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2018年9月 1日 (土)

『翼竜館の宝石商人』発売

51sswpiclglこちらでのちょっと遅くなりましたが、『翼竜館の宝石商人』(講談社)が発売になりました。

以下、帯より

1662年晩夏のアムステルダム。宝石商人ホーへフェーンがペストで死んだ。
しかし遺体が埋葬された翌日、厳重に人の出入りが管理された館の、
鉄格子がはまった部屋で、ホーへフェーンに瓜二つの男が意識不明で発見される。
画家レンブラントの息子ティトゥスと記憶を失った男ナンドは、ひょんなことから
事態に巻き込まれ、謎の解明に乗り出す。

ペストの恐怖。蘇った死体。二重密室。
17世紀ネーデルラントの濃い闇の中から浮かび上がる真相とは。

というわけで、今回は謎解き以外のことはほぼやっておりません。この間あるインタビューで、何とかお高い社会派イメージに仕立て上げられそうになってゲラでめっちゃ抵抗しましたが、果たしてどこまで直してくれたことやら……。直ってなかったらここで晒して赤を入れます(笑)。

私としては「こう読んでほしい」とか「こういうメッセージが」みたいなことはいっさい言いません。それは個々の読者の「読む才能」の発揮しどころなので、作者でさえ口出しできる領域ではないと思うので。ただ、気づいてほしいとすれば、さる大御所ミステリ作家が言った「三大〇〇〇〇」をいっぺんにクリアしているというところでしょうか。そこに「このミス」の投票者とかが気づいてくれたら嬉しいですねえ。そのうちどこかでネタバレ読書会とかやりたいところです。

というわけで、どうかよろしくお願いいたします。

2018年8月 6日 (月)

中傷禁止でお願いします

特定の文筆家に対する中傷の書き込み数件と、その発端となった書き込み一件を削除しました。

ひとんちでよその人の悪口言うのやめてね。私は乗りませんから。よからぬ書き込みは見つけ次第削除します。あまりにひどいようならコメント欄を閉鎖します。

2018年8月 5日 (日)

その女アレックスたち

フランスで自分がセクハラと暴力を受けた時の映像を公開してたたえられている女性がいるけど、フランスのそういう#me too運動を見ていると、フランスも変わってきていると実感する。

ミステリ作家ながらゴンクール賞を受賞して話題になったピエール・ルメートルの一作、『その女アレックス』は、最初から最後までショッキングな小説だけど、中でもとりわけ生々しくショッキングだったのは、性的暴力を受けた女性に対してほかの女性が「そんなのよくあることでしょ。そのくらい受け流せなくちゃ大人じゃないわ」的な発言をする下り。

フランスって、ほんとこういうところあるのよね~。私がフランスには住めないなと思った理由の一つでもある。女の価値は男に誘惑されてナンボで、女同士でマウンティグし合うところ。そして、性的な経験をすべて勲章にしてしまう女が上位に行くというか。

でも、そんなにどっぷりとフランスに関わっているわけではない私にも、最近、変わってきていると感じられる。私にとって、『その女アレックス』はその象徴といえる。

フランスに行くと、80年代に比べて女性同士で助け合う場面が増えたようにも感じる。90年代くらいまでは、「助けを求めるなら異性に」って感じだったからなあ。変わってきたと感じるのは、私が「娘」のカテゴリーじゃなくなったからだけではないはずだ。フランスはこういう面でのダメさは絶対変わらないだろうと思ってたけど。だから、日本だって、日本のダメなところを変えていくことはできるはずだと信じている。

その女アレックス「たち」がそう教えてくれていると、私は思っている。

TwitterもFacebookも世の中のダメなところをあげつらう書き込みであふれているけど、それよりも、いいことをした人を褒めたたえる書き込みをするようにすれば、日本ももっと良くなるんじゃなかろうかと私は思っている。って、これ自体、ネットのダメなところをあげつらってるって言われちゃうかもだが。

2018年7月22日 (日)

ハン・ソロ

昨日、シロクマと一緒に『ハン・ソロ』を(やっと)見てきた。...

