ロシア皇帝の至宝展オープニング
今日から江戸東京博物館で「ロシア皇帝の至宝展」なんていうスゴイ特別展が始まるのであった。というわけで昨日、開会に先立って内覧会があったので、井上にくっついて行く。ちょこっと主催者側の挨拶があるくらいで放置内覧会・放置立食だろうと思って高をくくっていたら、ロシア大使臨席でえらいひと系の挨拶のある立派なセレモニーをホールでやったのであった。
写真はいつの間にか着任していた(失礼な!)新大使ミハイル・ベールイ閣下(『ペテルブルク』の作者と血縁かどうかは不明)。右側の来賓席左端の女性はクレムリン博物館のエレーナ・ガガーリナ館長(宇宙飛行士と血縁かどうかは不明)。新任大使は男前、館長は美人な上に声が可愛らしいのであった。図版の写真より実物のほうがずっとキレイだよん。そういうところばかり見ていていいのか(こちらにベールイ大使のもっと良く撮れた写真upしました)。
展示は、バブル時代のようにぶったまげるほどではないかもしれないけど(いやもうああいう時代は来ないでしょう)、よく貸してくれたなあ、というものばかり。クレムリンの宝物庫は見学かけっこう面倒なんだよね。ツアーでもコースに含まれないのがフツウで、そうそう見られるもんでもないので、もう今見ておくのが吉かと。
やっぱり驚くのは宝石類の大きさと貴金属の厚みかなあ……。どんだけ人民を搾取していたことやら……。さっさと革命が起こっちゃったフランスの比でさえ無い。しかも宝石類は18世紀になっても、とても18世紀とは思えない古いスタイルのカットで、カット自体もわりと大雑把。いやロシアの皇族・貴族から見たら、小さな宝石を可能な限り輝かせようとしていたアムステルダムの職人たちの努力はいじましいと思ったかも……。あくまでも大きさで勝負か(笑)。なんか贅沢のケタが違うって感じ。
いつの間にか泰西ナイズドされた我々の眼には、そういう方向性はかなり神秘的に映りますね。私のような露ヲタの人はそれなりに見慣れているけど、それでも、やっぱり敷居高いな……という気がしないでもないです(汗)。
特にイコン飾りや聖具は日本ではなかなか見られないだけに、これだけ見に来ても充分価値あり。内覧会には正教の東京主教猊下(だと思う)も来ておられて、武具とか肖像画とかの俗世のものには見向きもしないのに、十字架や香炉などの聖具には食い入るように見入ってて他の人に説明しまくってましたねえ。テレビ局も来てました。来月、TBSで特番やるそうです。
展示はええねんけど、解説文がちょっと不安。専門用語をカタカナ語で丸投げし過ぎ。多少生硬になっても、漢字化したほうが日本人には意味が取れるけどねえ。図版に関わっているのは美術関係の人だけなのかなあ。これまでの史学的、文献学的な蓄積が生きてない感じ。よけい敷居を高くしてしまうと思うんだが……
ピロシキと紅茶等を飲み食いして帰還。ナマで西本智実さまが拝めたりしてラッキー。展覧会の関連イベントとしてコンサートもやるそうです。いいなあ。
展覧会の会期は3月20日から6月17日まで。その後7月10日から9月17日まで、大阪の国立国際美術館に巡回。売店で売ってるTシャツの「マトリョーシカ」の綴りがお約束で間違ってるそうなのがちょっとなあ。買うならそのへんは覚悟してね。
しかし、江戸東京博物館なんていう場所でロシアものの特別展をやるなんて、まるで私にもっと仕事しろと言っているような……。いや去年から書いていると何度も云うてる「ボリス・ゴドゥノフ」ネタの長編(書き直しが多くてなかなか進みませんが)というのがですね、実は江戸とロシアを行き来するような話で……。最初はもっとまともな企画だったんですが、いったんアレ化すると止めようがなくて……。『ムジカ・マキーナ』路線をお望みの方々には満足していただけるかと……。え、ええ、も、もちろん書いております書いてますってば。
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コメント
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> クレムリン博物館のエレーナ・ガガーリナ館長(宇宙飛行士と血縁かどうかは不明)
こちら↓の記事に拠れば娘さんだそうです.
つ http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/hito/news/20070323ddm003070064000c.html
投稿: G.C.W. | 2007年3月23日 (金) 18時25分
をををををを本当だ! ありがとうございます!
いいなあ! 父親が宇宙飛行師で自分が歴史・美術系博物館の館長! 超羨ましい! つい今しがた、次のエントリで自分の夢を語ったばかりです。い、いいなあ……
投稿: ふみお | 2007年3月23日 (金) 18時50分