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2007年7月18日 (水)

ペテルブルクはスシ・ポリスの夢を見るか?

いや~、なんか、ホントにやるみたいですねえ、スシ・ポリス。今日、発足とか何とか(ソースないけど)。真面目に論じてる人もいるけど、私のようにウィリアム・ギブスンっぽいものとか、セルゲイ・ルキヤネンコっぽいものとか、成田空港のお土産やさんとかが好きな人にとっては、正直、たまらん(快)!と思っちゃうわけですよ(笑)。

ニューヨーク近郊のある町に出張した友人が、「日本食と称してハンパにエスニックなチャーハンとか、マッシュルームが一片ぺらっと浮かんだコンソメスープみたいなモノが出てきて、とても21世紀とは思えなかった」とか言ってるのを聞くと、そりゃちょっと何とかしないとマズイかなあ、とも思うし。だってニューヨークのすぐそばだよ? でもロンドンのラーメン屋が誰に対してもデフォで箸を出したり(でもこの箸が中華の箸な罠)、だいたい味噌ラーメンなんだけどなんか微妙なものを出してきたりすると、なんか嬉しいし(ギブスン好きだから(笑))。このままでもいいじゃん、とか思ったり。

Peterburgsussi そういや2005年にペテルブルクに行った時、ホテルのエレーベータにこんなメニューが貼ってあったのでした。

どうやら部屋からオーダーしてのデリバリーのみらしい。左の列はネタがそのまま乗ってるやつで、右はどうもたたきっぽいですね。MaguroとかSakeとか書いてありますなあ。分かんないのはUnagt。何だUnagtって? 何か古代エジプト語っぽいぞ。本当は何て発音するのか分かりません、みたいな(笑)。

……………………。

あ。

もしかしてUnagiですか?

いや、もしかしたら書体でUnagtに見えるだけで、本当はちゃんとUnagiと書いてあるのかもしれん。

それにしても、あのプラスチックの飾り(何ていうんだっけ? あれ)とか、ワサビとかがちゃんとついてますね。ガリらしきものも写ってるし(なんか味噌の塊っぽく見えるけど、ガリだよね?)。何かその異様なまでの「リアリズム」が怖いよ(笑)。「あがり」までついてきたら引くよ(笑)。1カンで48~96ルーブル(今の相場で220~480円くらいか)というのは高いのか安いのか……

どっちにしても、私なんかは今思い出しても顔が緩んじゃうくらい嬉しい。好きだよこういうの。たまらん(笑)。

食べてないので味的にはどうだかわかりません。右列のたたきにしたやつっぽいのはスシ・ポリス的にはまだOKかなあ。ウナギたたいてどうすんじゃとかは思うけど。

でも、たたきにして混ぜると美味しいらしい。うわあ、これ、やってみよう! まさか日本の一般家庭までチェックしに来ないよね(笑)。とかいってたたいているうちに『マイノリティ・リポート』の警察みたいなのが突入してきたらどうしよう……

やっぱり誰かルキヤネンコ訳してよ……。1998年6月のSFマガジンのロシアSF特集に載った「未調理のフグ」みたいな「なんちゃって日本もの」がたくさんあるらしいのよ。ねえ大野典弘さん? 何とかしてぇ~!

2007年7月14日 (土)

チェコ天文学最前線

なんていうイベントが昨日あったので、井上に牽引してもらって出かける。

チェコと言えば肉とビールとシュヴァンクマイエルなわけですが(良い子は鵜呑みにしないように)、チェコ+天文学といったら……まあフツウ、そっち方面を連想しますよね。心拍数と血圧が上昇する組み合わせですがな。しかし講師は神戸大学大学院理学研究所の助教、阿部新助さん。ううむ。完全に理系の人ではありませんか。一体どういう話になるのか……と思っていたら、全く想像だにしなかったような内容だったのだ!

