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2007年7月29日 (日)

【SFワールドコン】ロシアSF企画中間報告

一体、何と何の間の「中間」なのかということはさておき。

ワールドコンまであと一ヶ月になりましたねえ。なんかあまり外に情報が出ないので、「本当に準備してるのか?」「この企画とかあの企画とかは本当にヤルキあるのか?」等々の疑問もあちこちで発生しているようです。mixiのコミュでは「下手な詐欺師に空気を売りつけられている感じ」とか言われちゃってますね(笑)。いや、SF作家クラブの範疇で準備してる自分でさえ、下手な詐欺師になって空気を売りつけようとしている気がしなくもなかったんで、参加者が不安に思うのも当然かと。

で、なんか内々ではタイムテーブルが出てますが、何故か外部持ち出し禁止を言い渡されてますので(まだ変更がありえる、ということかなあ)、これはここで出しちゃったらだめなようです。でも準備はちゃんと進んでます。スタッフの皆様はとってもがんばってます。SF作家クラブもがんばってます。

ロシアSF企画は「本当にヤルキあるんかい」と思われてる企画の一つのようで、概要だけでも発表したら?とさんざん言われて来ましたし、なんかいろいろ憶測を呼んじゃったりしてるみたいで。いやあ、あまりにも不確定要素が多かったのと、ある部分で外惑星を経由して火星に行くみたいな状態になっちゃってたので、発表できないことが多かったのですすいませんすいませんorz でもあちこちに企画のタイトルやゲストの名前がもう出ちゃってますので、現状について説明できる限りのことはご説明いたしたいと思っておりますです。

ヲタクエクスプレス 東京発モスクワ行き!

メインゲスト:ドミトリー・ヴィクトロヴィチ・コワレーニン(翻訳者・ヲタ研究家)

パネラー:沼野充義(東京大学大学院教授・ロシア文学)、大野典宏(ロシアSFの人)、高野史緒(作家)

ロシアにおける超日本ブーム(ヲタマンガからゲイシャ・スクールまで)、ルキヤネンコの日本ネタSF、日露ヲタ交流等と今後の展望について、パネルデイスカッションで行き当たりばったりに語り倒します!

タイトルは当然、エロフェーエフの名作『酔いどれ列車 モスクワ発ペトゥシキ行き』のパロディですけどまあそれはどうでもいいですかそうですか失礼いたしました。ドミトリー・ヴィクトロヴィチはSFの専門家ではなくて、一般には村上春樹のロシア語版の翻訳者として知られている人です。が、実はヲタ的サブカルチャーの研究家でもあって、それ系の話を聞くとむちゃくちゃ面白い人です。なんかロシアでも日本でもいつまで経っても村上春樹の付属物のような扱いを受けてますが、正直、私はこの人は単体で売り出すべき逸材だと思ってます。

というわけでドミトリー・ヴィクトロヴィチを呼びたいわけですが、やはし問題は資金なわけですよ。もちろんワールドコンはプロもアマも等しく自力参加が原則ですが、作家とか翻訳者ってーのはごくごく一部の人を除いて、基本的にはカネがないもんなんで。ロシアも潤ってるのはエルネギー関係の大企業とか、そいつらにブランドもの売りつけてる人たちだけなのよー。ゴルビーだって先月、日本に来てそういうこと言ってたのよー。国際交流基金も大学ももう招聘の枠がないのであった。もっと早く動ければよかったんだけど、ワールドコンの日程とかゲストの予定とかと、いろいろ様子見な要素が多くてですねえ……。ってなわけで、誰かスポンサーでもいない限りどうにもならん、ということでスポンサーを探してたわけなんですが……

まあ結局万策尽きて大使館のえらいひとに相談しちゃったわけですな。でもこっちも相談するのが遅すぎた……っていうか、向こうも動いたのが「ロシア時間」だったし……いやまあ、一番忙しそうな時期だったんで仕方ないけど。連絡があった時にはびびりましたよ。もうとっくにバックレられてると思ってたので。というか、そもそもは文化人招聘の助成金について相談できる機関はないか、という話だったにもかかわらず、どういうわけかえらいひと本人がいつの間にか自分でスポンサー探ししてたし……というわけで、文句の言いようはないわけですよ。ワールドコンの話を真面目に取って動いてくれただけでもありがたいわけです。なんでこういう話をしているのかというと、ロシア関係、「あてにならない」とか、「日本に対してヤルキない」とか思われがちだし(って、もしかして私もそういう認識を広めてるのか(笑)?)、特に政府関係は冷淡だと思われてるんで、そうじゃないという話もしておきたかったのです。上記のえらいひとによれば、ロシアも近いうちに国際交流基金のような機関を設立するという計画はあるそうです。……って、その計画も「ロシア時間」で進むんだろーなー(笑)。

