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2007年8月15日 (水)

第9中隊

戦争つながりでこんな映画の話題にしてみる。

最近、「第9中隊」で検索に来る人が微増。特にどこかで話題になったというわけでもないようなので、関心を持つ人がコンスタントにいる状態になってきた、ということかなあ、とちょっと希望的に考えたり。

「第9中隊(9 рота)」(フョードル・ボンダルチュク監督、2005年)は、2005年のロシアの興行収入№1になった映画。ロシアでは確かハリポタも越えたはず。ボンダルチュクの名前で「あ」と思った人はけっこういるのでは。そう、フョードル・ボンダルチュクは「戦争と平和」のセルゲイ・ボンダルチュクの息子だそうです(ちなみに、タルコフスキーの「惑星ソラリス」のハリー役のナターリヤ・ボンダルチュクもセルゲイの娘)。

時は80年代末、ところはアフガニスタンの前線……。ソ連にとっては最大のタブーの一つでもあったアフガン戦争の映画なのですよこれが。しかも撮影はロシア軍の全面協力の下に行われたということで、ヘリやら装甲車やらは本物! ううむ……NASAが「カプリコン1」の撮影に協力したようなものでしょうか(違)。

まあ早い話、ロシア版「プラトーン」といったところでしょうかねえ。(以下けっこうネタばれですが)第9中隊に配属された若者5人を中心とした群像劇。異郷で厳しい訓練を受け、補給路確保のために多大な犠牲を払いながら、部隊はかろうじて勝利するものの、実はソ連軍はすでに撤退を始めていて、超僻地にいたこの部隊には知らされていなかった……(って、ここでこんなこと言っちゃあなんですが、その大雑把さがとてもロシアっぽいよ。でもこれは実話だそうです。なおさらロシアっぽい……)。主役5人のうち生き残ったのが1人。命を賭け、友を失い、莫大な犠牲を出した挙句、実は必要のなかった戦闘……。この時、この最後の主人公が号泣するのですが、この演技が凄い。それは「演技」か?っていうくらい凄い。戦争の悲惨さを「表現する」とか、その悲しみを「演じる」とかのレベルではないというか。これ見ちゃうと、ハリウッドものなんて、演技力がどうこう言ったって、所詮はスターをカッコよく撮るだけの娯楽なのねー、と思っちゃう。

実は主演もボンダルチュク自身。そういや父セルゲイも「戦争と平和」で主演してましたね。「戦争と平和」も、あのながーーーい映画を延々7時間見続けて観客もいい加減疲労が限界に達して来た頃、長回しで何分も途切れなく続くナポレオン軍の退却、あの勝者も捕虜も何の区別も無く、自分たちが何のために何処に向かおうとしているのかも分からなくなるほど疲弊して、ただただ行軍するというあの「描いている」とか「表現している」とかじゃない段階がやってきますよね。もう、限りなくあれに近い。

私はさー、これは絶対、日本でも上映すべき映画だと思うのですよねえ。というか……私はですね、今年はこれをオープニング作品にした映画祭を夢見ていたのです……orz ら、来年こそは……って、部外者のワタシ一人が思ってても意味ないんですが。

実はうちにDVDあるんですが、何しろリージョン1でPAL方式、どう見ても定員一名な井上の仕事場(「腐海」と呼ばれている)のプレーヤでしか見られない上、当然だけどロシア語オンリー。井上はめんどくさがって訳してくれないし。幾重にもワタクシの手からは遠ざけられたフォービデン・ゾーンなんですわ。この手の文句を何年も言い続ける間にロシア語の勉強でもすれば、というツッコミはただいま受け付けておりませんorz

せめてパンドラあたりで買い付けないかなあ。

#「第九中隊」の検索語で来られた方、ついでにこちらも見ていって下さいな。「ソクーロフ最新作 『チェチェンへ アレクサンドラの旅』」

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ロシア・ソ連」カテゴリの記事

コメント

ボンダルチュクといえば! 次回作の「収容所惑星」のほうに期待したいッス!!
映画・ゲームつながりで、「ストーカー」と「収容所惑星」、再刊してくれないかなー。手を入れたいところがあるんすよねー。

あ゛~「収容所惑星」も早く見たいですねえ。来年こそ映画祭をやってもらわんとねー。

まずモスフィルムのシャフナザーロフとロシア文化フェスティバルの実行委員ががココロを入れ替えてくんないとねー。

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