会場は大使館内にあるチェコセンター。おおお、ここはめちゃくちゃ敵が多いロシアやアメリカと違って(笑)、表立った警備を全然していない。少しは警備しようよっていうくらいだ。平和だなあ。広尾駅から聖心女子大学をぐるっと迂回するように坂の多い道を行くので、草履で歩くには厳しい。都心の意外な辺鄙な場所の一つであろう。チェコセンターは展示室やホールを有し、随時イベントをやってるそうだけど、なかなかここまで来るのが大変だ(それにしてもこのサイト、日本語のページは無いんかい!)。聴講者は女性が多く、ううっ……世代が若いなあ。いいなあ、こういうの。

阿部さんは若手の男前理系男子であった。流星・彗星・小惑星等の太陽系小天体の観測や解析がご専門だそうです。序盤にはチェコの天文台にいた頃の話や、流星群の原理、彗星の二本の尾等々についての比較的とっつきやすい話で、徐々に惑星探査機(特に「はやぶさ」)とかのディープな話に。で、初めて知った驚愕の事実。チェコって、流星の軌跡解析やスペクトル分析では先進国なのだそうだ。今では世界中に普及した解析法もチェコで開発されたものが多いのだという。何年か前に、大気圏に突入しながら燃え尽きもせず隕石にもならずそのまま大気圏を抜けていった流星(東京上空であったそうだ。知らなかった……)のデータも、チェコまで持っていって解析したのだという。

今のところ、流星のスペクトル解析の結果、その流星の「出身地」が分かった例はないのだそうで(もちろん流星群のように「出身地」がはっきりしている場合は別だろうけど)。月由来、火星由来の隕石は地球上で確認されているのに、不思議だなあ。単に確率の問題なのかなあ。もっともっとたくさん流星が解析されれば、「あの時のあの火球は火星から来たものだった!」なんていうことが分かったりするのだろうか。

ああ……やっぱり宇宙はいいなあ。と、ちょっと呆然としたまま広尾でゴハン食べて帰宅。当然のようにホルストの『惑星』を聴いてから寝たり。しかもマシューズの「冥王星」付きのやつね(笑)。そういや去年、冥王星の「格下げ」が決定された因縁の地もチェコだ。

やっぱり宇宙はいい……地上には忘れたいことがいっぱいありますねん。特にロシアには。

2007年7月12日 (木)

90年代テクノ

51jgkns385l_aa240__1 The Orbのコレがいつの間にか3枚組になって再販されていたので、つい買ってしまう。あああ懐かしい。90年代テクノ。

90年代前半、きっかけは何だったか忘れたけど、けっこう英国のこれ系の音楽を聴いていたのであった(その結果が『ムジカ・マキーナ』になったわけですが)。既存のバンドなんかもこの頃けっこうテクノ化してて(ペット・ショップ・ボーイズとかイレイジャーとか)楽しかったなあ。YouthがやってたBlue Pearlなんてプロジェクト、誰も覚えてないだろうなあ。さっきアマゾンで見てみたら、アルバムが48円からだった。うわーショック。あり得ん……orz

でも今思えば、あのCDとかこのCDとかそのCDも買えばよかった……。今聴いたら「しょうもな!」と思うんだろうけど。でもAce of baseとか2UnlimitedとかProdigyとか買えばよかった。列挙してるだけでなんか恥ずかしくて笑っちゃいますが。

90年代も半ばになるとYouthがKilling Jokeのベースに復帰したりとか、Willam Orbitが私にとっては待望……であるはずなのに100年の恋も冷めるようなだめぽなクラシックネタのCD出したりとか、Sealとトレヴァー先生のタッグがテクノ離れしたりとかで、ジャンル全体が私にとっては何となく色褪せてしまったんだよねー。95年に私にとっての真打BTが登場して以降、BTとUnderworldくらいしか私にとっての「生き残り」はいないし、新規開拓は失敗し続けているんだけど(関西テクノのCDとかちょっとチェックしたりしてるけど、なんか今ひとつハマらない)、当時のCDを聴くと今でもハマるので、年取ってジャンル自体について行けなくなったわけでもないようなんだよねー。

なんかいい新譜ないですかねえ。って、まずはThe Orbの新譜をチェックするべきでしょうか。それにしてもアレックス・パターソンって今、何歳だ? すっかり理屈っぽい常識派のじいちゃんみたいな容貌になってますが。

まあとりあえずこれ聴こう。懐かしいなあ。もっとも、例によって私の時間感覚は狂ってるので、15年以上前のCDという気はしないんだけど。感覚だけを頼りにするなら、これと日韓共同開催のワールドカップとどっちが昔なのか、実はよく分からないのであった(笑)。

2007年7月 6日 (金)