まあこれ↑が「外惑星経由で火星に行く」話です。フライバイしちゃいましたけどね~。よく考えたら、なんで隣の国から友達一人呼んできて小一時間喋らすだけなのにこんなに大げさな話になっちゃってるんだって話ですが。

ってとこですが、ゲスト招聘は諦めたわけではありませんです。企画も今は「変更なし!」ということで。あとはちょっと気まぐれちゃんなドミトリー・ヴィクトロヴィチのヤルキ次第かなあ……

まあ現状はそんなところでございます……

あ、それから、私は「スチームパンク/歴史改変」企画にも参加します。こっちもまだスケジュール発表しちゃったらいけないのかしら。可能になり次第、お知らせいたしますです。

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2007年7月27日 (金)

ロシア文学と映画

これもまた「誰がつけたんじゃ」というタイトルですが……

ちうことで24日火曜日、文京シビックセンターで『少年たち/「カラマーゾフの兄弟」より』(1990年/レニータ・グリゴリーエワ&ユーリー・グリゴリーエフ監督)+亀山郁夫&沼野充義トークと、『私は二十歳』(1962年/マルレン・フツィーエフ監督)の上映なんていうのがありました。私は投薬ローテーション上どうしても変更できない予約が病院に入っていたので後半のみ参加。

『少年たち』は、『カラマーゾフ』のイリューシャのエピソードのところだけを抜き出して映画化したもの。さすがにあれを全部映画化するのは難しいですわな。原作に忠実に映画化するというのが監督の長年の望みだったそうで、ペレストロイカ後にようやく実現したのが本作。そうであるだけに、原作再現度はめっちゃ高いらしいです(私は見てないんで、歯切れの悪い話ですんません)。ちなみにいじめっ子コーリャ・クラソートキンを演じているドミトリー・ドストエフスキーは、ドストエフスキーのマジ子孫だそうです。

「亀ちゃんVSぬまのっち」デスマッチの第二ラウンド(司会はウチのセンセイ、井上徹でした)は……あんまりデスマッチじゃなかったらしい。さすがの亀山さんも日曜日のシンポジウムでアドレナリンとセロトニンを分泌し過ぎたのか。録音でもしといてもらえばよかったなあ。

そして最後の『私は二十歳』ですが……さすがに198分は長いよ……orz いやしかし、そうであるだけに今回見なかったら一生見なかったかも。早い話、若い男女が出会ってから別れるまで、みたいなストーリーなわけですが、ソ連のいわゆる「雪どけ」期の世代間の考えの違いや若手芸術家の活動等が織り込まれていて、それ自体が要ともなっている映画。

「若手芸術家の集い」のシーン(詩の朗読を延々とやるわけですよ、これが!)には、ヴォズネセンスキーやエフトシェンコ等本人が出演。トリで歌ったオクジャワ……わ、若い……(当たり前)。実は若い頃のタルコフスキーなんかも端役で出ているらしいんだけど、さすがにこれは分からなかった……

しかし、何よりも映像と音が美しいですね。私は視覚芸術に関しては今ひとつ鈍感かもしれない系の人間ですが、これは美しいと思った。カット割りは長くて、こういう映像作りってタルコフスキーやソクーロフにつながってゆくのだろうか、と思うところもあり。音響も、音楽のみならず、効果音すべてにわたってかなりこだわって作っている様子。とても60年代初頭とは思えないいい音。

実はこの映画、ペレストロイカ後に作ったディレクターズ・カット版があるらしい。うーん。しかし……どうなんだろう。見てないから何とも言えないんだけど、この「雪どけ」時代ヴァージョン自体、作品としてとても優れていると思うので、果たして思想的に自由な状態で監督の思い通りに編集したからといって、「作品として」これ以上に優れたものになっているかどうかは保証の限りじゃないとは思う……

