウに発言してねーってもっと言っとけばよかったかもしれれないし、ちゃんと質疑の時間も設ければよかったかも。と、反省点は尽きないわけですが。宮風の著作「ロシア・ファンタスチカ(SF)の旅」のAmazonでのページはこちら

この後、閉会式も見たい気はしたけど、お昼ご飯は食べてないし、やることやっちゃったので虚脱してるしで、上記のパネラーと大山さんとかずめさんで、会場の隣のシネコンの横に入ってるお好み焼き屋に行く。数年前と違ってインシュリン注射のパターンは多少動かせるようになっているので、イレギュラーな時間だけどしっかり食べておくことに。この時、この高カロリーな食事が後々「正解」となることは、まだ誰も知らなかったのであった……

地元参加の宮風さんと途中で別れて、東京組は18時過ぎに新大阪着。あとはもう新幹線に乗るだけだし、気楽なもの……と、この時は思っていた。普通は思うよね……

まさか、「あのようなこと」が待っているとも知らずに……

2008年8月27日 (水)

【SF大会2008】DAICON7レポート一日目

世の中には「SF大会」というものがあってですね、どういうものかというとなかなか一口では説明できないものの、まあ要するに、SFやその周辺の諸文化に興味のある知識人が集い、知的な意見交換と交流等を行っているわけですよ(ツッコミ禁止)。で、今年は岸和田の「大阪府立岸和田浪切ホール」というところで行われるというので、新刊の発売とも重なってるし、行ってまいりました。まさか「あのようなこと」が起こるとも知らずに……

Daicon71 私は13時のSF作家クラブの総会には着いてなきゃいけないので、8時ちょっとに品川を出る「のぞみ」を目指して早めに出発。新横浜から乗る大野典宏さんやかずめさんと連絡し合って、ケータイでの連絡とコンピュータのブッキングってスゴイわねーと田舎のおばちゃんようなことに感心しつつ同じ車輌に乗る。行きはスムースで全て定刻……いや、これがフツウなんですけどね……。天気とトンネルの気圧変化で、新大阪に着く頃には「晴れた日に国際線で着陸した状態」になってしまう……。なんかもう、のーみそが腫れ上がってる感じですよとほほ。いろいろ乗り継いで12時前には岸和田へ。写真は会場の浪切ホール。あああああああ曲がってる曲がってる。写真はいっこうに上手くならないなあ……

受付けの後、昼食を求めて上記写真の右手のショッピングモールに。おお、同じネームプレートを下げたナカーマがいっぱいいる(笑)。挨拶したり打ち合わせしたりしながら、正直、どうでもいい感じのパスタを食べて総会へ。

総会では瀬名秀明さんが『サイエンス・イマジネーション』(NTT出版)を配布しておられました。おおおおお、太っ腹! 帰りの新幹線でだいぶ読みましたけれども、これ、すごい中身濃い(というか、「濃ゆい」)ですよ。自分って本当にこういうジャンルのこと分ってなかったなあと思うことです。

Daicon72総会の後は恒例「サイバーパンクの部屋」へ。会場が……せ、狭い……(汗)。始まった時点ですでに立ち見が。写真は巽孝之・小谷真里夫妻ととりにてぃさん(ああやっぱり写真ヘタだなあ……)。巽夫妻はこの写真だと分らないけど、ぢつはペアルックなのだ。ふふふふふふふ。

当然と言うべきか、メインはギブスンの新作『スプーク・カントリー』と、文庫化される『ディファレンス・エンジン』関係。再現されたバベッジの機械の動画とか、『スプーク……』冒頭の朗読(by菊池誠先生)とか。

Daicon73 それから「テルミン・ワークショップ」をちょっと覗く。いや、私はもうテルミンはムリなのは分ってるので、見るだけね……。写真はテルミンに積極的に関わってる参加者たち。左端は大野さん。やっぱりこの企画は、来る人はみんな積極的ですなあ。とりあえず自分で音を出してみるだけでも面白いもんね。その後ちょっと外に出て、久しぶりに会った宮風耕治さんと、最近のこととかロシアの中の人の噂話とか……あ、いや、その、重要な情報交換とか。本屋の出店(に自分の本を)を見に行ったりとか。

