「友よ 信じるな 引き潮の時の海の変化を」
ちょっとネタ的には遅れましたが……
今週は日本ユーラシア協会関係のイベントにお世話になりっぱなしでございました。別に私自身は会員でも関係者でもないけど、井上にくっついて行くので。23日には「東京 ロシア語週間オープニング ロシア語&ロシア文化の夕べ/オープニング」なんていうイベントで、ビザ発給の窓口にしか行ったことのなかったロシア大使館の中にちょっとだけ入ってきました。26日は日本ユーラシア協会の本部で、(この人の肩書きはナニと言ったらいいのか分かんないんだけど、評論家というか編集者というか在野の研究者というか遊び人というか)沼辺信一さんの、ロシア・アヴァンギャルド期の絵本についての講演を聞いてきました……
って、それはいいのだが、正直、どっちのイベントでもえらく不安なキモチになってしまった。というのもですね、後者は参加者の平均年齢が異様に高く、後者はロシア語学習者を励ます系のイベントなので、若いコたちも参加していたんだけど、ステージに出てきてプーシキンの詩なんかを暗誦している「ロシア語学習者」たちは……ううむ、みんなちょっと及び腰な感じのうら若き女性たちばかりなのだった。
実はここ数年、エイゼンシュテイン・シネクラブの参加者もむっちや高齢化しているんですよねえ……。例会も、私より年下の参加者がいないのがフツウの状態になっちゃってるし、去年の年末にやった『戦艦ポチョムキン』の再上映も、会場に入りきれないほど希望者が来て数ヵ月後にもう一度上映したというほどの盛況ぶりだったけど、その年齢層がこれまたむっちゃ高いのであった(ちなみに2004年にペット・ショップ・ボーイズが音楽をつけてトラファルガー広場で上映、というイベントはストリートのノリの若者が観客の主体だったそうで。現地在住の友人の話がスゴかった。ううっ、正直、羨ましいぜロンドン!)。
政府も文化政策として重要視するようなおブンガクとか、ほっといても売れるオタク・カルチャー系のゲームやマンガは、なんだかんだ言ってそれぞれの国で紹介・翻訳する人がいるけど、その中間あたりのエンターテイメント文学や映画って、ロシアでも日本でも紹介が滞ってるのが現状だったりするんですよね……。私も、この一、二年の間にロシアSF翻訳の中心だった大野典宏さん、大山博さんが相次いで体調を崩して事実上翻訳から離れてしまってから、初めてそれがどれほど個人の献身と犠牲の上に成り立っていたのかを思い知ったのでした……。読む側としての私は、漠然と、翻訳とか紹介とかはそのスジの人たちが誰かしらやってくれるもんだと思っていたというか。しかし、中心になっていた一人、二人が倒れただけで、もうその分野での交流が限りなくゼロになってしまうという事実。そしてそれに誰も気づかないという事実……
それ考えると、舞台芸術で交流してる人たちはいいなあと思っちゃう(いや、それはそれで大変なのよと反論はされるでしょうけど)。やることが華やかなのでスポンサーもつき易いし、正直、「成功」を演出しやすい(クラシック方面の「演奏する側の裏の事情」あたりは知らんでもないです)。
とはいえ、世の中にはもっと可及的速やかに対処しなければならない問題が山ほどあるので、真に優秀な人材はそっちに取られちゃうのも分かるんだけどね……。けど、ね……
ああ、こんなことになるんだったら私がロシア語をやっておくんだった、とちょっと思わんでもないけど、正直、語学ヤバイ系の人間には敷居高すぎですよ、ロシア語。実際、何度か挑戦してザセツしているのだった。これはラクだ、と思ったのは冠詞がないことだけじゃん! チャイコフスキーの歌曲集の楽譜も10年以上放置している……。背表紙が焼けてるだけで新品同様orz 歌詞長いし! 誰かネイティブの人に模範朗読を録音してもらわないと学習できないと思うよ……
上記の沼辺さんの話は、これまでに何度か講演をしてきて練れているせいか、以前よりさらに解り易くなってましたです。沼辺さんは30年に渡るロシア絵本コレクションの末に、2004年に芦屋美術館で始まって全国を巡業した『幻のロシア絵本 1920‐30年代』を実現したという人。そこに至るまでの過程を聞いていると、確かに「ものごとには必ず意味がある」と思えることの連続だし、私も普段はそう信じているほうだけど……。最近ちょっと確信が揺らいだりしてます。うう。いったい何の意味があるんだあー!と思うことがねえ。もっとも、そう簡単に答えは出るものではない、年単位で時間がかかるのがフツウ、と言われればそれはそうだと思うんだけど……
それでも、その「意味があるはずのところ」から、その運命と私しか知らないサインを受け取るのは嬉しいものです。まあ、嬉し悲しいというか。とりあえずアート・オブ・ノイズ聴いて寝よう。関係ないけど(笑)。
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