平日の企画であったにも関わらず、延べ500人ほどは来場したそうで、イベントとしてはけっこう成功であった様子。『私は二十歳』の入場者も、わりと若い人が見に来てたのでした。よ、よかった……

その後、映写にタダ働きで協力してくれた(アキバで知る人ぞ知る)千田浩司さんと井上と私でラクーアのインド料理を食べに行ったら……ドームの巨人戦は終わっていないらしくて、ついにラクーアの飲食街は混まないままオーダーストップ。ううむ、こちらも平日なのにお疲れ様でした……

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2007年7月24日 (火)

ヴィヴァ! カラマーゾフ

って、誰がつけたんじゃ、ってタイトルですが。

いや、実際、昨日そういうシンポジウムがあったのです。本郷キャンパスで。光文社古典新訳文庫で亀山郁夫さん新訳の『カラマーゾフの兄弟』がえらい売れているそうで(全五巻累計で23万部、って……マジですか?)、その新訳版完成記念ということで、この文庫での露文学翻訳者たちを集めてシンポジウムをやろう、というわけで。

前半は以下の面子でパネル・ディスカッション、後半は「ぬまのっちVS亀ちゃん」のデスマッチ一本勝負。

ロシア文学古典新訳を語る——翻訳家大集合(パネルディスカッション)

浦 雅春(東京大学教授、ゴーゴリ『鼻/外套/査察官』訳者)
望月哲男(北海道大学教授、トルストイ『イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ』訳者)
安岡治子(東京大学准教授、ドストエフスキー『地下室の手記』訳者)
沼野恭子(NHKテレビ「ロシア語会話」講師、トゥルゲーネフ『初恋』訳者)

司会:毛利公美(東京大学文学部現代文芸論研究室助教)

徹底討議——ここがすごい、『カラマーゾフの兄弟』

亀山郁夫(東京外国語大学教授、『カラマーゾフの兄弟』訳者)vs沼野充義(東京大学教授)

前半は、日本語に訳する際の文体をどうするかの工夫について、「こう訳するのは文章としてはぴったり合うけど、ロシア的な考え方、感じ方を伝えているとは言えない場合どうするか」等、翻訳をやる以上、どうしても直面せざるを得ない話がメインに。テーマとしてはありきたりといえばありきたりかもしれないけど、各訳者とも、どの本のどの部分が、という具体的な例を挙げながらの話なので、内容は濃い。

後半はもっと「分かる人(旧訳を何種も読んでいて、新訳も読み込んで、かつ原典が分かる人)には分かるけど、分かんない人には分かんない話。すんません、わし、分かんない人ですorz。そもそもロシア語わかんないし、「カラマーゾフ」はドストエフスキー好きを自認する割には実はあんまり思い入れが無くて(『白痴』派なんで)、実は新潮社版も全然読み返していないのであった。新訳もまだ読んでないよう。しかし、デスマッチというにはほど遠く、まあ面子が面子なので、やはり馴れ合いになっちゃいますね。二人とも「時間が無いから省略しますが、本当はもっと言いたいことが」とすぐ言うのであった。不完全燃焼感炸裂である。

というわけで(はないけど)明日、24日火曜日(この日記をupするころにはもう「今日」になってるかも)に、ぬまのっちVS亀ちゃんデスマッチ第二ラウンド開催です。でもよく考えたら、夏休みとはいえ平日じゃん。しかも私はどうしても予約変更できない予約が病院に入っているのであった。とほほ。というわけで、明日デスマッチ・レポートは多分、無いです。

シンポジウムの後はたいてい飲み会なわけで、この日も当然飲み会。50人近く来て、お店的には多分迷惑な臨時貸切り状態……。亀山先生は酔った勢いか、普段のテンション通りか、いろいろと新案を提唱しておられましたが……そのうちまたなんかイベントがあるかもしれません。

それにしてもみんな、すでに何種も翻訳のある古典ばっかり訳してないで、なんか新しいもの訳してよ! ルキヤネンコとか、ラザルチュークとか!

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2007年7月18日 (水)

ペテルブルクはスシ・ポリスの夢を見るか?

