暑いよう。練馬では37℃越えたって。猛暑の長期予想から一転「平年並み」になったけど結局観測史上二番目の暑い夏らしい。モスクワはどうなんでしょうねえ、などとちょっと考えてみる。いや、なに、「暑くてダルイなあ。日本にメールすんのも電話すんのも面倒だなあ」と、某翻訳者氏が思ったりするような気候じゃなければいいなあ、とね。それにしても、お盆休み期間に入ったら、がっくしとアクセス数減りましたねえ。みんな移動してるのね……。熱射病等にはくれぐれもお気をつけ下さい。って、アクセスしてない人にここで呼びかけてどうするのであろうか。
うちは二人とも夏風邪でダウン。昨日(いやもう一昨日か)も予定が入っていたんだけど断念。山王病院のアトリウムで東佐智子さんのコンサートがあったんですが……ううむ、これも「体調が悪くて病院に行けない」のヴァリアントだろうか(違)。
というわけ(?)で、だらだらとDVDを見て過ごす。
むかーし、まだ学部生だった頃だと思うけど、テレビ(BSか?)で『エスピオナージ』(フランス、1973年、アンリ・ヴェルヌイユ製作・監督)という古いフランスの映画を見た。何故見始めたのか忘れたけど、夜中に半分寝ながらだらだらと見ていたせいもあって、「あれって本気で作った映画なのか、それとも一種のパロディなのか……?」とずーーーーーっと疑問に思っていたのであった。
でもって、結局、あまりにも気になるのでDVDを買ってしまったのです。バカだねえorz
で。
久しぶりに(寝てない状態で)見たわけですが……。そ、そうか、これって、本気で作ったんだったのね、ということが判明。いや……まあ、なんちうか、少なくとも意図的にパロディをやってるわけじゃないよなあ、と。
ストーリーはこんなんです。ネタばれ注意。いやあ、あのかなり分かりにくいストーリーをよくもこんなにスッキリとまとめたなあ、と感心するばかりです。さすがキネ旬。
しかし……。CIAのハイテク捜査っぷりとか、重要参考人(お色気系人妻)に「フランス語で話して下さらない?」と言われるとペラペラとフランス語を喋りだすCIA捜査官とか、隠し撮りのはずなのにパンしたりアングルが変わったりするカメラとか、トルコ側で撮ったという写真が実はソ連側で撮ったものだということがアララト山の形で分かりましたぁ、とか、スパイの容疑者や要人に揺さぶりをかけるネタがどれもこれも痴情がらみとか(お前らは全員007か(笑))、なんというか、その、ツッコミどころだらけなのですよ。情事ネタまみれなわりにはスパイものの王道(?)とも言うべき「要人にハニートラップ」はやらないのね……(まあこのパターンの脚本は労力の割には陳腐にしかならないので、監督としてはやりたくないだろうなあ、と、小説を書く人としては思うわけですが)。あと、アクション・シーンが皆無なところがやっぱりハリウッドものとは違うところか。でも、CIAの苦労と成果は政治的判断によってチャラにされてしまう、というアメリカものドラマのパターンはここでも健在(笑)。やっぱり諜報関係はツライなぁ……。「国益」って何だろう?とか考え始めたらキリないし。やはりなるんだったらスパイよりFBIの超能力捜査官だな(笑)。
キャストはユル・ブリンナー、ヘンリー・フォンダ、ダーク・ボガード、フィリップ・ノワレetc.と異様に豪華。なのに誰も知らないに等しい映画。やはりツッコミどころ満載のB級映画という扱いなのでしょうか。まあ……仕方ないと思うよ、正直(笑)。
それにしても、この映画から20年も経たないうちにソ連が消滅していたという事実が一番ビックリだ。70年代、まだ「スパイ合戦」がどことなくロマンチックだった時代……。今や「スパイ」が人気薄の職業になっちゃって、SISが新聞に「スパイ希望者募集」みたいな広告を出した、というのが話題になったのも何年も前のことだ……(遠い目)。そういやありさとさんに「高野史緒の小説には必ずスパイが出てくる」と書かれた時、「そんなバカな!」と思ったもんですが、よーく考えてみたらその通りでした(笑)。次の小説も……よく考えたら、その通りだ……。結局アコガレがあるのだろうか。まあ『エロイカより愛をこめて』を読んで育った(そして今も読んでいる)世代ではありますが。
『エスピオナージ』、決して「オススメよ!」と言えるような映画ではないけど、同好の士(「エロイカ」好きとか)はいちおうチェックかもだよ。さ、エロイカの「皇帝円舞曲」でも読み返そうっと。そうしているうちに風邪が治ってくれるといいんだけど。というか、早く寝ろよ>自分。
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