Russian Caravan
井上がグルジア映画の講演をして、グルジアの研究者を交えて親睦会をして帰ってきた。親睦階はグルジア料理。「何が出た?」と聞いたら、妙に口ごもった。「何とも説明のしようのないモノが出てきたでしょ? 美味しいけど説明がすごく難しいシロモノ」と言ったら、諦めたように「……うん」と。そう、グルジア料理って、説明しても分かってもらえないのよね。「小豆のようだけど小豆の味がしない豆」とか「カッテージチーズのようなヨーグルトのようなクリームのような乳製品」とか(だから分かんないって
)。
それとは別な話をしようと思っていたのだった。
むかーーーーーーーし、フランスでナゾの紅茶を飲んだことがあった。今はもう無いサロン・ド・テで、お品書きに「テ・リュス」と書いてある紅茶があったので、これは一体何すかとお店の人に聞いたら、ロシア風の紅茶だという。いや、それは書いてある通りじゃん。そうじゃなくて……。どういう味?と聞いても、だからロシアなフレーバーの紅茶だってば、と言われて、さっぱり分からない。もうええわ、自分で飲んでみるわい、と思って注文。出てきたのは、何ともレトロな感じのスモーキーな味わいの紅茶。
美味しいかと言われると、正直、微妙
不味いというわけでもないんだけど、とにかくレトロ。じゃ、昔そういう紅茶を飲んだことがあって「レトロ」と言っているのかと聞かれると……ううう……知っている味ではないんだけど、どうしても「レトロ」という感想になってしまう。そういうナゾの味だったのだ。
あれは一体なんだったんだろう、と思いつつ、ちよっと調べても出てこなかったので放置しているうちに忘れていた。ネット時代だったら検索したらすぐ分かったんだろうけど。
で、すっかり忘れていたのだけど、別件を検索しているうちにRussian caravan black teaというものがあることを知った。
「むかーーーーーーーし、中国からお茶の葉を運んでくる時、長い時間をかけてシベリアを越えている最中に、お茶はキャンプの炎にいぶされ、ラクダの匂いがついた」のだそうです。ラクダの匂いって……
で、ロシアの皇帝が好んだらしい。
今はさすがにラクダで香りづけ
はしてなくて、ユンナン茶とかラプサン・スーチョンとかのブレンドで再現しようとしているらしい。ラプサン・スーチョン……。あの正露丸みたいなお茶でしょ~? 今でも作っているメーカーは幾つかあって、かつてはトワイニングも普通に売っていたそうだけど、今はオーストラリアでしか売っていない。トワニングが手に入らなくなってから他のメーカーを試しているイギリスやアメリカの人たちは「でもやっぱりトワイニングが一番」と言っているようだ。
まあこんな時代ですんで、ネットでオーストラアから手に入れられるサイトはすぐに見つかったけど、さすがに125g入りの缶をいきなり買う勇気ないなあ……。米アマゾンでは他のメーカーのものが手に入るけど、米アマゾンの紅茶はいきなり6packsなのよねえ。10pティーバッグを一個から売ってくれるサイサもあるけど、その何倍もの送料をかけて買うのも萎える。
とりあえず、テ・リュスの正体が分かっただけでもよしとしよう……。購入はペンディング。ちなみに全然関係ない話だけど、そのサロンの兄さんはちょっとへんなひとで、妄想小説を自費出版して売っている人だった。つい買って読んでしまったけど、文学的価値はともかく、思いっきし妄想でした……。売る時、兄さんは「これは本当の話なんだ。とてもおかしなことが書いてあると思うかもしれないけど、本当なんだ。僕と最愛の恋人の本当の思い出なんだ……」と、やけに私を説得しようとしたんですけれどもね。いやウソだとは疑ってないよ。妄想ですから……。ちょっと損した気がしたので『アイオーン』の「慈悲深く地合いあまねきアッラーの御名において」でネタにして元を取りましたけどw
それにしても、なんでオーストラリアの人はRussian caravan好きなんだろう? それはロシア皇帝と好みが一緒という結論でよろしいんでしょうか?
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