いや~、なんか、ホントにやるみたいですねえ、スシ・ポリス。今日、発足とか何とか(ソースないけど)。真面目に論じてる人もいるけど、私のようにウィリアム・ギブスンっぽいものとか、セルゲイ・ルキヤネンコっぽいものとか、成田空港のお土産やさんとかが好きな人にとっては、正直、たまらん(快)!と思っちゃうわけですよ(笑)。

ニューヨーク近郊のある町に出張した友人が、「日本食と称してハンパにエスニックなチャーハンとか、マッシュルームが一片ぺらっと浮かんだコンソメスープみたいなモノが出てきて、とても21世紀とは思えなかった」とか言ってるのを聞くと、そりゃちょっと何とかしないとマズイかなあ、とも思うし。だってニューヨークのすぐそばだよ? でもロンドンのラーメン屋が誰に対してもデフォで箸を出したり(でもこの箸が中華の箸な罠)、だいたい味噌ラーメンなんだけどなんか微妙なものを出してきたりすると、なんか嬉しいし(ギブスン好きだから(笑))。このままでもいいじゃん、とか思ったり。

Peterburgsussi そういや2005年にペテルブルクに行った時、ホテルのエレーベータにこんなメニューが貼ってあったのでした。

どうやら部屋からオーダーしてのデリバリーのみらしい。左の列はネタがそのまま乗ってるやつで、右はどうもたたきっぽいですね。MaguroとかSakeとか書いてありますなあ。分かんないのはUnagt。何だUnagtって? 何か古代エジプト語っぽいぞ。本当は何て発音するのか分かりません、みたいな(笑)。

……………………。

あ。

もしかしてUnagiですか?

いや、もしかしたら書体でUnagtに見えるだけで、本当はちゃんとUnagiと書いてあるのかもしれん。

それにしても、あのプラスチックの飾り(何ていうんだっけ? あれ)とか、ワサビとかがちゃんとついてますね。ガリらしきものも写ってるし(なんか味噌の塊っぽく見えるけど、ガリだよね?)。何かその異様なまでの「リアリズム」が怖いよ(笑)。「あがり」までついてきたら引くよ(笑)。1カンで48~96ルーブル(今の相場で220~480円くらいか)というのは高いのか安いのか……

どっちにしても、私なんかは今思い出しても顔が緩んじゃうくらい嬉しい。好きだよこういうの。たまらん(笑)。

食べてないので味的にはどうだかわかりません。右列のたたきにしたやつっぽいのはスシ・ポリス的にはまだOKかなあ。ウナギたたいてどうすんじゃとかは思うけど。

でも、たたきにして混ぜると美味しいらしい。うわあ、これ、やってみよう! まさか日本の一般家庭までチェックしに来ないよね(笑)。とかいってたたいているうちに『マイノリティ・リポート』の警察みたいなのが突入してきたらどうしよう……

やっぱり誰かルキヤネンコ訳してよ……。1998年6月のSFマガジンのロシアSF特集に載った「未調理のフグ」みたいな「なんちゃって日本もの」がたくさんあるらしいのよ。ねえ大野典弘さん? 何とかしてぇ~!

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2007年7月14日 (土)

チェコ天文学最前線

なんていうイベントが昨日あったので、井上に牽引してもらって出かける。

チェコと言えば肉とビールとシュヴァンクマイエルなわけですが(良い子は鵜呑みにしないように)、チェコ+天文学といったら……まあフツウ、そっち方面を連想しますよね。心拍数と血圧が上昇する組み合わせですがな。しかし講師は神戸大学大学院理学研究所の助教、阿部新助さん。ううむ。完全に理系の人ではありませんか。一体どういう話になるのか……と思っていたら、全く想像だにしなかったような内容だったのだ!