夜はSF作家クラブのパーティ。写真のレベルが低すぎるので写真は割愛……orz 今回は作家クラブだけではなく、一般参加者も加わってのかなり賑やかな会。SF関係はこうやってプロとかアマとか関係なく交流できる雰囲気があっていいですね。北野勇作さんとか、牧野修さんとか、なかなかお会いできない関西系のナカーマと久しぶりに会う。いやあ、しかし、会って話さないと進まない話とか、パーティとかにかこつけて「ついでだけど……」という形でしか伝わらない重要な話って、あるもんですなあ。どうりで各国とも莫大な費用をかけて在外公館なんか設置してるはずだよ。ワタシ的には明日が本番なので、体力温存のために同じところに宿泊するナカーマと早めに撤退。「33分探偵」が事件を33分もたせないうちに寝てしまう。

てなところで一日目終了。すでにかなりヘタレていて、声が出なくなりつつある……

2008年8月25日 (月)

【SF大会2008】東海道新幹線止まりましたorz

昨日から今日にかけて、7時間半かかって東京着。

「家に着くまでがSF大会」だとするなら、わたしゃ25日までSF大会でしたーorz

インシュリンの注射の都合でいったん起きただけなので、また寝ます。レポートはのちほど。とりあえず、ちゃんとウチに着いているというご報告を。ご心配くださった皆様ありがとうございます。いやあ、今回ほどネットとケータイをありがたいと思ったことはないっす。

2008年8月20日 (水)

【SF大会2008】ロシア萌え企画について

DAICON7の24日14時から(場所は4F会議室4)のロシア萌え企画ですが、出演の面子は以下の通りです。

大野典宏、宮風耕治、高野史緒

またお前らかよ、という面子ではありますが……

メインゲストは宮風さんと言えましょう。例によって、ユーラシアブックレットの『ロシア・ファンタスチカ(SF)の旅』の著者として知っているという方が多かろうと思いますが、ロシア文学会等、一般の人の目に触れにくいところでも地道に研究を続けており、今現在、日本でもっともロシアSFを読み込んでいる人。

特に打ち合わせとかはしていませんし、パネリストが一方的に喋るようにはしたくないので、会場から自由にご発言いただければと思っております。そしてできるだけ、去年あまり発言できなかった宮風さんの話を引き出したいものです。大野さんが先輩風を吹かせて口を挟んだり、高野がボケをかましてわき道にそれたりするかもしれませんが、ギャラリーはそれを許さず、お前らひっこめ!くらいの野次は平然と飛ばしていただきたいものです。

大野さんはこの期に及んで何故か宮風さんの名前に言及していないようだけど、大会から「立場として認められたゲスト」と「立場としての一般参加者」を区別しているのかなあ。でも、実力的に言ったら宮風さんは大野さんと同等かそれ以上の存在なので、皆様、この大物の登場に是非期待して下さいませ。

2008年8月19日 (火)

【SF大会2008】『赤い星』先行販売

いやあ、北京オリンピックで中国そのものも注目されてるだけに、「先行」という字を見ただけでも笑っちゃうですが(笑)。すごーくお若い方は「先行者」で検索してみて下さい。

まあそれはともかく。

DAICON7で『赤い星』先行販売できます。まあ先行ったって、25日発売なので、文字通り一日、二日のところでしかないわけですが。地元の書店さんがディーラーズに入るので、そちらで売るそうです。まあ、サインとかは見かけたらテキトウに申し込んでください(SF作家クラブのパーティは全体的にサイン等は自粛の方向でお願いしているそうなので、それ以外の場所で)。24日のロシア萌えの部屋に来るのが確実かと。

数は予定では30冊。うーん。小規模なDASACONの時でさえ『アイオーン』30冊は瞬殺完売だったこと考えると、これで大丈夫なのかなあ 著者送付分の見本とかも後回しにしてこっちに持ってっちゃっていいですよとは言っておきましたが。

何を血迷ったのか、特製『赤い星』の千社札なんかも作ってしまいました。ロシア萌え部屋に来てくれれば貼ります。この日買えなくても、うちに帰って密林の買い物カゴを「絶対に!」クリックしちゃる、という方には一枚さし上げます。

