2010年
ソ連崩壊つながりでだらだらと映画の話をしてみる。まとまった評論でもなければ、有益な情報もありません。ただの雑談です。
『2010年』、1984年の映画でっせー。気がついたらちょっとショックだった。いろんな意味で。科学万博以前だぞ。もうこの頃には「2001年になったって月面基地なんかないよなあ」とすでに気づいていたけど、まさか2010年どころか2001年を待たずしてソ連が無いとはねえ。諸行無常である。
それにしても、DVD見てると、『2001年』の宇宙船デザイン、『2010年』当時はもちろんのこと、今見ても色褪せない秀逸さだったことに気づかされます。すごいなあ。『2010年』のレオーノフ号のデザインは、科学万博ソ連館の雰囲気そのもので、「ソ連が有人惑星間飛行の宇宙船作ったらこんなデザインになるだろうなあ」とシロウトはあっさりと納得させられてしまうのですが。少なくとも、「それっぽい」雰囲気満載。ヘレン・ミレンのロシア語や「ロシア語訛りの英語」も、私なんかは「それっぽい」と思っちゃうのですが、井上に言わせると「ま、がんばってるんじゃないの?」とのこと。おいおい、てめえにとっても外国語だろうが。
大気ブレーキだの、縦にぐるぐる回るディスカバリー号だの、イオが足下に広がるEVAだの、凹む木星だの、「恐怖映像」も満載。ううっ、少なくとも、回るディスカバリー号だけは勘弁して欲しい……orz あれは怖すぎる……
それにしても、ロイ・シャイダーがヘイウッド・フロイド役って、なんか違和感ないですか? 私は何度見ても馴染めないんだけど……。演技力がどうとかじゃなくて、なんつっても宇宙が似合わない(笑)。
現実にはこんだけ地球が温暖化に怯えているのに、当時は木星が恒星化するのを無邪気に喜んじゃってるのも、今見ると怖い。沈まない二つの太陽なんて、悪夢以外の何物でもないよねえ……
ソ連が無いのはまあしょうがない(?)としても、まさか宇宙開発関係がこんなに減速するとは。今現在、ISSにプログレスもスペースシャトルもドッキングしているのは感無量だけど、軌道上に使えるステーションが一個しかない(しかも作りかけ)ってのはショックだ。NASAの衛星軌道追跡サイトに行くと、「The Station」とだけ表示されてたり。……そりゃ一個しかないからねえ。
微妙なレトロ・フューチャー、『2010年』。そのノスタルジーと、最後に全てを知って自らを犠牲にするHAL、HALに信頼を託するチャンドラ博士の場面が好きで、結局DVDを見てしまうのだった。
ところで、冒頭の電波天文台のシーンでのロイ・シャイダーがドクター秩父山に見えるのは私だけですか(笑)?
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コメント
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田中圭一にかーなーりー毒されてますねー。そのうち、モノリスがおええ鳥に。。。
それよりも、フロイド博士がAppleⅡcを使っているのがすでに痛いです。
投稿: おーの | 2007年8月13日 (月) 21時48分
機種が特定できるような「リアリズム」を追及しなきゃーいいんだよねえ。あと、デイヴ・ボーマン夫人が見てるテレビにパンナムのCMが入るのも痛々しい。
投稿: ふみお | 2007年8月13日 (月) 22時23分