会場は大使館内にあるチェコセンター。おおお、ここはめちゃくちゃ敵が多いロシアやアメリカと違って(笑)、表立った警備を全然していない。少しは警備しようよっていうくらいだ。平和だなあ。広尾駅から聖心女子大学をぐるっと迂回するように坂の多い道を行くので、草履で歩くには厳しい。都心の意外な辺鄙な場所の一つであろう。チェコセンターは展示室やホールを有し、随時イベントをやってるそうだけど、なかなかここまで来るのが大変だ(それにしてもこのサイト、日本語のページは無いんかい!)。聴講者は女性が多く、ううっ……世代が若いなあ。いいなあ、こういうの。

阿部さんは若手の男前理系男子であった。流星・彗星・小惑星等の太陽系小天体の観測や解析がご専門だそうです。序盤にはチェコの天文台にいた頃の話や、流星群の原理、彗星の二本の尾等々についての比較的とっつきやすい話で、徐々に惑星探査機(特に「はやぶさ」)とかのディープな話に。で、初めて知った驚愕の事実。チェコって、流星の軌跡解析やスペクトル分析では先進国なのだそうだ。今では世界中に普及した解析法もチェコで開発されたものが多いのだという。何年か前に、大気圏に突入しながら燃え尽きもせず隕石にもならずそのまま大気圏を抜けていった流星(東京上空であったそうだ。知らなかった……)のデータも、チェコまで持っていって解析したのだという。

今のところ、流星のスペクトル解析の結果、その流星の「出身地」が分かった例はないのだそうで(もちろん流星群のように「出身地」がはっきりしている場合は別だろうけど)。月由来、火星由来の隕石は地球上で確認されているのに、不思議だなあ。単に確率の問題なのかなあ。もっともっとたくさん流星が解析されれば、「あの時のあの火球は火星から来たものだった!」なんていうことが分かったりするのだろうか。

ああ……やっぱり宇宙はいいなあ。と、ちょっと呆然としたまま広尾でゴハン食べて帰宅。当然のようにホルストの『惑星』を聴いてから寝たり。しかもマシューズの「冥王星」付きのやつね(笑)。そういや去年、冥王星の「格下げ」が決定された因縁の地もチェコだ。

やっぱり宇宙はいい……地上には忘れたいことがいっぱいありますねん。特にロシアには。

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2007年7月12日 (木)

90年代テクノ

51jgkns385l_aa240__1 The Orbのコレがいつの間にか3枚組になって再販されていたので、つい買ってしまう。あああ懐かしい。90年代テクノ。

90年代前半、きっかけは何だったか忘れたけど、けっこう英国のこれ系の音楽を聴いていたのであった(その結果が『ムジカ・マキーナ』になったわけですが)。既存のバンドなんかもこの頃けっこうテクノ化してて(ペット・ショップ・ボーイズとかイレイジャーとか)楽しかったなあ。YouthがやってたBlue Pearlなんてプロジェクト、誰も覚えてないだろうなあ。さっきアマゾンで見てみたら、アルバムが48円からだった。うわーショック。あり得ん……orz

でも今思えば、あのCDとかこのCDとかそのCDも買えばよかった……。今聴いたら「しょうもな!」と思うんだろうけど。でもAce of baseとか2UnlimitedとかProdigyとか買えばよかった。列挙してるだけでなんか恥ずかしくて笑っちゃいますが。

90年代も半ばになるとYouthがKilling Jokeのベースに復帰したりとか、Willam Orbitが私にとっては待望……であるはずなのに100年の恋も冷めるようなだめぽなクラシックネタのCD出したりとか、Sealとトレヴァー先生のタッグがテクノ離れしたりとかで、ジャンル全体が私にとっては何となく色褪せてしまったんだよねー。95年に私にとっての真打BTが登場して以降、BTとUnderworldくらいしか私にとっての「生き残り」はいないし、新規開拓は失敗し続けているんだけど(関西テクノのCDとかちょっとチェックしたりしてるけど、なんか今ひとつハマらない)、当時のCDを聴くと今でもハマるので、年取ってジャンル自体について行けなくなったわけでもないようなんだよねー。

なんかいい新譜ないですかねえ。って、まずはThe Orbの新譜をチェックするべきでしょうか。それにしてもアレックス・パターソンって今、何歳だ? すっかり理屈っぽい常識派のじいちゃんみたいな容貌になってますが。

まあとりあえずこれ聴こう。懐かしいなあ。もっとも、例によって私の時間感覚は狂ってるので、15年以上前のCDという気はしないんだけど。感覚だけを頼りにするなら、これと日韓共同開催のワールドカップとどっちが昔なのか、実はよく分からないのであった(笑)。

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2007年7月 6日 (金)