まあその他サイン関係お受けいたします。お茶会とかでちょっとまとまった場所があるとええのですが……(まあそれは実行委員任せ……)

てな予定です。

2008年8月16日 (土)

【SF大会2008】DAICON7の予定

ええと……その、いろいろ不確定な要素があって、なかなか明言できなかったのですが、遅くなりましたが、8月23・24日に岸和田で行われる2008年度のSF大会、DAICON7での予定について。

私は23日19時からのSF作家クラブのパーティと、24日の14時からの「ロシアSFのヨタ・オタク話」(4F会議室4)に出ます。23日は13時からのSF作家クラブ臨時総会に間に合うように会場入りしますので、総会の後は少なくともパーティが終わるまでは会場におります。24日は閉会式までいたいとは思っていますが、ヘタレ具合によって企画が終わったら電池切れになっている可能性も。元気だったら閉会式までいる、ヘタレていたら企画後帰る、もっとヘタレていたらもう一泊、という感じでしょうか。

『赤い星』の先行発売はどこでやるのかなあ。ディーラーズ・ルームなのか、ロシアSFの部屋なのか、それとも他のどこかでゲリラ的にやるのか……? まあそのへんは大会の規約と早川書房に従います。サイン等は随時対応いたします。

その他、この企画に出て欲しい等の要請がありましたらご連絡下さい。

なんか、岸和田はむっちゃ暑いともききますが……だいぢょうぶなのか>ぢぶん。

てなところです。どちら様もよろしくお願いいたします

2008年8月15日 (金)

『赤い星』表紙イラスト

124643 『ムジカ・マキーナ』、『ラー』に引き続き、加藤俊章さんにお願いした表紙、こうなりました!

もう、著者が余計な賞賛を並べ立てる必要はないですね! プロフィールの写真もこれにします! 内容がただでさえロシア&江戸リミックスという困ったシロモノ イラストが描ける人がいるんだろうか……と、それ自体心配の種でしたが、やっぱり加藤さんにお願いしてよかったです。

カバー裏の紹介文はこんなです。

ネット技術のみがいびつに発達した帝政ロシア支配下の江戸。ハッカーの町娘おきみは、吉原一の花魁・真理奈太夫から奇妙な依頼を受ける。現皇帝ボリスに暗殺されたはずのドミトリー皇子が秋葉原に潜伏している、その情報を収集してほしいと。公方様の落胤を自称する真理奈太夫は、ロシア皇后の座を狙っているというのだ。そんなある日、おきみは幕府の付け家老・シュイスキー公爵から、偽ドミトリーには関わらないよう警告を受ける。いったいロシア本土では何が起こっているのか? ペテルブルクで音楽修行中の幼馴染み・龍太郎の身を案じるおきみは、仮想空間ペテルブルクで謎の〈赤い星〉到来の噂を聞くのだが……異形のロシアを幻視する待望の最新長篇

この数年、本が出る直前はいっつもびびりモードでしたが、今回は久しぶりにわくわくモードです! ま、本分の方は、ややこしく解釈する方法もありますが、基本、幾つかの届かない愛と、それゆえの妄想の物語ですんで、そこさえ押さえてあればあとはどのようにでも解釈し得るかと……。あとは……あとは……SF大会に間に合うことを祈る……

2008年8月 9日 (土)

グルジアの母の像(と人海戦術)

著者校終わりました……『赤い星』はほぼ予定通りに出ます。っていうか、数日遅れる可能性あり。誰かに解説を書いてもらう計画はタイムアウトしましたとほほorz 今ちょっと体調に問題あり。SF大会の企画については……すんません、二、三日中に詳しく書きます。

で。

南オセチヤ情勢緊迫、グルジアとロシアが全面戦争の恐れも

 【モスクワ=瀬口利一】タス通信などによると、グルジア軍が7日夜から8日にかけて、同国からの分離独立を求める南オセチヤ自治州の州都ツヒンバリに進攻し、同自治州で平和維持活動を行うロシア軍司令部や兵舎などを空爆、戦車による砲撃も行った。

