シルヴィア王妃CD
スウェーデン国王&王妃が来日してますねえ。っつっても、末端の庶民には全然関係ない話……でもないかもしれないのであった。チャリティCDを買ったら、キミもちょっとは関係者だぞ。
四年前のちょうど今頃、一度だけスウェーデン王室を目撃したことがあったのよね~。チューリヒ歌劇場でウェルザー・メスト指揮で『魔笛』をやった時。料金的にも中ランクの公演だったし、特別なことがあるとはまーーーーーったく想像しないで行ったら、何故か客がみんなブラックフォーマルな罠。高齢のご婦人がカラースーツなどお召しになっていただけで、ほんとーにブラックフォーマル一辺倒の世界。「ヨーロッパのオベラハウスなんて、みんな気軽に普段着で来るのよ。ドレスなんか着てくるのは何も知らない日本人くらいのものよ」とか、旅なれたオペラゴーアーの人とかが言ったりするけど、実際は「普段着」よりはもうちよっとちゃんとしたカッコだったりする(まあ日本だってそうじゃん)。しかし……これって一体……? 平土間なんか、みーんな顔見知りって感じでお喋りする妙に上品っぽい若者で埋め尽くされている。もちろん全員おめかし。チューリヒ・オペラはキャパ1200席というオペラハウスにあるまじき小ささなので(拡張するかどうか国民投票して否決されたというスイスっぽさ炸裂)、オペラグラスで見渡せば一人一人全員の顔も見られてしまうようなところ。なんか、観光客って私一人っぽい、と確認するのにさほど時間もかからず……。それにしても何なのこの状況? ちょっとトワイライトゾーン的な気持ちで二階の桟敷席にいたら。
隣のボックスの老婦人が「ちょっとそのオペラグラス、貸してくださる?」というではないか。舞台が始まってから、じゃなくて、今。な、何でだろう……と思いつつ手渡したら、ご婦人は前方のボックスを示しながら「スウェーデンの王室が来てるのよ~!」と嬉しそうに言ったのであった。
そう、御前演奏会だったのですね。
私以外は全員スイスの上流社交界の人たち。
知らんで来ちゃったよ(汗)。
そういや何故かこの日はネットのチケット販売システムが機能してなくて、どうしようもないんで友達のコネで劇場のえらいひとにチケットを取ってもらったんだけど……。フツウにチケット取れたじゃん、と今まで思ってたけど、さっき初めて気がついたよ、そういうルートだからチケットが取れちゃったのであって、本当はフツウには販売してなかったのかもしれない。知らないって怖いな……。知っててコネで入っちゃった~、とかだったらちょっとは自慢になるかもしれないけど、危うくMr.ビーン化するところだったじゃん(冷汗)。
まあフランスだったらちょっと冷たくされたかもしれないけど、スイスはさすがに観光客には優しかったです、ハイ。
で、その時売っていたのがこのCD。シルヴィア王妃は、主に発展途上国の困難な状況にある子供たち(children at risk)をサポートするWorld Childhood Foundationの創立者で、このCDはそのチャリティのためのものなのであった。中身はグラモフォン系のコンピ(オペラアリアが中心)。シューベルトの「シルヴィアに」なんかも入ってて、選曲した人は選曲者冥利に尽きたでしょうなあ。しかし! 北欧ものはシベリウス一曲だけでいいんですかー? もしもしー?! グラモフォンの中の人ー?!
シルヴィア王妃は今、日本でも、認知症介護に関する講演などもしておられるそうで、もしかしたらそういうところでもこのCD売ってるかも。もちろんシルヴィア王妃及びWorld Childhood Foundation関連のイベントでしか手に入らない、カタログにも載ってないレア盤。もし機会があったら是非買ってくださいませ。って、なんでお前が関係者ヅラしてお願いしてるんだよって感じですが(笑)。
ホテルのフロントの人も云うてたけど、スウェーデン王室の人気はこの王妃様でもってるんだそうな。だろうなあ。憧れちゃいますね、飾り物じゃない王妃様。スウェーデンは決して「小国」じゃないけど。
いや、それにしてもあの時、ユニクロのピンクのセーターとか着て行かなくてよかった(笑)。黒のセーターに黒のスラックス、なんちゃってアンティーク・アクセサリー(自作)というナリだったので、忍者のように潜伏して、からくも悪目立ちだけは避けられました。セーター、ユニクロだったけど(笑)。ユニクロ万歳! ……そういう話か?
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