もしかしたら行かなければ良かったかもしれない「国立ロシア美術館展」

あ゛~、すんません。ちょっと沈没中で。体調もわろし。ただでさえ今頃の時期は年間最悪の「底」なんだけど……その他にもまあ、いろいろとございまして……。下記のさだまさしコンサートの後にも、今週は連日コンサート等の予定があったのですが(実は今日もあった)、出かけられないヒトになってしまって全部没……orz ま、ちょっとは出かけられるのが午後の明るいうちだけかなー。でも自分はまだ大丈夫だと自分に納得させるためなのか、それともただ単にもう終わっちゃうからしょうがないからなのか、上野の東京都美術館に「国立ロシア美術館展」を見に行ってきました。もう明後日で終わっちゃうつーの。

ペテルブルクのロシア美術館の収蔵品を持ってくる企画。いちおう美術館単位では「本邦初公開」ということだけと、何点かは十年以上前に日本に来たもの(ヤロシェンコとか)。

いやしかし……はっきり言ったほうがいいよね……わたしゃかれこれ四十年生きてますが、こんなに活気のない特別展は初めてっす。

そしてこんなに観客の年齢層が高い展覧会も見たことない……。そりゃ軸ものの展示なんかは年齢層は高めになるけど、どこの展覧会にも必ずいるはずの「いかにもアート系でーす!」というカップルを二時間中一度も見かけなかったのは初めてだ。

そして会期末なのにこんなに人が入っていない特別展も、全然なかったわけじゃないと思うけど思い出せない。展示がマニアック過ぎて(国立西洋美術館の「聖杯」展とか)人が少ない展覧会もあったけど、そういうマニアック系は見に来てる人の覇気が違うし、展示品を選んだ側の覇気も違うので、案外、生命力があるもんです。

しかし……

まず何と言っても今回の展示、作品の選び方を間違えたとしか言いようがない……。そりゃロシア美術館の主戦力であるレーピンやアイヴァゾフスキーを多めに持ってきたのは良かったと思う。私もペテルブルクで見てないものを見られたから嬉しいし。その他も一点一点はもちろん秀逸なんだけど、でもね、それでもやっぱりあえて言おう、選択を間違えた、と。

何故マレーヴィチを持ってこない? 何故バクストを持ってこない? 何故レーリヒを、フィローノフを持ってこない? つーか、ロシアン・アヴァンギャルド完全黙殺かよ!

展示の統一性がなくなる? そんなちいせえことを気にしていて展覧会ができるかってぇんだよべらぼうめ。あまりにも「まっとう過ぎる具象画」ばかり持ってきた結果、全体としてはなんかこう「滅びた古い文明の名残」展、みたいな感じになっちゃってるじゃん。実際のロシア美術館はこんなんじゃないんだよう、信じてくれええ(泣)。こういうまともすぎるアカデミックな絵からフィローノフの狂った偏執画(?)、セ-ロフの舞台美術、ラヴクラフトが絶賛したレーリヒ、そして言わずと知れたシュプレマティズムの雄マレーヴィチ等々まで(というか、実は民芸品とかもある)があの広すぎる館内に展開してて、多分日本人のほとんどが想像したことさえないであろうロシア美術の広大無辺な世界が広がってたりするのです。

なのに……

アカデミックすぎる展示を年配の人たちが黙って見ているだけの特別展になってしまったよ。90年代に似たような傾向で何度かロシア美術の展覧会があったけど、その時はこんなじゃなかったんだけどなあ。実感として、この10年くらいで急速に事態が悪化してるような気がするわけです(というか、「気がする」だけじゃないわけで)。なんかもう、私一人が何言ってもムダかなあ、という無力感が……。失敗したジャンヌ・ダルクになる悪寒。もうね、ロシアはいっぺん、日本での文化交流の担い手が高齢化の後にいなくなるというカタストロフに直面してショックを受けるべきかもね。再建に半世紀はかかるだろうけど。

精神的ダメージが大きい……。ううっ。もしかしたら行かなかったほうが気が楽だったかも。

ああせめてマレーヴィチ一点だけでも……orz 「黒い正方形」を持ってこいとは言わないけどさー。そういやロシア美術館は、ミュージアム・ショップで「マレーヴィチ・マトリョーシカ」を売っているのであった。ものすごく高価なシロモノで、丸の数を見ただけで買う気ナッシング。いやでも本当は欲しいです。