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 ロイター通信などによると、これに対抗して、ロシア軍がトビリシ郊外のグルジア空軍基地を報復空爆し、戦車部隊など地上軍もツヒンバリに向かっている。

 南オセチヤをめぐるグルジアとロシアとの対立は先鋭化しており、両国の全面戦争に発展する恐れも出てきた。

北京オリンピックよりこっちのほうがよっぽど気になる。

国力から考えたらグルジアは国を挙げて玉砕を覚悟したってロシアに勝てるわけがないのだけど、それでも戦うところが凄まじい。

グルジアには一度だけ行ったことがある。1986年の年明け早々。ペレストロイカなんていう言葉さえ無い、もちろんバリバリにソ連の頃ね。

当然、グルジアは「めいっぱいソ連」なわけですよ。というより、スターリンの出身地だったので、グルジア語の公式使用が許される等、むしろ他の共和国より優遇されていたくらいなのであった。私もグルジア語のイコンの本とか買ったですよ、珍しいから。

真冬のレニングラードから飛行機で直行したので、雪もなく、普通に果物もあり、のんびりした雰囲気のグルジアは「南国!」、「楽園!」という趣きさえありました。ワインも美味しいし(わたしゃ未成年でしたけどね(笑)。時効ということに(汗))、何ということもない乳製品がむちゃくちゃ美味しい。見学にいった芸術学校では、先生たちがお菓子とかお茶とか持ち寄ってきて予定になかった歓迎会を開いてくれたり。道端で知らないおじさんにいきなりクワスをおごってもらったり。ソ連は多民族国家なので、そのおじさんは私が外国人だということに気がつかなかったみたいなので、日本人だから特別扱いされたということではないらしい。バレエの先生がホテルにわざわざトウシューズを届けに来てくれたりもしたのだ。

要するに、グルジアというのは「そういうところ」なのですよ。地球上にこんなにのんびりして平和で親切な国があるということに(80年代の日本から行ったにもかかわらず)びっくりしたことです。

街中に「グルジアの母の像」というのが立っていて、右手にパンと塩、左手に剣を持っている。ガイドさんによると、その像の持ち物は「グルジア人は訪問者に対しては親友のようにもてなし、敵に対しては死ぬまで戦う」ということを意味するのだという。

あの時は、「まあその昔、あっちこっちから侵略されたコーカサスではそういうこともあっただろうけど、今じゃこの超平和な人たちが戦ったりはしないんだろうなあ」と思ったもんです。

独立をめぐって最初の内戦があったのはそのたった三年後。

彼ら自身が言った通り、立ち上がりの瞬間からしてすでに、今までずっとそうしてきたかのように当然の如く死ぬまで戦ってて、ニュースを見るたびにどんだけ愕然としたことか。

ソ連というシステムもグルジア併合の過程も、真に理想的なものだったたは思っていない。それでも、争い始めたらきりがないロシアとグルジアを友好的につなぎとめておいて、このまま何百年も維持し続けたら両者とも本当に「家族」になったであろうソ連という枠組みをたった五年程度で一気に崩壊させてしまった、というか、崩壊せざるを得なくしてしまったのは、果たして独立したグルジアにとってもいいことだったのかなあ、と疑問に思うことはある。まあ、こうやって事後に賢しげにあれこれ言うことは誰にでもできるわけですが。

でもなあ……本当にロシアとグルジアって、ここまで激しく戦うほど対立するようなものではないようにも思えるんですけどね……でもいったんここまで行っちゃうと、「なかったことに」とはしにくいだろうし……

でもやはり、たとえ信念を曲げてでもどこかで妥協しないと、結局は誰一人として報われる者のないことになっちゃうんじゃないだろうか。「信念を通す」のって、そんなに偉いことなのか。

オリンピックのショーアップされ過ぎた開会式を見て、こんなことやる必要あるんだろうか、とちょっと思ったりもするけど、でもやっぱり、大いなるムダでありながらもこういうイベントって必要なのかもと思うことです。

それにしても中国、どんだけ人がいるんだ…… ザ・人海戦術。人海戦術につぐ人海戦術。それでもなおかつ人海戦術。人口十億って、こういうことか……

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