う~ん。よくできてるし、飽きずに見られたし、印象は悪くないんだけど、I have good feeling about this. とかI hate you. I know.とかパロディも上手いし、L3とかキーラのキャラもいいし、けど……何だろう、このワクワク感のなさは。ワクワクしないのは私が抗鬱剤のヒトだからというだけではないようで、なんかみんな言うのよね。なので「個人の感想です」にとどまらないワクワク感のなさなのだろう。

やっぱりフォース抜きのSWは難しい。ローグ・ワンは奇跡だったのかかもしれない。

フォースは、戦士にとっても映画にとっても非常に「都合のいい」力だ。だけど、都合がいいからと言って都合よく使ってしまうと、戦士も映画もダークサイドに堕ちてしまう。だからそれをいかに律するか、律しつつもいかに最大限使うか、という課題がSWにはある。そこが面白さの原動力になっているんだと思う。

『最後のジェダイ』がさほどじゃなかったのも、カイロ・レンとレイのフォースを介した相克(そしてあるいは愛)を描かなかったからだと思う。

『ハン・ソロ』はどうやらエネルギー体としてあのキャラ(ネタバレを防ぐ価値もないけど)を出してきてシリーズ化をもくろんでる風だけど、期待はしていない。

本編の九作目で思い切ったことをやってくれるのを祈るばかりだーーーー!

2018年5月27日 (日)

短篇ベストコレクション: 現代の小説2018 (書影あり)

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日本文藝家協会編の『短篇ベストコレクション: 現代の小説2018』の書影と、収録作家の一覧が発表になりました。私の収録作は「ハンノキのある島で」になります。

以下コピペ。

おなじみのベテラン以外は、いつになく清新な顔ぶれになった。日本のエンターテインメント小説の現在を如実に表しているのかもしれない。中途半端な人気に胡坐をかいているような者たちは新たなる芽にたちまち押し出されてしまうのだ。2017年度、小説誌に発表されたあまたの作品から選ばれた16作品をご堪能あれ。選考委員は、川村湊、清原康正、杉江松恋、森下一仁。

川上弘美 雪舟えま 河﨑秋子 小川洋子 野﨑まど 高野史緒 いしいしんじ 小田雅久仁 澤村伊智 恩田陸 深緑野分 藤田宜永 唯川恵 青崎有吾 三崎亜記 勝山海百合

なんかえらい挑発的な惹句ですが……

わし、お馴染みのベテランでもなければ新たなる芽でもない……

目を引く惹句を書きたいのは分かるねんけど、でも、この言い方はちょっとどうなん?とウソ関西弁で思ってしまう。中途半端な人気にあぐらをかいてる作家なんて、わし、知らんけど。

人気のある人は人気のある人なりに、カルトな人気のある人はカルトな人気のある人なりに、多作の人は多作の人なりに、寡作の人は寡作の人なりに、みなそれぞれに苦悩している様子しか知らんねんけど。高額の納税をする人も、「食ってゆく」ほどには書かない人も、求められる作品が書ける人も、天からの啓示で「何か」に書かされている人も、みなそれぞれに苦悩していて、人気にあぐらをかいてる人もいなければ、「中途半端な人気」なんてものもないんだよう~! 作家にも読者にもこんなこと言うたらあかんやないかと、やっぱりウソ関西弁で思ってしまう。

それはそうと……

面子はややSF寄りかなあ。どうでしょう。実際の作品はどんな感じだろう。惹句はともかく、このアンソロジー自体は楽しみにしておりますです。

2018年5月22日 (火)

短篇ベストコレクション 現代の小説2018

書影等まだですが、徳間書店刊の「短篇ベストコレクション 現代の小説2018」に、私の「ハンノキのある島で」が収録されました。

今年は体調面の問題がものすごく大きかったので、著者校の段階で講談社や日本文藝家協会に迷惑をかけてしまいました……本当に申し訳ございませんです……そして、ご協力くださった皆様に感謝の意をささげたいです。

書影やその他の収録作が判明したらまたエントリを上げます。

2018年5月21日 (月)

サイトをスマホ対応にしました

長らく不備だけらだったサイトですが、スマホ対応にリニューアルいたしました。

ちょっと健康上の問題がバクハツしまして、3月頭から二か月ほど入院していましたが、社会復帰の前哨戦として地味に作業してみました。

まだ不備だけらけではあろうかと思いますが、これからまた地味に直してゆきます。

高野史緒公式サイト

2018年3月 1日 (木)

キン・ザ・ザ見られます!