もしかしたら行かなければ良かったかもしれない「国立ロシア美術館展」

あ゛~、すんません。ちょっと沈没中で。体調もわろし。ただでさえ今頃の時期は年間最悪の「底」なんだけど……その他にもまあ、いろいろとございまして……。下記のさだまさしコンサートの後にも、今週は連日コンサート等の予定があったのですが(実は今日もあった)、出かけられないヒトになってしまって全部没……orz ま、ちょっとは出かけられるのが午後の明るいうちだけかなー。でも自分はまだ大丈夫だと自分に納得させるためなのか、それともただ単にもう終わっちゃうからしょうがないからなのか、上野の東京都美術館に「国立ロシア美術館展」を見に行ってきました。もう明後日で終わっちゃうつーの。

ペテルブルクのロシア美術館の収蔵品を持ってくる企画。いちおう美術館単位では「本邦初公開」ということだけと、何点かは十年以上前に日本に来たもの(ヤロシェンコとか)。

いやしかし……はっきり言ったほうがいいよね……わたしゃかれこれ四十年生きてますが、こんなに活気のない特別展は初めてっす。

そしてこんなに観客の年齢層が高い展覧会も見たことない……。そりゃ軸ものの展示なんかは年齢層は高めになるけど、どこの展覧会にも必ずいるはずの「いかにもアート系でーす!」というカップルを二時間中一度も見かけなかったのは初めてだ。

そして会期末なのにこんなに人が入っていない特別展も、全然なかったわけじゃないと思うけど思い出せない。展示がマニアック過ぎて(国立西洋美術館の「聖杯」展とか)人が少ない展覧会もあったけど、そういうマニアック系は見に来てる人の覇気が違うし、展示品を選んだ側の覇気も違うので、案外、生命力があるもんです。

しかし……

まず何と言っても今回の展示、作品の選び方を間違えたとしか言いようがない……。そりゃロシア美術館の主戦力であるレーピンやアイヴァゾフスキーを多めに持ってきたのは良かったと思う。私もペテルブルクで見てないものを見られたから嬉しいし。その他も一点一点はもちろん秀逸なんだけど、でもね、それでもやっぱりあえて言おう、選択を間違えた、と。

何故マレーヴィチを持ってこない? 何故バクストを持ってこない? 何故レーリヒを、フィローノフを持ってこない? つーか、ロシアン・アヴァンギャルド完全黙殺かよ!

展示の統一性がなくなる? そんなちいせえことを気にしていて展覧会ができるかってぇんだよべらぼうめ。あまりにも「まっとう過ぎる具象画」ばかり持ってきた結果、全体としてはなんかこう「滅びた古い文明の名残」展、みたいな感じになっちゃってるじゃん。実際のロシア美術館はこんなんじゃないんだよう、信じてくれええ(泣)。こういうまともすぎるアカデミックな絵からフィローノフの狂った偏執画(?)、セ-ロフの舞台美術、ラヴクラフトが絶賛したレーリヒ、そして言わずと知れたシュプレマティズムの雄マレーヴィチ等々まで(というか、実は民芸品とかもある)があの広すぎる館内に展開してて、多分日本人のほとんどが想像したことさえないであろうロシア美術の広大無辺な世界が広がってたりするのです。

なのに……

アカデミックすぎる展示を年配の人たちが黙って見ているだけの特別展になってしまったよ。90年代に似たような傾向で何度かロシア美術の展覧会があったけど、その時はこんなじゃなかったんだけどなあ。実感として、この10年くらいで急速に事態が悪化してるような気がするわけです(というか、「気がする」だけじゃないわけで)。なんかもう、私一人が何言ってもムダかなあ、という無力感が……。失敗したジャンヌ・ダルクになる悪寒。もうね、ロシアはいっぺん、日本での文化交流の担い手が高齢化の後にいなくなるというカタストロフに直面してショックを受けるべきかもね。再建に半世紀はかかるだろうけど。

精神的ダメージが大きい……。ううっ。もしかしたら行かなかったほうが気が楽だったかも。

ああせめてマレーヴィチ一点だけでも……orz 「黒い正方形」を持ってこいとは言わないけどさー。そういやロシア美術館は、ミュージアム・ショップで「マレーヴィチ・マトリョーシカ」を売っているのであった。ものすごく高価なシロモノで、丸の数を見ただけで買う気ナッシング。いやでも本当は欲しいです。