あと二日しかないけど、駆け込みで行こうと思ってた方々、お薦めしないです……orz どうせならペテルブルクの「本物」に行っちゃいましょう。もっとも、ペテルブルクなんて街が実在すれば、の話ですが(笑)。いや、あれは幻覚だから。泥炭地にピョートル大帝の丸木小屋の残骸が残ってるだけだから。

Russianmuseum というわけで、まとまりのない感想を書きつつ、こんなものを貼って終わりにしよう。2005年に私が撮ったロシア美術館の写真です。スゲー曲がってますが(笑)。

あまりにもダメージが大きかったので、帰りに科学博物館に寄ってミュージアムショップの恐竜ネクタイを買った。ちょっとは気が晴れた……かなあ……?

何故かロシア文化フェスティバル2007のプログラムじゃなかったということに今の今まで気がつかなかったのですが、もともと、「周辺情報も」というつもりのカテゴリなので、こっちに入れときます。

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2007年7月 1日 (日)

まさしんぐWORLD 2007

いきなりさだまさしだよ(笑)。チケットを頂いたので、急遽、行ってまいりました。いやあ、こう見えても中学生の頃は毎週「セイヤング」を聞きつつオーケストラで酷使したフルートを磨き、高校~大学の頃は合唱の練習から帰ってから「セイヤング」を聞きつつ漠然とした小説の構想を練っていたのは秘密だ(しかもその後も生き延びて本になった構想が二つあるのはなおさら秘密だ)。

国際フォーラムAホールという、あのどうしようもなく巨大なホールが二日にわたってソールドアウトなのであった。恐るべしまっさん。前座はチキン・ガーリック・ステーキ佐田玲子。CGSはア・カペラ・グループというか……人間カラオケというか。スゴイっす。おお、リーダーはゲルマン・グレフ経済発展貿易相ですね(笑)。佐田玲子はもうちょっと若い頃のまっさんに声も歌い方もそっっっくりになってきました。高校生の頃、イベントで握手してもらったことがあるのはヒミツだ(笑)。

まっさんのコンサート本体は、前もってファンクラブでリクエストしてもらった上位100曲をリストアップし、上位3曲と、あとはその場でくじ引きして歌うという無謀な企画。トークも10ネタからくじ引き。ということで、セットリストは以下の通り。こういうの、昔はコンサートが終わってから人力で書き写したりしてたもんですが、今はケータイカメラで撮っちゃえばいいんだからラクになったもんです。

1.主人公 2.夢ばかり見ていた 3.雨やどり 4.道の途中で 「トーク1:ジョーズ2」 5.女優 6.絵はがき坂 「トーク2:弟と犬」 7.男は大きな河になれ 8.夜想曲(ノクターン) 9.奇跡 10.黄昏迄 11.がんばらんば 12.誓いの言葉

1はリクエスト3位、9は2位、10は1位。ふーーーーん。「黄昏迄」が1位なんだ……。私だったら、「あなたが好きです」か「微熱」、「しあわせについて」「風に立つライオン」「男は大きな河になれ」のどれかかな……。いかにも旧セイヤング世代な古さですが(笑)。

それにしてもまっさん、さすがに声は少しは年取ったけど、やっぱり声出ますねえ。しかも前後と間にあれだけ喋ってるし。久しぶりにフルサイズのトークを聞いてて気がついたけど、よく考えたら、私の話って、展開のしかたとかセリフの入れ方とかまとめ方とか、基本はまっさんだわ……。京都SFフェスティバルの企画の司会とか、自分で歌った時のMCとかも、やっぱり基本はまっさんだ。恐るべしまっさん。その他、いろいろと自分の原点めいたものを確認する。10代の頃に何に接したかって、人生においては非常に重要なもんですねえ。で、曲も行き当たりばったり(笑)の選曲とは思えないなかなかいい構成で、しみじみして帰ってきたわけですが、しみじみしてても湿っぽくならない、嫌味がないところがいいですね。昨今の「泣ける系」とはやはり一線を画するのでは。さすがですなあ。

しかし正直、「ひき潮」が当たらなくてよかった……。これが来ちゃったらもう天の声として諦めようと思ってたよ……

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