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3月3日から16日まで、新宿K's cinemaで、「ロシアン・カルト2018」ていう……なんかもうタイトルからしてナニであろうと推察される映画イベントが行われます。

で、中身も、タイトルを裏切らないナニぶり。なんと、去年から今年にかけて三回もやったSFマガジンの映画特集で紹介された『アエリータ』『火を噴く惑星』『妖婆 死棺の呪い』『不思議惑星キン・ザ・ザ』『UFO少年アブドラジャン』という、実に五本が上映されてしまうのです。

まあどれもDVDもあるっちゃあるのですが、キン・ザ・ザは最近デジタルリマスタしたのでスクリーンで見たいし、アブドラジャンはDVDがレア物化しちゃってて中古が高い……

あと、『こねこ』が上映されちゃうのも嬉しい。これはロシアの猫サーカス(!)の人が監修したりにゃんこ達をインストラクトしたりして作られた、かなり猫視点の映画。人間がみんな猫に優しいのもいい。寒いロシアのもふもふと暖かい人たちで癒される、大作でも名作でもないかもしれないけど大切な一作です。

最近ロシアの新作があまり劇場公開されないのは、いい映画がないからじゃなくて、ロシア側がけっこう権利金を釣り上げてきたり、その一方で日本の小劇場が苦戦してたりというところに問題があるようです。厳しいのう……。でもきっと、こういう、見たかった過去の名作を劇場に見に行くことが支援につながるかもです。

上映スケジュールはこちら

SFマガジン4月号

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現在発売中のSFマガジン4月号に、去年のヘルシンキでのールドコン75の時に公式プログラムといっしょに配布されたフィンランドSFアンソロジーの中の一編が紹介されております。

これは私が持ち帰ったその冊子から、フィンランドミステリ翻訳の第一人者、古市真由美さんが選んで翻訳したもの。

モノは、エンミ・イタランタの「骨のカンテレを抱いて」。作品紹介は不肖わたくしめがいたしております。

イタランタはつい最近、邦訳二冊目の『織られた町の罠』が出たばかりで、興味のある方も多かろうと思いますので是非。イタランタばかりじゃなくて、これから北欧のいろんなSFやファンタジーが翻訳されるといいな~とおもっておりますです。

2018年1月15日 (月)

アンスティテュ・フランセ 第1回「読書の夕べ」

突然ですが、こちらのイベントで自著をちょっと朗読いたします。

声に出して読む楽しみ・聴く楽しみ

1月20日(土) / 16:00-21:00
入場無料 / 飲食有料

フランスでの第2回「NUIT DE LA LECTURE( 読書の夕べ)」開催にあわせ、アンスティチュ・フランセ東京では、読書の中でも特に「朗読」に焦点を当てたイベントを開催します。詩、児童文学、朗読劇、日仏二言語での朗読、演奏付の朗読など、さまざまな形で朗読の魅力に触れられるイベントです。
アンスティチュ・フランセ教師やプロによる朗読に加えて、一般参加者のフランス語または日本語での朗読もあります。声に出して読む楽しみ、そして聴く楽しみを是非体感してみてください。イベント開催時間中は館内ル・カフェも営業します。

出演
パスカル・ローズ(1996年ゴンクール賞)
水林章(2013年リシュリュー文学賞)
マニュエル・タルディッツ(2016年フランス芸術文化勲章)
ティエリー・ベール(フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本 文化担当官)
アンスティチュ・フランセ東京 フランス語教師&受講生
東京国際フランス学園生徒
その他ゲスト

演目
児童文学(16:30~19:15)
日仏二言語での朗読
演奏付きの朗読(ピアノ、尺八、コントラバスなど)
中世フランス語、古典文学、現代文学
俳句、能、フランス語または日本語の漫画
詩、演劇付きの朗読
作家による自著の朗読

プログラム
当日のプログラムはこちらより
ダウンロードください。                                                                                                                                                

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  •                   アンスティチュ・フランセ東京
                                                                     〒 162-8415
    東京都                 新宿区市谷船河原町                 15

私の出演は204教室で17:55ごろから。朗読するモノは『カラマーゾフの妹』です。

まあ何と言いますか、修行です(笑)。作家をやってますと、たまに自著の朗読を求められることがあるのですが……これが苦手で。朗読を聞くのは好きですし、他人様テクストを朗読するのは平気なのですが、自作を朗読するというシチュエーションがものすごく苦手です。なので、こういうイベントで、自分も参加して、他の楽しい朗読を聴いて、自著の朗読にも「楽しい」という記憶を作ろうかと思った次第です。どなたか修行に付き合ってくださる方がいらっしゃったら関係いたします。その後多分アンスティテュ・フランセ内のレストランに行くと思うので、その時にご一緒できればなお嬉しいです。

というわけで、唐突な荒行ですが、がんばります……

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