あと二日しかないけど、駆け込みで行こうと思ってた方々、お薦めしないです……orz どうせならペテルブルクの「本物」に行っちゃいましょう。もっとも、ペテルブルクなんて街が実在すれば、の話ですが(笑)。いや、あれは幻覚だから。泥炭地にピョートル大帝の丸木小屋の残骸が残ってるだけだから。

Russianmuseum というわけで、まとまりのない感想を書きつつ、こんなものを貼って終わりにしよう。2005年に私が撮ったロシア美術館の写真です。スゲー曲がってますが(笑)。

あまりにもダメージが大きかったので、帰りに科学博物館に寄ってミュージアムショップの恐竜ネクタイを買った。ちょっとは気が晴れた……かなあ……?

何故かロシア文化フェスティバル2007のプログラムじゃなかったということに今の今まで気がつかなかったのですが、もともと、「周辺情報も」というつもりのカテゴリなので、こっちに入れときます。

2007年7月 1日 (日)

まさしんぐWORLD 2007

いきなりさだまさしだよ(笑)。チケットを頂いたので、急遽、行ってまいりました。いやあ、こう見えても中学生の頃は毎週「セイヤング」を聞きつつオーケストラで酷使したフルートを磨き、高校~大学の頃は合唱の練習から帰ってから「セイヤング」を聞きつつ漠然とした小説の構想を練っていたのは秘密だ(しかもその後も生き延びて本になった構想が二つあるのはなおさら秘密だ)。

国際フォーラムAホールという、あのどうしようもなく巨大なホールが二日にわたってソールドアウトなのであった。恐るべしまっさん。前座はチキン・ガーリック・ステーキ佐田玲子。CGSはア・カペラ・グループというか……人間カラオケというか。スゴイっす。おお、リーダーはゲルマン・グレフ経済発展貿易相ですね(笑)。佐田玲子はもうちょっと若い頃のまっさんに声も歌い方もそっっっくりになってきました。高校生の頃、イベントで握手してもらったことがあるのはヒミツだ(笑)。

まっさんのコンサート本体は、前もってファンクラブでリクエストしてもらった上位100曲をリストアップし、上位3曲と、あとはその場でくじ引きして歌うという無謀な企画。トークも10ネタからくじ引き。ということで、セットリストは以下の通り。こういうの、昔はコンサートが終わってから人力で書き写したりしてたもんですが、今はケータイカメラで撮っちゃえばいいんだからラクになったもんです。

1.主人公 2.夢ばかり見ていた 3.雨やどり 4.道の途中で 「トーク1:ジョーズ2」 5.女優 6.絵はがき坂 「トーク2:弟と犬」 7.男は大きな河になれ 8.夜想曲(ノクターン) 9.奇跡 10.黄昏迄 11.がんばらんば 12.誓いの言葉

1はリクエスト3位、9は2位、10は1位。ふーーーーん。「黄昏迄」が1位なんだ……。私だったら、「あなたが好きです」か「微熱」、「しあわせについて」「風に立つライオン」「男は大きな河になれ」のどれかかな……。いかにも旧セイヤング世代な古さですが(笑)。

それにしてもまっさん、さすがに声は少しは年取ったけど、やっぱり声出ますねえ。しかも前後と間にあれだけ喋ってるし。久しぶりにフルサイズのトークを聞いてて気がついたけど、よく考えたら、私の話って、展開のしかたとかセリフの入れ方とかまとめ方とか、基本はまっさんだわ……。京都SFフェスティバルの企画の司会とか、自分で歌った時のMCとかも、やっぱり基本はまっさんだ。恐るべしまっさん。その他、いろいろと自分の原点めいたものを確認する。10代の頃に何に接したかって、人生においては非常に重要なもんですねえ。で、曲も行き当たりばったり(笑)の選曲とは思えないなかなかいい構成で、しみじみして帰ってきたわけですが、しみじみしてても湿っぽくならない、嫌味がないところがいいですね。昨今の「泣ける系」とはやはり一線を画するのでは。さすがですなあ。

しかし正直、「ひき潮」が当たらなくてよかった……。これが来ちゃったらもう天の声として諦めようと思ってたよ……

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